シリーズ名:2000年全日本GT選手権(JGTC)
大会名:第5戦・GT選手権レース in TI
距離:3.703km×82周
予選:9月9日 曇りのち雨 ・観衆:1万8000人(主催者発表)
決勝:9月10日 晴れのち曇り・観衆:4万9200人(  同  )

Mobil 1 NSX、無念のノーポイント。
 朝夕は、幾分過ごしやすくなった9月9〜10日、年に一度のビッグイベントを待ちかねた5万人近いファンが詰めかけたTIサーキット英田では、全日本GT選手権(JGTC)のシリーズ第5戦が開催された。
伊藤大輔選手とD.シュワガー選手の若いコンビを擁し、第3戦の菅生ラウンドで今期初優勝して以来、ドライバーズ部門においてポイントリーダーのポジションをキープしている我がMobil1 NAKAJIMA RACINGでは、前回の富士で9位 に終わり、若干は削減することになったものの、今回も50kgのウェイトハンディを搭載しての出走となり、苦戦を余儀なくされている。
それでも、ここTIサーキット英田は、初開催となった98年度のオールスター戦から昨年のシリーズ第6戦と、これまで2連勝。
今回も、何とか上位入賞して念願のシリーズチャンピオン奪取に向けて弾みとしたいところだった。
 走り始めとなった金曜日は午前と午後、2回の走行セッションが設けられていた。
ともにドライコンディションで行われたこのセッションで、Mobil1 NSXは、1回目に1分29秒298をマーク。
50kgのウェイトハンディを考えれば上々のタイムで、ウェイトハンディを積載していないトップからのタイム差も僅かだったので、決勝に向けて大いに期待の高まるところとなった。
ただし天候の方は荒れ模様で、週末は雨、との予報が出されており、事実、この金曜日も走行セッションが終了する間際に降り始めてしまった。
走行セッションがドライコンディションで行われたことは幸いだったが、翌日行われる予選のコンディションが大いに気になるところではあった。
 その公式予選だが、1回目のセッションは土曜日の午前10時20分から。前日からの雨は上がっていたものの、路面 はまだウェットで、レインタイヤを装着して走行を開始する。
徐々に路面状況が良くなり始め、ドライタイヤでのアタックとなり、この1回目の公式予選では、GT300との混走となる残り20分に、伊藤選手がベストタイムを叩き出し、予選5番手につけて上々の滑り出しを見せた。
 そして2回目のセッションは午後3時から。今度は完全なドライコンディションで、最初から全開のアタックが繰り広げられることになる。コンディションが良くなった分、ライバルチームもタイムアップするであろうことが予想された。
今回は伊藤選手が、タイムアタックを行うことになった。セッション最初の20分間は、第1回目と同様にGT500の占有走行時間帯だから、遅いGT300クラスのマシンに行く手を阻まれることはなかったが、それでも20台ものマシンが一斉にコースイン、タイムアタックとクールダウンを繰り返すなど、コースが混雑する中、伊藤選手は1分28秒990にまで短縮する。
しかしライバルもタイムを短縮してきており、結局スターティングポジションは11番手まで後退してしまった。それでもポールとのタイム差はコンマ8秒で、決勝レースでのポジションアップ=上位 入賞が、大いに期待されるところとなった。
 土曜日の夕方、2回目の公式予選の途中から降り始めた雨は、夜に入って止み、日曜日は天気予報に反して朝から晴れ上がり、絶好のレース日和となった。朝一番で行われたフリー走行でも2人のドライバーが安定して走行、決勝レースに向けての期待は一層高まった。
ただし同時に、スタート直前には気温は32度、路面温度も42度まで上昇、ドライバーにとってもマシンにとってもハードなレースとなることは充分に予想された。
 日曜午後の決勝レースは、午後2時ちょうどにローリングスタートで開始された。スターティングドライバーを担当したシュワガー選手は、順調なスタートで、オープニングラップに1台をパスして10番手でコントロールラインを通 過、さらに上位を目指していった。
そして32周を終えたところでルーティンのピットイン。
その時点では7番手までポジションアップしていたので、伊藤選手の追い上げ如何によっては上位 入賞の可能性も高まっていた。
タイヤ交換とガソリン補給を終え、素早くピットアウトしていった伊藤選手は、15番手でレースを再開することになった。
僅か10周で5番手まで進出してきた伊藤選手は、なおも先を急いだが、44周目、1コーナーへのブレーキング時に他車に接触されてスピン。
コースサイドのグラベルにはまってしまい、何とか脱出してレースを再開することはできたものの、致命的なタイムロスでトップからは2周遅れとされてしまった。
それでも最後までねばり強く走り続けた伊藤選手は16位で完走を果たした。 50kgのウェイトハンディに苦しめられ、また他車に接触されスピンからタイムロス、苦戦することになったTIラウンド。
16位と入賞圏外に終わって、ノーポイント。
ドライバーズ部門のポイントランキングでも4番手まで後退してしまったが、次戦の美祢は、事前の公式テストでも好感触をつかんでおり、また、ウェイトハンディも30kgとなるため、好パフォーマンスが期待される。
■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「ウェイトハンディやアクシデントに阻まれ、無念のノーポイントとなってしまいました。ライバル達の速さも増しており、チャンピオンシップは更なる激戦が予想されますが、チーム一丸となりチャンピオン獲得に向けてベストを尽くします。」
※次戦は、9月30日〜10月1日、山口県美祢サーキットで開催されます。

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