シリーズ名:2008年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第5戦・鈴鹿サーキット
距離:5.807km×30周+20周(1大会2レース制)
予選:7月12日 晴れ・観衆:12,000人(主催者発表)
決勝:7月13日 晴れ・観衆:18,000人(  同  )

第1レースでは小暮が3位表彰台。ロイックも6位でダブル入賞
ロイックが第2レース2位入賞で、2戦連続表彰台をゲット

31 Loic DUVAL

予選9位 race1_6位 race2_2位

32 小暮卓史

予選3位 race1_3位 race2_7位

第1レース、予選3位からスタートした小暮選手は3位。
第2レース、リバースグリッドで3位からスタートしたロイック選手は2位。

日曜朝のフリー走行でコースアウトした小暮選手。ダメージは少なく、決勝スタートに影響はなかった。

第2レース、20周のスタートは4時。スタートで5台がからむアクシデントが発生しSCが導入された。

第2戦以来、2回目となる鈴鹿でFN第5戦が開催された。
今回は、FN史上初となる1大会2レース、リバースグリッド制が導入されており、迫力あるスタートシーンを2度見られるとあって、決勝レースが行われた日曜日だけでも2万人近い観客が詰めかけることになった。
当日は、気温30℃を優に超える真夏日となったが、スタンドを埋めたファンは、気温以上に熱く盛り上がったバトルを、心行くまで堪能した。
土曜日の公式予選は、ノックアウト方式でスタート。午前中に行われる30分間のフリー走行で、マシンのセットを最終確認し、午後のQ1〜Q2〜Q3で渾身のアタックするのが本来の進め方だ。その午前のフリー走行では小暮、ロイックの順に2〜3番手につけ、マシンのフィーリングも「パーフェクト」だったが、肝心な午後のセッションではマシンのフィーリングが一変する。真夏の強い日射しに照らされて路面温度が上昇。午前中に比べて10℃近くも高くなってしまったのだ。ブレーキバランスに悩んだ小暮は、それでもQ3まで進出し、3番手グリッドを得た。酷いアンダー/オーバーに苦しめられたロイックは、Q3進出を逃してしまい、9番手グリッドから決勝第1レースに臨むことになった。
今回は、日曜日に2回の決勝レースが行われるため通常より1時間30分も早い午後1時に、第1レースのスタートが切られることになった。
3番手スタートの小暮は、エンジンをストールさせてダッシュに失敗し、5番手まで後退。一方、9番手スタートのロイックは8番手へとひとつポジションアップしてオープニングラップを終えていた。
2周目以降、小暮は、直前を行くアンドレ・ロッテラー選手を相手に接近戦を展開。一方のロイックは、その後方で一列縦隊の集団の中、先を急ぐ展開となる。だがスタートしてからも、気温と路面温度はじりじりと上昇を続けており、ドライバーにとってもタイヤにとっても、予想した以上にタフな戦いとなった。

そのために、無用な消耗を避けようとしたか、それぞれロッテラー選手と平手晃平選手をパスしようと、コース上のあちこちで果敢に仕掛ける小暮とロイック以外、多くのドライバーは守りのスタンスで周回。レース前半戦は意外にも、淡々とした展開を見せることになった。
その後、上位につけたマシンがトラブルから脱落し、ロッテラー選手と小暮のバトルは2位争いへと昇格。ロイックも6番手までポジションアップし、目の前を行く平手選手に猛プッシュを掛ける。だが、ドライバーの体力もタイヤも、レース序盤からの消耗が激しく、結局最後までパッシングすることは適わなかった。それでも、小暮は堂々3位でチェッカーを受け、今季初となる表彰台をゲットすることに成功。一方、ロイックも6位チェッカーで、前回に続いて2戦連続のダブル入賞を果たすことになる。
午後4時にスタートする第2レースではリバースグリッドが採用され、ロイックが3番手から、小暮が6番手から20周のスプリントレースに臨むことになった。スタート直後に後方集団で多重クラッシュが発生。いきなりセーフティカーが出動する波乱の幕開けとなったが、3番手スタートのロイックは、3番手をキープしたままオープニングラップを終えている。ただし上位陣のオーダーには変化があり、ロイックも、第1レースで抜きあぐねた平手晃平選手に先行される苦しいスタートだった。一方、6番手スタートの小暮は、ポジションをひとつだけダウン、7番手で2周目に突入した。
3周を終えセーフティカーがピットロードに向かい、レースはリスタートとなる。トップを逃げる本山哲選手に、平手選手とロイックが食らいついてトップ集団を形成。その後方、4位のロッテラー選手以降も7番手の小暮、8番手の松田次生選手までが一列縦隊でトップ集団を追う展開となる。だが、トップ集団も4位を争うグループも、それぞれ接近戦を繰り広げていたものの、やはり消耗が激しかったせいか、ともに順位を入れ替えるには至らず、淡々とした展開を続けながらレースは後半戦へと入った。
と、ここでレースが動いた。トップの本山選手に猛プッシュを掛けていた平手選手が12周目の130Rでパスすると、間髪を入れずにロイックも本山選手をパス。これで2位に進出したロイックだったが、マシンから異音が聞こえてくるようになり、以後はポジションキープに切り替え、2位のままチェッカー。これで前戦、岡山ラウンドでの優勝に次いで2戦連続の表彰台をゲットした。一方、7番手につけていた小暮は、後方から松田選手に猛チャージを掛けられながらも、前を行く横溝直輝選手を猛プッシュ。だが、20周のレースでは、決定的なチャンスが訪れることもなく、結局7位のままチェッカーを受けた。通常ならば2位のロイックとともにダブル入賞となるところだが、1大会2レース制では第2レースは5位までにしかポイントは用意されず、2レースともダブル入賞は適わなかったが、次回に向け確かな手応えをつかんだようだ。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「第1レースでは小暮のスタートミスが大きかった。ちゃんとスタートしてれば、と思うと残念です。ロイックはスタートで上手くポジションをアップして、結局6位。
それにしても淡々としたレースになりました。タイヤや、ドライバーの体力の消耗を考えると、あれが精一杯なんでしょうね。
一方、第2レースではロイックがスタートミスしてしまいました。これも大きかったですね。でも、2人のドライバーは、頑張って走り、それぞれ表彰台に上ることができ、まずまずの結果になりました。松田選手も第2レースでは簡単にパッシングは出来なかった。だから予選で離されることなくスタートで上手く前に出れば…。でも、予選で対等に戦えるよう、次回からは、もう少し速さを伸ばしたいですね」


次戦は8月9-10日栃木県ツインリンクもてぎで開催されます。



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