シリーズ名:2006年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN) |
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グリッド中盤から猛追、中盤にはトップを快走したロイックが4位入賞。
最後までアグレッシブな走りを続けた武藤も10位チェッカー |
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31 Loic DUVAL |
予選 11位 決勝4位 |
32 武藤英紀 | 予選14位 決勝 10位 |
ロイック選手は金曜日フリー走行時にクラッシュ。予選に向けて苦しいスタートとなる。 |
予選日の21日夕方、少し遅くなりましたが、テント内で武藤選手のバースディを開催。 | ||
好ダッシュのスタートを見せた2台。 |
今回は2台とも2ピット作戦。軽いマシンで追い上げていくが。。
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秋もめっきり深まり、朝夕の肌寒さが一層増してきた10月21〜22日、ツインリンクもてぎで全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(以下Fニッポン)のシリーズ第8戦が開催された。 今シーズンは雨に見舞われることの多かったFニッポンだが、今回は金曜日の公式合同テストから晴れと曇りが交互する好天に恵まれた。関東地方では、これがシーズン最終戦。 2万人を超えるファンが詰めかけ、週末のハイスピードバトルを満喫していた。 走り始めとなった金曜日の公式合同テストでは、午前のセッションからノートラブルで順調な滑り出しを見せたが午後のセッションでロイックがクラッシュ。幸いダメージはマシン後部に留まりエンジンやミッションは無傷。チームスタッフは土曜日の公式予選に向け夜遅くまでかかる作業を余儀なくされた。一方の武藤は5番手で初日を終えている。 土曜日の公式予選は、午前午後ともにドライセッションとなった。トップタイムをマークした1台を除けば、相変わらずの混戦状態が続いている。午前中は、そのトップとのタイム差も大きかったが、午後のセッションでは少しだけ挽回。 ロイックが11番手、武藤が14番手につけて2回のセッションを終了した。 予選での速さでは厳しいものがあるが、我がチームは2台揃って決勝セットでの速さには定評があり、決勝での追撃が期待された。 決勝レースが行われた日曜日も、土曜日までと同様に晴れと曇りが交錯する1日となった。 コースはもちろんドライコンディション。不順な天候ではタイヤ選択も、重要な作戦のひとつとなるが、このコンディションではもちろんドライ用のスリック一本槍。だが、中嶋悟総監督や藤井一三ディレクターには数多くの選択肢があるようで、中団グリッドからスタートする決勝を、どう戦うのか注目されるところ。 なおスタート時点の気温と路面温度は21℃/25℃だったが、その後は緩やかに低下していった。 エンジンを載せ替えたマシンがあり、ロイックが10番手、武藤が13番手とひとつずつ繰り上がったグリッドからのスタートとなったが、両者揃って好ダッシュを見せる。スタート直後に3コーナーで数台が巻き込まれるアクシデントがあり、ロイックが6番手、武藤も10番手とポジションを上げてオープニングラップを終えることになる。 ここからロイックの快進撃が始まった。2周目に土屋武士選手、3周目には金石年弘選手を、ともに90度コーナーでパス。 4番手に進出すると4周目には1分38秒310をマーク。この時点でのベストラップとなった。さらに翌周には1分38秒154までペースを上げ、3位を快走する本山哲選手のテールに食らいつく。流石はディフェンディングチャンピオン。 本山選手は簡単にはパスさせてもらえなかったが、10周目の3コーナーでインからパス。13周目にはベストラップも1分38秒046まで引き上げてみせた。 この周、スタートからトップを快走していた小暮卓史選手が3コーナーでオーバーラン。再スタートは切ったもののペースが上がらず、ロイックは労せず2位に進出。更に16周目の90度コーナーでブノワ・トレルイエ選手をもパス。 レースの4分の1を終えたところでロイックは9台を抜き去り、何とトップに躍り出ることになったのだ。 トップに立ったロイックは、トレルイエ選手をじわじわ引き離し、5秒余りの差を築いたところでルーティンのピットイン。レースはまだ3分の1を終えただけだったが、今回は2ピットの作戦だった。7番手でピットアウトしたロイックは、セカンドスティントでも見事な猛チャージ。上位陣が全車ピットインを終えた37周目には、再びトップに立つことになった。 この時点で、2番手の本山選手とは約9秒の差があったが、交換したてのタイヤで本山選手が猛チャージ。 スティント前半でタイヤを酷使していたかロイックのペースが伸び悩み、本山選手との差は、じわじわ詰まっていった。 レースも3分の2となる44周を終えたところでロイックは2回目のルーティンピット。今度は6番手までポジションダウンしてしまったが、ロイックは最後までプッシュし続ける。そして、上位陣の脱落もあって4位でチェッカー。 金曜午後のクラッシュで、土曜から再びセットアップしたことを考えれば、悪くないフィナーレとなった。 一方、オープニングラップで10番手まで進出した武藤だが、その後は"出入りの激しい"レースを展開することになった。まず、4周目の3コーナーでオーバーラン。これも攻めすぎたせいだったが、結果的には最後尾までポジションダウンしてしまう。 だが、ここからアグレッシブなドライビングで一歩ずつポジションを上げていく。5周ほどで13番手まで復帰した武藤は、15周を終えたところでルーティンのピットイン。彼もロイックと同様2ピット作戦だったから、少しタイミングは早められたものの、これはルーティンのピットイン。だが、ピットアウト直後に1コーナーでオーバーランするハプニング。 これで再び、ほぼ最後尾まで後退するが、その後も武藤の、波乱に富んだ展開は続いた。 それでも最後の最後まで戦う姿勢を緩めることなくアグレッシブにドライブ。猛チャージを続けて10位でチェッカーを受けた。 |
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■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント |
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※ 次戦は、11月17日〜19日三重県鈴鹿サーキットで開催されます。 | |||