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シリーズ名:2008年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:開幕戦・富士スピードウェイ
距離:4.563km×65周
予選:4月5日 晴れ・観衆:12,000人(主催者発表)
決勝:4月6日 晴れ・観衆:19,500人( 同 )
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小暮が6位、ロイックは10位。ダブル入賞で開幕戦を終える
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31 Loic DUVAL |
予選 7位 決勝10位 |
32 小暮卓史 |
予選11位 決勝6位 |
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いよいよ08年フォーミュラ・ニッポンが開幕。07年と同様にロイック選手と小暮選手で参戦する。
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F1と同様にノックアウト方式となった予選。Q1走行時に小暮選手のマシンにブレーキトラブルが発生。
Q3進出ならず。 |
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Q3に進出したロイック選手だったが、総合結果は7番手。 |
ロイック選手はレース中、アクシデントで2度のピットイン。10位完走で1ポイント獲得。
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現行のマシンで最終年度となる08年シーズン、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)は、今シーズンからパドルシフトを、当初の予定から1年前倒しで採用。
またリバースグリッドを用いる1大会2レース制を一部導入。さらにはポイントシステムも見直した他、予選スタイルの選択肢のひとつとしてノックアウト方式も採用するなど、ハード・ソフト両面を見直して一層充実させ、4月5〜6日に富士スピードウェイでシーズンの幕を開けた。
当日は好天にも恵まれ、週末を通じて3万人を超えるファンが詰めかけ、新たな一歩を踏み出した国内トップフォーミュラによる、一層際立つハイスピードバトルを楽しんでいた。
96年にFNがスタートして以来一貫して、PIAA NAKAJIMA RACINGとして参戦してきた我がチームは、設立25周年を迎える今シーズンも、昨年と同様にロイック・デュバルと小暮卓史のドライバーコンビで参戦することになった。
レースウィークは4月4日(金曜日)、これが今シーズン3回目となるの公式合同テストから始まる。午前と午後、それぞれ55分ずつの走行セッションが実施されたが、2人揃ってタイミングモニターの上位に名を連ね、昨年の好調さが持続していることを窺わせた。結果的にロイックがトップタイム。小暮は4番手に留まったが、テストメニューも予定通り消化。マシンのフィーリングもまずまずで、順調な滑り出しを切ることが出来たようだ。
だが、翌5日(土曜日)に行われた新しいスタイル、ノックアウト方式の公式予選では、思わぬトラブルに足をすくわれることになる。今回から採用されたノックアウト方式とは、午前中に30分間のフリー走行を行った後、公式予選は午後の1本のみ。それも、最初の20分間=Q1で20台中5台が脱落して予選16位から20位が決定。10分間のインターバルを経て行われるQ2(10分間)ではさらに7台が脱落して予選9位から15位が決定。Q1/Q2に勝ち残った8台によって最後のセッション、10分間のQ3が行われ、トップ8台分のグリッドが決定する、というもの。全車/全チームが初体験のため、心地よい緊張感が漂っていた。
ロイックが4番手、小暮が2番手で午前中のフリー走行を終えたが、いよいよ、となった午後のセッションで、小暮のマシンにブレーキトラブルが発生する。それでも小暮は、目一杯の走行でこれまでのコースレコードを更新したものの、Q1で7番手。Q2ではさらにタイムを削って見せたが11番手に留まりQ3進出成らず! 翌日の決勝を中団グリッドからスタートすることになった。
一方、ともに4番手と4番手でQ1、Q2を勝ち残ったロイックだったが、最後のQ3ではコンディションの変化からマシンのバランスが崩れてしまう。渾身のドライブで自己ベストを更新、1分24秒台をマークしたものの、7番手に留まった。
決勝日の6日(日曜日)を迎え、富士スピードウェイは週末で一番の好天気となった。もちろん、3日連続でのドライコンディションだ。朝一番では少し肌寒さも残っていたが、日射しは穏やかで気温も程なく上昇を始めたから、絶好のレース日和となりそうだった。
朝一番で行われたフリー走行では、不具合だったブレーキがちゃんと直っているか、またマシンのフィーリングやハンドリングのバランスは? とチェック項目も多かったが、2台ともに順調にメニューを消化。ただし、期待していたほどにはマシンの状態は良くなっておらず、スタッフの顔も曇りがち。もちろん、決勝までに見直すべきポイントはすべて見直し、人事を尽くして決勝スタートを迎えるべく、スタッフのハードワークが始まった。
午後の決勝レースは、予定通り午後1時50分からスタート進行が始まり、2時25分にフォーメーションラップがスタート。20台のマシンが隊列を組んで1周した後、正規のスタートが切られることになる。7番手グリッドからスタートしたロイックは、オープニングラップで一つだけポジションアップしたものの、2周目のダンロップコーナーでブレーキをロックさせてしまい、再度7番手に後退する。しかもその際に、フラットスポットをつくってタイヤを壊してしまい、悪化したハンドリングに苦しむことになる。そこでチームは予定していたよりも早目に、9周終了時にルーティンのピットインを行うよう作戦を変更。ピットに戻ってきたロイックは、4本のタイヤ交換するとともに、残る50周以上をノンストップで走り来るために、ガソリンもタップリ補給。ピットアウトした時には最後尾近くまでポジションダウン。苦しいレース展開となった。
一方、11番手からスタートした小暮は、当初の作戦通り着実に周回を重ね、スタートして早々にポイント圏内の10番手に進出すると、その後も着実にポジションを上げていった。こちらは予定通り、40周を終え、4番手まで進出したところでピットイン。一連の作業を終え素早くピットアウトした小暮は、ロイックの前でレースに復帰した。
小暮の後方から1コーナーにアプローチしていったロイックは、小暮のタイヤが温まりきらないうちに、と急いで攻略に掛かる。もちろんレースである以上、例えチームメイトと言えどもライバルの一人。ロイックの決断は攻められるべきではなかったが、思わぬハ
プニングを迎えることになる。Aコーナーから100Rでも、背後から小暮の隙を窺っていたロイックだが、その周…小暮のアウトラップの41周目にダンロップコーナーで、再び彼のマシンはブレーキがロックしてしまう。
止まりきれずに一旦は前に出たロイックは姿勢を乱してしまい、それを避けようとした小暮は、後方から迫ってきたマシンに追突される格好でスピンしてしまった。ともに再スタートを切ることは出来たが、これで大きくタイムロス。
しかも、小暮は何とか周回を続けたが、一方のロイックは、再びタイヤを壊してしまい、もう一度ピットインを余儀なくされてしまう。このハプニングで6番手まで後退、リズムを狂わせたかと心配された小暮だが、その後はきっちりとポジションをキープ。6位のままレースを走り切った。
一方のロイックは、2回のピットインで大きくポジションを後退させたが、2回のピットインの後は着実に周回を重ねていき、上位陣の脱落も手伝って10位でチェッカー。今シーズンからポイントシステムが変更され、1大会1レースの場合は10位までが入賞圏。その第一号として1ポイントをゲットすることになった。 |
■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「無駄なレースをしてしまいました。金曜日の走り始めは好い流れで終えたのですが、土曜日の予選で流れが変わったようで、グリッド後方に沈んでしまいました。それでも決勝では、何とか上位入賞を狙えるところまで来ていたのですが…。マシンに関しては、次回までにデータを分析し、予選でポールを獲れるように仕上げてきます」
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次戦は5月10−11日鈴鹿サーキットで開催されます。 |
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