シリーズ名:2008年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第8戦・スポーツランド菅生
距離:3.704 km×62周
予選:9月20日 曇り・観衆:14,000人(主催者発表)
決勝:9月21日 小雨 ・観衆:39,000人(  同  )

ウェットから少しずつ乾いていくタフな展開にも、小暮とロイックが23位表彰台

31 Loic DUVAL

予選5位 決勝3位

32 小暮卓史

予選4位 決勝2位

Q1,Q2と松田選手と、小暮、ロイックの見事なアタック合戦となる。
注目のQ3は、赤旗中断でアタック出来ずにコースイン後の周回タイムで決まってしまう。

決勝はウエットレース。4.5位スタートの2台は好スタートを決める。

結果は2.3位。惜しくもチームタイトル奪回は出来なかった。
年間タイトルはチーム2位、ロイック2位

熱戦を繰り広げてきた08年全日本選手権フォーミュラ・ニッポンもいよいよ最終戦。チームタイトルを獲得するために、ここスポーツランド菅生で、ただひたすら速く走って予選でフロントロー独占、決勝でも1-2フィニッシュ。パーフェクトゲームでレースを終えることが、唯一無二の目標となった。
走り始めとなった金曜日は、秋空が高く晴れ上がる好天でまるで夏がぶり返したよう。気温と路面温度はぐんぐん上昇、真夏日となる。この走り出しからチームは快調で、小暮が2番手。午前中は決勝セットを探ることに専念していたロイックも、午後のセッションであっさりと3番手タイムをマークすることになるなど上々の滑り出しとなる。
公式予選が行われた土曜日は曇天で明けた。空を厚い雲が覆い、今にも振り出しそうな空模様だったが、結局、午前のフリー走行、午後の公式予選を通じて雨が落ち始めることもなく、完全なドライセッションに終始した。午前のフリー走行から、トップタイムを更新し合ったのはロイック&小暮のコンビと松田次生選手。ポールポジションも、この3人が主役の座に就くものと思われた。実際、セッション1、セッション2と続けて、松田選手、ロイック、小暮の順に僅差でトップ3につけ、いよいよポール争いに決着をつけるセッション3を迎えた。
だが、ここで思わぬ展開となる。勝負どころとなるセッション後半の5分を迎えて、ロイックや小暮とほぼ同じタイミングで松田選手もピットアウト。3人のアタックを、パドックの関係者、スタンドのファンも固唾を呑んで見守っていた。そして3人がアタックラップに入ろうとする頃、本山哲選手がSPインコーナーでクラッシュ。赤旗が提示され、そのままセッション終了となってしまう。呆気ない結末にドライバーもチームも言葉を失ってしまうが、これもレース。日曜日の決勝では小暮が4番手、ロイックが5番手のグリッドからレースをスタートすることになった。

決勝レースが行われた日曜日は、朝から雨模様となった。
 朝一番で行われたフリー走行と同様、小雨が降ったり止んだりで、コースコンディションも完全なウェットのまま、決勝レースのスタート進行が始まった。
 スタートでは、4番手スタートの小暮が絶妙なダッシュを見せてジャンプアップ。ポールスタートの本山哲選手に次ぐ2番手で1コーナーにアプローチしていく。そもそも菅生では、ポールポジションのあるイン側より、セカンドグリッドのあるアウト側の方が水も少なく、スタートには有利のはずだったが、小暮は、直前のグリッドからスタートした松田選手をパスして、そのポジションの優位性以上に大きなアドバンテージを築くことになった。
一方、5番手スタートのロイックは、松田次生選手に次ぐ4番手で2コーナーを立ち上がる。ともに好ダッシュでポジションを上げ、いい滑り出しを見せた。
オープニングラップを回っている間に、後方集団でアクシデントが発生、セーフティカーが導入される。アクシデントでストップした2台を除く18台のマシンが、一列渋滞で周回を続けたが、4周を終了した時点でセーフティカーはピットロードに向かい、いよいよレース再開。
ここからは本山選手の後方で、小暮と松田選手の2位争いが白熱し、何とか振り切ろうとする小暮に対して、松田選手のチャージがエスカレート。9周目の馬の背コーナーで松田選手が小暮のインを窺うが、ここは小暮がきっちり牽制し順位は変わらない。だが、10周目の1〜2コーナーでアウトから松田選手に真横にまで並ばれた小暮は、続く3コーナーでは不利なアウトサイドに位置取りすることになり、ここで松田選手に先行されてしまった。その直後には、トップを逃げていた本山選手のペースが鈍り、最終コーナーから1コーナーまでの間に松田選手、小暮、そしてロイックが、次々とパスしていく。これでトップ3は松田選手、小暮、ロイックのオーダーに。
トップ3はその後も、一進一退の攻防戦を繰り広げることになった。だが、少しずつコースが乾き始めていく中、ウェットタイヤのタイヤマネージメントもあって、3人ともに、無理なプッシュが出来ない状態が続く。それでも、タイヤをセーブしつつも、可能な限りのハイペースで逃げ、また先を追う。レース中盤から終盤にかけては、小暮とロイックの方に勢いがあり、2人はファステストラップを更新しあいながら、松田選手を追いかける。そしてファイナルラップにはロイックが、このレースのファステストとなる1分22秒773をたたき出す。だが、2人がギャップを詰めていくと松田選手もペースを上げて、これを引き離す。そんな繰り返しで、結局最後までオーダーが変わることなく62周のレースにチェッカーフラッグが振り下ろされた。
小暮が2位、ロイックが3位。レース前に目標として掲げていた、逆転でのチームタイトル獲得はならなかったが、PIAA NAKAJIMAの2人が揃って表彰台に上り、08年シーズンを締めくくった。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「このレギュレーションでは、こうなることも考えていましたが、予選では我々だけじゃなく、見に来てくれたお客さんにも申し訳ないようなエンディングになりました。でも、2人のドライバーは精一杯の走りを見せてくれました。決勝は、スタートこそよかったものの、その後は“何か”が足りなかった。結果的に、負けてしまったのは事実。終わってしまったことをどうこう言っても仕方ないし、気持ちを切り替えて、マシンが一新される来シーズン、早くマシンを仕上げてキッチリお返しするしかないですね。
今シーズンは、応援、ありがとうございました。来シーズンもよろしくお願いします」


08シーズンご声援ありがとうございました。




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