シリーズ名:2003年全日本GT選手権(JGTC) |
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若い2人のねばり強い走りと、的確なピットワークで
13番手グリッドから9位入賞を果たす |
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富士での開催は今季3回目。今回も5万人を超える観客が集まった。 | 開催中はずっとドライコンディションだった。 |
スタート直前までエンジンを陽射しから守る。 | ピットで待機中、冷気をコックピットへ送る。 |
関東・甲信地方でも、待たれていた梅雨明け宣言がやっと聞かれ、いよいよ夏も真っ盛りとなった8月2〜3日、富士スピードウェイでは2003年全日本GT選手権(JGTC)のシリーズ第5戦が開催された。 公式予選が行われた土曜日は2万人、決勝が行われた日曜日には5万人を超える観客が、メインスタンドやコースサイドの芝生席を埋め尽くすことになり、改めてJGTCの高く根強い人気を証明することになった。 主戦マシンであるMobil1 NSXは、本来的にはここ富士スピードウェイは苦手なコースだが、第2戦とセパン・ラウンドの代替イベントとなった第4戦と、すでに2戦が行われてこれで3回目。 残るはツインリンクもてぎ、オートポリス、そして鈴鹿サーキットと、比較的得意なコース。 そんな後半戦の、いい流れをつかむためにも、今回は少しでも上のポジションでゴールしたい。チーム全員が強い意志を持ってのサーキット入りとなった。 走り始めとなった金曜日の公式練習から、総ての走行セッションはドライコンディションとなった。 スープラやGT-Rのライバル勢が快調にタイムを詰めていく中、NSX勢では18号車と16号車、先行開発を担当するチームの2台が奮闘しているものの、他のNSXチームは苦戦を強いられ12〜15番手に固まってしまう。 引き続きドライコンディションで実施された土曜日の公式予選では、今回もエースの松田選手がタイムアタッカーを担当。 予選結果は13番手でNSXの18号、16号車に続くNSX勢の中では3番手をマークして一安心。 今回がGTで2レース目となるロッテラー選手は、僅かな周回数で前回以上にあっさりと、予選通過タイムをマークしたのは言うまでもない。 スプリントレースに比べると、ピット戦略も含めたチームの総合力が、より重視される耐久レースだけに、チーム一同モチベーションを決勝に向けて高めていった。 日曜日も雲間が広がる天候となったが、決勝スタートを前に気温も路面温度もぐんぐん上昇していった。 いつものように松田選手がスタートを担当、まずは順調な滑り出しと思われたが、実はスタート直後から、レースはバトルロイヤルの様相を見せ始めた。 大きくポジションを上下させるマシンも少なくない中、松田選手はきっちりとポジションをキープ、13番手でオープニングラップを終えることになった。 2周目以降も、コース上のあちらこちらで、そしてトップグループから下位集団までの至る所で、このバトルロイヤルが続くことになるが、松田選手は、そうした乱戦を巧みに切り抜け、24周目にはポイント圏内の10番手まで進出する。そしてピットインのタイミングもあり、7番手まで進出し、33周を終えたところでピットに向かった。 ドライバー交代、そしてタイヤ交換とガソリン補給、真夏のレースに相応しくルーティンながらピット作業は慌ただしいものとなった。 それでも作業の的確さでは定評のあるピットスタッフは、最小限のタイムロスでロッテラー選手をピットから送り出した。 代わったロッテラー選手は、これがGTレース2戦目ながらまるでベテランのように、レースが荒れていく中でステディなドライビングを見せる。 そして51周目には11番手、61周目には10番手と着実にポジションをアップ。大詰めとなった64周目には1台のスープラをパスして9番手に進出すると、そのままチェッカーまでノーミスで走りきり、シーズン4度目、彼自身にとっては初となる2ポイントをゲットした。 |
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●Mobil 1 NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント GTとしては、富士での現在のコースでは最後となるレースにおいて、2ポイントをゲットしたのは大きな収穫となりました。 NSX陣営では18号車がシーズン初優勝を飾っており、そのノウハウが伝わってくることで、マシンの戦闘力が上がることも期待出来そうです。 NSXにとって得意とするサーキットが続く終盤戦に向け、我がMobil1 NAKAJIMA RACINGにとっては、とても好いスタートが切れたと思います。皆様方にはこれまでと同様に、温かいご声援をお願いします。 |
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※次戦は9月12-14日栃木県ツインリンクもてぎで開催されます。 | |
Round4 |