シリーズ名:2008年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第7戦・富士スピードウェイ
距離:4.563km×30周+20周(1大会2レース制:第2レースは悪天候のため5周に短縮)
予選:8月30日 晴れ時々曇り・観衆:10,500人(主催者発表)
決勝:8月31日 晴れのち雨 ・観衆:22,500人(  同  )

ロイック、予選10位から追い上げ2位
小暮も3位で続き、堂々のダブル表彰台

31 Loic DUVAL

予選10位 race1_2位 race2_7位

32 小暮卓史

予選3位 race1_3位 race2_6位

本州に停滞していた前線の影響で、不順な天候が続いた8月下旬。FN第7戦も、3日間通して気まぐれな空模様となる。
それでも、日曜決勝の第1ヒートは終始ドライコンディションで、熱戦バトルが繰り広げられた。

予選10位から、2位まで追い上げたロイック。小暮選手も序盤出遅れるも、3位に復活。

第2レースは、豪雨となり、ペースカー先導6周で赤旗中断。

夏休み最後の週末となった8月30〜31日、富士スピードウェイでは、シリーズも大詰めとなった08年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦が開催された。
折から本州上空に停滞していた前線が、日本各地で猛威を奮ったとのニュースが伝わってきたが、富士スピードウェイも不順な天候に翻弄されることになった。それでも、週末を通じて3万3000人ものファンが詰めかけ、ドライコンディションで戦われた第1レースでは、終盤まで繰り広げられたハイスピードバトルに酔いしれながら、行く夏を惜しんでいた。
公式合同テストが行われた金曜日は、不順な空模様となったが、幸いにもFNの走行セッションは基本的に晴れ時々曇りで、基本的にはドライコンディションに恵まれた。ただし、午後のセッション後半にはコースの一部で小雨がパラつき、週末が気紛れな空模様となることを暗示していたかのようだ。
土曜日も不順な天候は変わらず、予選はウエットとなる。午前中のフリー走行で2番手につけていた小暮は、Q1で2番手につけると、Q2にも勝ち残ってQ3進出を果たすことになった。
一方のロイックは、Q1では6番手につけていたものの、コンディションが良くなったQ2では、アンダーステアが酷くなり、Q1での自己ベストさえ更新できずに10番手。残念ながらQ3進出を逃してしまった。
そのQ3では、コースコンディションを見てスリックタイヤに賭けるドライバーもあったが、小暮はレインタイヤを選択。セッション開始から3分ほど経ったところでコースインすると、そのまま周回を続け、セッション終盤に1分40秒514をマークしてトップに立った。
小暮は、ラストラップには40秒315まで詰めたが、39秒台に入れたドライバー2人に逆転され、決勝は3番手からスタートすることになった。決勝日となった日曜は好天で明けた。少し雲が拡がったものの、その切れ間からは真夏のような日射しが照りつけ、気温/路面温度ともに上昇する中、午後1時にはフォーメーションスタートが切られた。
 ポールポジションからオリベイラ選手が好ダッシュを見せて、先ずはレースをリードする。3番手グリッドからスタートした小暮は、スタート直後には松田選手をパスして2位に進出したが、その松田選手が猛反撃。ヘアピンでは何とか凌いだものの、ダンロップコーナーでは遂に先行を許してしまう。小暮はさらに、7番手からジャンプアップして松田選手の直後にいたロッテラー選手にも先行され、4番手に後退する。
一方、10番手グリッドから絶妙なダッシュを見せたロイックは6番手でオープニングラップを終えると、さらに1コーナーで1台をパスし、やがて小暮に近づいていった。ロイックは7周目に小暮をパスすると、さらにペースを上げて3位のロッテラー選手を猛追。ロイックを先行させた小暮は、序盤こそペースが上がらなかったものの、次第に本来の速さを取り戻し、ロイックの後方から、遅ればせながらの猛追を開始した。
 11周目の1コーナーでロッテラー選手をパスしたロイックの、次なる標的は2位の松田選手。
着実にギャップを詰めていったロイックは、18周目の1コーナーでインからパスして2位に進出。残るはトップのオリベイラ選手のみとなる。同じく18周目の1コーナーでは、小暮もロッテラー選手を攻略する。この時は、一度は前に出たものの少し姿勢を乱して逆転ならず
。ただし、次の周の1コーナーで再度攻略すると、今度は完全に前に出て4位に進出した。その後、2人は1分29秒台前半を連発し、ロイックはトップのオリベイラ選手に、小暮は3位の松田選手に、じわじわ近づいていった。
 26周目の1コーナーで、アウトから松田選手に並びかけた小暮は、2コーナーの立ち上がりで引き離そうとするものの、松田選手も踏ん張る。結局、サイドbyサイドで2コーナーの先からAコーナーに向かうストレートを駆け下っていく。そして、Aコーナーまでには完全に、松田選手の前に出て3位に進出する。ロイックも着実にオリベイラ選手との間隔を詰めていったが0.4秒差まで詰めたところでチェッカーとなった。
 初優勝のオリベイラ選手を挟んで、2位のロイック、3位の小暮が表彰台に上る。速さも強さも「何とかトップに追い付いた(中嶋悟総監督)」ことを証明する、今季初のダブル表彰台で、第2レースを気遣いながらも、ロイックも小暮も笑顔を振りまいた。
 その第2レースだが、第1レース終了後、最後のサポートレースの決勝中に雨が降り始め、完全なウェット状態となったところでスタート予定時刻が迫ってきた。だが、コースはヘビーウェットのコンディションで、各マシンがグリッドに着いたものの、スタートディレーとなってしまう。そして、当初の予定より50分遅れて、午後4時35分に、セーフティカーに先導される格好でレースは始められたが、2周、3周とローリングが続き、なかなかスタートは切られない。むしろ4周目辺りからは雨足が強まり、ストレート部分では大粒の雨がコースに叩きつけられる。
コース上のあちこちに、まるで池のような水溜まりが出来、これではレースの続行は無理、と思われた。そして実際、ローリングの隊列が6周目を終える直前、レースは赤旗で中断し、そのままレース終了となることが決定。スターティンググリッド順のまま、言い換えれば第1レースの結果をリバースしたまま、ロイックが7位、小暮は6位でレースを終えた。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「予選は非常に難しいコンディションで負けてしまいました。それでも、この富士は前を行くマシンをパッシングできるコースで、決勝では2人の追い上げを期待していましたが、正直言って、ここまでこれるとは思いませんでした。まさに会心のレースでしたね。
何よりも、2人とも面白いレースを見せてくれたことで、お客さんにも楽しんでもらえたと思います。マシンの方もトップに何とか追い付いた感じですね。最後まで見守ってくれたお客さんには申し訳なかったけど、第2レースは、あのコンディションでは(赤旗中断からそのままレース終了となったことも)どうしようもなかったですね。だから今回の富士ラウンドでは第1レースがすべて。チームとしては上出来の結果だったと思います。

ドライバータイトルは決まってしまいましたが、チームタイトルが残っています。勝負は菅生で、ということで、チーム一丸となって頑張ります」


次戦は9月19-21日宮城県スポーツランド菅生で開催されます。



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