シリーズ名:2008年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第2戦・鈴鹿サーキット
距離:5.807km×43周
予選:5月10日 雨 ・観衆:11,000人(主催者発表)
決勝:5月11日 晴れ・観衆:28,000人(  同  )

小暮が5位、ロイックは10位で、開幕戦に続いてダブル入賞

31 Loic DUVAL

予選 20位 決勝10位

32 小暮卓史 予選8位 決勝5位
土曜日予選は完全なウエット。ロイック選手はQ1のアタック中スピンオフ。最後尾スタートとなってしまう。
Q3に進出した小暮選手は新品レインタイヤで臨んだが、8番手。

最後尾からノーピット作戦を執ったロイック陣営。

SCのコースインで、全チームのピットインタイミングが変わる。

富士でのシーズン開幕から1ヶ月のインターバルを経て、08年全日本選手権フォーミュラ・ニッポンは、鈴鹿サーキットでの第2戦を迎えた。
金曜日の公式合同テストから天候は不順で、土曜日の公式予選は雨に見舞われてしまった。だが日曜日には天候も持ち直し、晴れ上がった空の下、絶好のコンディションで決勝レースは戦われた。鈴鹿での開幕を待ちわびた3万人近くのファンが見守る中、ハイスピードバトルが繰り広げられた。
走行スケジュールは、5月9日の金曜日から始まった。先ずは公式合同テストからだが、空は厚い雲に覆われるコンディションとなった。それでもコースはドライコンディションだったから、決勝を睨みながら、セットアップを進めていくことになった。この2回のセッションでは、午前中に小暮が3番手タイムをマークすると、午後にはロイックがタイムアップして3番手につけるなど、先ずは順調な滑り出しを見せた。トップタイムからは大きな隔たりがあり、とても安心出来る状況ではなかったが、ロイックも小暮も、マシンの手応えは悪くないようで、翌10日、土曜日の午前中に行われるフリー走行で、さらにマシンのセットアップを進め、トップタイムに近づくことが期待されるところとなった。
ところが、土曜日はコンディションが一転する。午前中に行われた30分間のフリー走行から完全なウェット。途中でクラッシュするマシンがあり赤旗で中断されるなど、ドライバーにとっては集中力を維持するのが大変な30分間となった。
インターバルを挟んで午後2時半からは公式予選が始まった。今シーズンは新しい予選スタイルが導入されているが、今回もそのノックアウト方式で予選が戦われた。前回はブレーキトラブルに泣いた小暮だったが、今回はまずまず順調にQ1からQ2、Q3と勝ち上がってくる。だが、ウェットコンディションの中、新品のレインタイヤを装着して臨んだQ3では、何故かグリップ感が不足しており、8番手に留まってしまう。

一方のロイックはQ1でアタックを始めた途端、コース上の水溜まりに足をすくわれてスプーンカーブでスピンオフ。ここで彼の予選は終了してしまい最後尾スタートを余儀なくされてしまった。

日曜朝のフリー走行もウェットコンディション。午後の決勝はドライコンディションとなることが予想されていたが、攻めてマシンの様子を確認しようと、全ドライバーが出走した。このセッションでロイックは4番手、小暮も7番手につけ決勝を迎えることになった。
フリー走行が終わった頃から、少しずつ青空が拡がってくる。そしてお昼のピットウォークが行われる頃には、まるで初夏のような天候となり、コースも完全なドライコンディションに変わっていた。決勝レースがスタートする時点での気温と路面温度は20℃/30℃。ストレートでは強い追い風が吹いていたが、これがどう影響するのかも気になるところだ。
最後尾スタートとなったロイックは、スタートダッシュで2台をパスすると、ダンロップコーナーで、さらに1台をパス。オープニングラップを終えてホームストレートに還ってきた時には17位にポジションアップしていた。
一方、8番手からスタートした小暮は、スタートをミスした1台をパスしたものの、後方からスタートした本山哲選手に先行され、結果的にポジションキープのままオープニングラップを終えることになった。その後、5位争いの2台が絡んで脱落し、小暮もロイックも、自動的に2つポジションアップしたが、それ以外は淡々とした展開で、レースは中盤を迎えた。
18周目に後方集団で接触があり、S字コーナーで1台のマシンがコース上に鼻先をつきだした格好でストップ。これでSCがコースインしてレースは大きく動くことになった。SCがコースインするのを確認するや、小暮はすぐさまピットに向かった。上位陣の多くもピットインしたために、結果的に大きくポジションアップすることはなかったが、当初から1回ピットインの作戦でレースを組み立てることにしていた小暮は、これで最も効率的なルーティンピットを行ったことになり、リスタート後は5番手をキープしていた。
一方、ノーピット作戦でレースを戦うことにしていたロイックにとっては、SCが導入されたことはアンラッキーだった。それでもピットインした何台かに先行し、10番手までポジションアップして、リスタートすることになった。
レース再開後、5位につけた小暮は、前方を走る本山哲選手を猛プッシュしたが、流石にチャンピオン経験のあるベテランの本山選手だけあって、なかなか簡単にはパスさせてもらえない。一方のロイックも、ノーピット作戦を執っていたからレース後半になってくるとタイヤも消耗してしまい、なかなかペースを上げきれないでいた。
レース終盤にもう一度、コース上で止まってしまったマシン回収のためにSCがコースインしたが、結局、小暮もロイックもポジションを上げることは適わなかった。そしてチェッカー。小暮が5位、ロイックは10位で前回の開幕戦に続いてダブル入賞となった。だからといって決して満足出来る内容ではなかったが、それでもともに予選順位からはポジションアップ。次回に繋がる内容でレースを終えることになった。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「SCのタイミングもあったけど、今日のレースは完敗でした。ロイックはもともとノーピットの作戦だったし、小暮ももう少しルーティンピットを引っ張る予定でしたが、あのタイミングでSCカーがコースインしたので、急遽ピットインさせました。タイム差から考えればロイックもタイヤを交換させてやりたいところでしたが、予定を変えてピットインさせても、ドタバタになると思ったのでノーピット作戦のまま行かせました。

レース前に立てた作戦は、きっちり実践出来ましたが、予選結果が総てでしたね。次回は、予選でもっと上位に行けるようチーム一丸で頑張ります」


次戦は5月24−25日ツインリンクもてぎで開催されます。



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