FN第3戦、もてぎラウンドは金曜日の公式合同テストから空模様は下り坂で、土日は雨、との予報も出されていたが、結果的に日曜朝のフリー走行以外はドライコンディション。ツインリンクもてぎに詰めかけた、2万人を超えるファンが見守る中、ハイスピードバトルが繰り広げられた。
走行スケジュールは、5月23日の金曜日から始まった。先ずは公式合同テストから。好天に恵まれドライコンディションでの走行となったが、小暮が2番手、ロイックが3番手につけ、まずまずの滑り出しとなった。
翌24日の土曜日は雨になることが予想されており、藤井チームディレクターも「明日は天気も変わるようだし振り出しに戻る感じ」としながらも「何とか、トップ争いの仲間入りは出来そう。トラブルもなく走り切ることが出来たので、今日のところは良しとしておきます」と手応えを感じていたようだ。
24日の土曜日には午前中にフリー走行、午後にノックアウト方式の公式予選が行われた。
そのノックアウト方式の公式予選は、雨との予報に反してドライコンディションで戦われた。これまでハプニングに泣いたこともあったロイックと小暮だが、今回はきっちりとアタックすることが出来、小暮がトップ、ロイックが3番手でQ3に進出を果たすことになった。
そして、ポールポジションを掛けてのラストアタックとなったQ3で小暮は、いの一番にコースイン。2周掛けてタイヤを丁寧に温めるとアタックに入った。セクター1からセクター2、セクター3と区間ベストを叩きながら周回、1分33秒308と、ここまでの自己ベストを更新、トップに立つ。だが、その直後でアタックしていた松田次生選手がこれを上回り、小暮は2番手に。一方のロイックは、小暮に一歩及ばず、さらにアンドレ・ロッテラー選手にもタイムを更新され結局4番手で予選を終えることになった。
日曜朝のフリー走行は、週末初のウェットコンディション。ただし、その後は空模様が好転、午後の決勝レースはドライコンディションでスタートが切られることも予想されており、ロイックも小暮もレインセットへの大掛かりなセット変更することなく、ほぼドライセットでレインタイヤを装着して、ピットアウトしていった。そしてグリップ感が足りないという課題はあったものの小暮が4番手、ロイックは7番手でセッションを終えている。
決勝レースは予定通り、午後2時半にフォーメーションラップがスタートした。予想通り、コースは完全なドライコンディションに変わっており、ハイスピードバトルに期待が高まった。シグナルがブラックアウトすると同時にポールの松田選手が好ダッシュ。
2番手スタートの小暮もポジションをキープしたまま1コーナーへとアプローチしていった。一方、4番手スタートのロイックは、後方から好ダッシュを見せた本山哲選手に先行を許してしまい、5番手で2コーナーを立ち上がっていく。上位陣は、そのままのオーダーでオープニングラップを終えるが、本山選手はジャンプスタートと判定されドライビングスルーペナルティで後退。ロイックはすぐに4番手に戻ることになった。
2番手に付けた小暮選手だが、トップを逃げる松田選手のペースには僅かに及ばず、じわじわと引き離されていく。一方、ロッテラー選手の直後まで詰め寄ったロイックだが、やはり簡単に抜かせてもらえない。こうして、上位陣は淡々としたレースを展開することになる。一方、5位以下の集団も接近戦を繰り広げてはいたものの、上位の4台とは見る見る差が開いていく。
ロッテラー選手を抜きあぐねていたロイックは、予定を少し早めて23周目にルーティンのピットイン。これでポジションは下げたものの、各車のピットインが終わってみれば、相変わらずロッテラー選手に次ぐポジションに付けることになる。
一方、トップの松田選手にじわじわ引き離されながらも2番手で健闘していた小暮は、29周目にルーティンのピットイン。だが、ピットアウトしたところでクインタレッリ選手と絡んでしまい、1コーナーでグラベルに直行、そのままレースを終えることになる。
これで3番手に上がったロイックは、その後もロッテラー選手をプッシュし続けたが、周回遅れの処理に手間取ったこともあって、レース終盤には間隔も10秒以上に拡がってしまった。それでも、集中力を途切れさせることなく走り、そのまま3位でチェッカー。
今シーズンはこれまで、本来の速さを、なかなか結果に結びつけられないでいたが、これで嬉しい初表彰台。3戦連続の入賞でドライバーズポイントも5番手に進出した。
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