シリーズ名:2003年全日本GT選手権(JGTC)
大会名:第3戦・SUGO GT CHAMPIONSHIP
距離:3.704km×81周
予選:5月24日 曇り・観衆:1万2600人(主催者発表)
決勝:5月25日 晴れ・観衆:4万8000人(  同  )


300kmのスプリントレースを、チーム一丸となり
着実にポジションを上げて8位
チームランキング4位
仙台近郊のスポーツランド菅生には、2日間で6万人を超えるフアンがGTを楽しんだ。

南の方からは梅雨入りの便りも聞かれるようになったが、その梅雨前線が北上してくる中、まるでエアポケットのように穏やかな日和に恵まれた5月24〜25日、仙台近郊にあるスポーツランド菅生では2003年全日本GT選手権(JGTC)のシリーズ第3戦が開催された。 
  国内で最も人気の高いレースシリーズとして定着しているJGTCシリーズの、しかも年に1回の東北ラウンドとあって、公式予選が行われた土曜日から多くの観客が詰め掛けて、2日間で6万人を超えるファンが、GTバトルを楽しんでいた。
 今シーズンのJGTCは、レギュレーション(車両規則)が大幅に変更されたが、それを受ける格好で我がMobil1 NAKAJIMA RACINGも、昨年までのモデルとは外観だけでなく基本設計まで変更の手が加えられ、フルモデルチェンジを受けた最新仕様のNSXを投入。
国産のGT500マシンとしては唯一、ピュアスポーツカーをベースにしているNSXは、今回のレギュレーション変更により、昨年までの大きなアドバンテージが幾つか帳消しになってしまった。
(ミッドシップハンディの50kgに加え、全面投影面積が少ないため20kg加算と、スタート時点からGT-Rより90kg、スープラより70kg重い。他にフラットボトム規制によってミッドシップレイアウトのNSXは空力デザインにも制約が多くなった。)

そのことはこれまでの2戦のレース展開や結果からも明らかだが、そんな状況の中、1000分の1秒でもタイムを詰め、ひとつでも上のポジションを奪うべく、2人のドライバーはもちろんのこと、中嶋悟総監督や藤井一三テクニカルディレクターの指揮の下、チーム一丸となってテストや実戦のレースに取り組んできた。
特にこれまでは、予選でのポジションアップよりも、むしろ決勝でのコンスタントラップを追求する作戦だったが、前回の富士に較べると、今回はレース距離も300kmと短く、 またパッシングポイントが少ないことから、より予選結果が重要になるため、金曜日(23日)の公式練習から、チームは確実に、マシンセッティングを詰めていった。
 土曜日(24日)に行われた公式予選では、いつものように松田がタイムアタックを行った。
午前と午後、2回のセッションはいずれも途中赤旗で中断されるなど、波乱の展開となった。
これは総てのチームが限界ギリギリで戦っていることの証明でもあるが、そんな中で松田は、事前テストでマークした自己ベストを1秒以上短縮して見せた。
だが上位のスープラ勢やGT-R勢も、松田以上のタイムアップを果たしており、ポジション的には10番手グリッドを奪うに留まった。もちろん、小暮もあっさりとクォリファイタイムをマーク。
後はひとつでも多くポジションアップするため、本番をどのように戦うかが最大のテーマとなった。
 土曜日までと同様に、日曜日(25日)も曇り空で明けたが、時折は雲間から太陽が顔を出し、やがては晴れ間も見えるようになっていった。
決勝セッティングを詰めていった成果が顕れ、朝一番のフリー走行でMobil1 NSXは7番手のタイムをマーク、フィーリングも上々。
もちろん、ドライバーの2人が主役となるのだが、これをサポートするチームスタッフの一人一人が、決勝に向けて集中力を高めることになり、午後にスタートするレースでの上位進出が期待された。
 年に一度のラウンドということで、東北地方のファンを中心に、大賑わいを見せたピットウォークを終え、最後のサポートレースにチェッカーが振られると、いよいよメーンイベント、GT決勝レースのスタート進行が始まる。
そして予定通り午後2時45分にローリングスタートが開始された。
スタートを担当したのは松田。まずはスタートポジションをキープしたままオープニングラップを終え、次の周には9番手に進出する。だが、着実に周回を重ねていった松田は8周目の1コーナーで、アウト側から仕掛けてきたマシンのスピンに巻き込まれる格好でタイムロス。
再スタートは切ったものの16番手とGT500クラスの、ほぼ最後尾まで後退してしまった。
だが、ここから懸命のドライビングを再開した松田は、スタートポジションと同じ10番手まで復帰。少し早めにルーティンのピットに向かった。
戻ってきた松田を迎えたスタッフは、タイヤ交換やガソリン補給など、一連の作業を的確にこなし、交代した小暮をレースに送り出す。13番手でレースに復帰した小暮は、荒れた展開となった後半戦をノーミスでドライブ。8番手まで進出してレースを終えることになった。

●Mobil 1 NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント
開幕の2戦に続いて今回もまた、我慢の展開を強いられるレースとなりましたが、そんな中で2人のドライバーは、レーシングアクシデントを別にして、集中力を途切れさせることなくノーミスで走りきり、またチームスタッフも完璧な仕事をこなすことで、貴重な3ポイントを加算することが出来ました。
さらに、昨年はウェイトハンディに悩まされることも少なくなかったのですが、今シー ズンは全くノーハンディのまま、シーズン序盤戦を終えることになりました。
第4戦が2週間後に延期され、しかもマシンを航送する必要のない富士での開催となったことで、マシンの開発・熟成にも充分な時間を割くことが可能になりました。
次回、7月の富士ラウンドまでにはマシンのセットアップをさらに進め、昨年のような速さを取り戻すべく、一丸となって頑張っていきます。
皆様方にはこれまで同様、我がMobil1 NAKAJIMA RACINGに、変わ らぬご声援をお願いします。

6月19日(木)〜21日(土)にマレーシアのセパン・サーキットで開催予定だった第4戦が、昨今の新型肝炎(SARS)の影響を考えて中止となりましたが、その代替イベントが7月12日(土)〜13日(日)に富士スピードウェイにおいてシリーズ第4戦として開催されることが、今回の第3戦開催中に記者会見が実施され、正式発表されました。

※次戦は、7月12日〜13日、静岡県富士スピードウェイで開催されます

Round2
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