シリーズ名:2008年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第6戦・ツインリンクもてぎ
距離:4.801km×34周+23周(1大会2レース制)
予選:8月 9日 晴れ・観衆: 5,400人(主催者発表)
決勝:8月10日 晴れ・観衆:15,000人(  同  )

ロイックが怒濤のパッシングを見せ、今季2勝目
小暮は、トラブルに悩まされるも第1レースで5位入賞

31 Loic DUVAL

予選3位 race1_1位 race2_リタイア

32 小暮卓史

予選2位 race1_5位 race2_リタイア

金曜フリー走行から絶好調だった小暮選手だが、予選結果2位。3位にロイック。松田選手が6戦連続でPPをゲット。
激しい予選が終わった土曜の夕方、小暮選手のバースディパーティをピットテントにて開催。

決勝1レース目は、ロイック選手が優勝。今季2勝目。

第2レースは、残念ながら2台ともマシントラブルでリタイアとなる。

お盆前の酷暑が続く8月8〜10日、ツインリンクもてぎでフォーミュラ・ニッポン第6戦が開催され、2万人を超える熱心なファンが詰めかけた。

ドライで気温/路面温度とも思いっきり上昇した金曜日の公式合同テストでは、32号車をドライブする小暮卓史がトップタイムをマーク。「(好調だった頃を)思い出しました」と表情を綻ばせた。一方、31号車のロイック・デュバルは、新しいセットアップを模索、タイム的には伸び悩んだが、それでも総合6番手につけ、先ずは順調な滑り出しとなった。
 公式予選が行われた土曜日も、好調をキープして2台揃ってQ3に進出することになった。
 『ノックアウト方式』の公式予選だが、絶対的な速さが必要なことはもちろん、3回のセッション総てでノーミス&トラブルフリーが要求されるから、意外にハードルが高い。実際トップ8でQ3に残ったメンバーを見ると6チーム/8台、と各チームに分散。トップチームと言えども安穏とはしていられない状況が続いているのだ。だから、2台揃ってQ3に進出したことで、チームの、総合力の高さを、先ずはアピールした格好となる。
 Q1〜Q2と路面温度が高い中で戦われてきたが、強い日射しが雲に遮られたこともあって、Q3では路面温度が10度以上も急激に低下。そのQ3では、小暮とロイックの間に割り込む格好で松田次生選手がコースイン。3台がともに、セッションベストを更新しながらのタイムアタック合戦となった。この三つ巴のバトルでは松田選手が安定して速く、コンマ3秒差でトップにつける。松田選手はそのままクーリングラップに入ったが、小暮とロイックは、さらにもう1周アタック。セクター1では松田選手のタイムを更新した小暮だったが、セクター2以降ではタイムが伸び悩んでしまう。結果、自己ベストをコンマ2秒以上も短縮して見せたものの、小暮は、松田選手のタイムには一歩及ばず。100分の5秒差で2番手となった。小暮と同様、2ラップ続けてタイムアタックしたロイックだったが、その2周目では、自己ベストに僅かに及ばず。小暮に次ぐ3番手グリッドから、日曜日の決勝第1レースをスタートすることになった。

決勝レースが行われた日曜日は、青空を薄い雲の膜が覆ったような天候で明け、その雲は次第に厚みを増していき、朝のフリー走行が終了する頃には完全な曇天に変わっていった。そのフリー走行ではロイック、小暮の順に2〜3番手タイムをマーク。トップとは僅差で、決勝に向けて視界良好だった。
空を覆った雲を透して路面を強く照らし続けていた強い日射しも、少しずつ弱まってくる中、第1レースのスタートが切られた。フロントロー、2番手グリッドにつけていた小暮は、クラッチのトラブルからスタートで失速、後方集団に呑み込まれてしまう。
一方、3番手スタートのロイックは、まずまずのダッシュを見せたものの、後方から、さらに好ダッシュを見せた金石選手の先行を許し、結果的にはグリッド通りの3番手で1コーナーへとアプローチしていった。スタートで失速してしまった小暮は、6番手で2コーナーを立ち上がって行くが、ブレーキにもトラブルの兆候が出てしまい、一度は7番手まで後退してしまう。
先行する金石選手に猛チャージを掛けていたロイックは、6周目の3コーナーでこれをパスすることに成功した。この時点でトップを逃げる松田選手とのギャップは5秒ほどもあったが、ここからロイックの猛追が始まることになった。1周に付きコンマ2秒から1秒近くギャップを削り、やがてテールtoノーズの接近戦に持ち込んだ。だが、後方集団でアクシデントがあり、セイフティカーがコースイン。トップ争いも一時休戦となる。
19周を終えてレースはリスタート。ロイックは慌てることなくチャンスを窺い、再びテールtoノーズに持ち込むと、25周目の90度コーナーで一気にパス。これでトップに立ったロイックは、1分36秒台のハイペースで逃げ独走態勢を築くと、そのままトップチェッカー。岡山での第4戦に次いでの今季2勝目を飾った。

これでランキング2位につけていたアンドレ・ロッテラー選手と同ポイント。8番手からのスタートとなる第2レースで1ポイントでも上乗せして、単独2位、とさらに期待が高まっていく。
 一方、一度は7番手まで後退した小暮だったが、ブレーキに問題を抱えながらも渾身のドライビングを続けてハイペースを周回を重ねていく。8周目に荒聖治選手をパスして6位に復帰すると、10周目には金石選手をかわして5番手まで進出。だが、その後は先行する立川選手と一進一退のバトルを繰り返したものの、逆転するには至らない。悔しい展開となったが、きっちりと5位入賞。第2レースでのリベンジを誓った。
 セミファイナルとなったサポートイベントのF3レースを挟んで、第2レースは予定通り、午後3時45分にフォーメーションラップが始まった。第1レースの上位8台がリバースグリッドとなるため、5位の小暮は4番手から、優勝したロイックは8番手と後方からスタートする。この第2レースでは5位までが入賞圏内。ただ、小暮は、第1レース終了後のインターバルが短く、そこで発生したクラッチトラブルを抱えたままで出走となったのが気掛かりだった。
そのクラッチトラブルはやはり、この第2レースでも災いした。残念ながら小暮は、またもスタートで後退。他に上位でストールさせたドライバーもいて、スタート直後は大混乱となった。これに巻き込まれる格好で、ロイックもポジションを下げてしまったから、チームとしては散々だった。それでもロイックは、7番手までポジションアップしてオープニングラップを終えることに成功する。そして4周目の1コーナーでは本山選手をパス。これでポイント圏内にあと一歩の6位に進出することになった。
 その後、スローダウンするマシンもあって、5位に進出したロイックはさらに、4位の座を巡って、前を行く立川祐路選手と一進一退の攻防戦を展開することになる。だが、レースも終盤となったところでギアトラブルに見舞われてしまいスローダウン。19周を終えたところでピットに向かい、そのままレースを諦めることになった。
 第1レースに続いて、この第2レースでもスタートからクラッチトラブルに悩まされた小暮は、ロイックに先行を許して8番手で2周目に突入していくが、すぐにペースダウンしてコースサイドでストップ。残念ながらクラッチトラブルが酷くなってしまい、走り出しから速さを見せつけながらも、早々にレースを終えることになってしまった。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「予選では、ポールポジションを奪えず残念でしたが、観戦していたファンの皆さんには、面白い展開をお見せできたと思います。決勝日は、朝のフリー走行も引き続き、好い感じで走れていましたが、決勝は残念なトラブルが出てしまいました。それでも、第1レースでは、ロイックが、迫力あるレースを見せてくれたし、クラッチトラブルに悩まされた小暮も5位まで巻き返すなど、好い流れを持続できていました。
今回は予選で速さを見せることができたし、決勝セットでも(トラブルに見舞われるまでは)速いペースで走ることができました。次回の富士では、この速さを結果に結びつけることができるよう、チーム一丸となって頑張ります」


次戦は8月30-31日静岡県富士スピードウェイで開催されます。



< Nakajima Racing ■home ■what's new ■rece report ■about us ■history ■link world >