シリーズ名:2002年全日本GT選手権(JGTC)
大会名:第7戦・CP MINE GTレース
距離:3.331km×76周
予 選:10月26日 曇り時々晴れ一時雨・観衆:1万5500人(主催者発表)
決 勝:10月27日 曇り時々晴れ一時雨・観衆:4万4800人(主催者発表)

70kgのウェイトハンディを跳ね返して前半戦を力走。
ハプニングに見舞われた後半は作戦変更し6位でチェッカー
リヤウインドウに貼られたウェイトハンディステッカー。
今回は70kg。
70kgのウエイトを支給され、シート下に固定。
秋の深まりとともに紅葉前線も南下し、この秋一番の寒気団に見舞われて木枯らしの便りも聞かれそうになった10月26日〜27日、山口県にある美祢サーキットでは全日本GT選手権(JGTC)のシリーズ第7戦、CP MINE GTレースが開催された。
木曜日に行われた公式練習から日曜日の決勝レースまで、4日間のスケジュールを通じてGTマシンの走行は総てドライコンディションで行われたが、インターバルの間やサポートレースが行われている時などは、冷たい雨がぱらつく生憎の天候となったが、シーズンの大詰めが近づいたGTバトルを楽しもうと集まった4万を超える観客は、最後の最後までスタンドから大きな声援を送っていた。
 4月に岡山県のTIサーキット英田で開幕して以来、静岡県の富士スピードウェイ、宮城県のスポーツランド菅生、マレーシアのセパンF1サーキット、2度目の富士スピードウェイをはさんで栃木県のツインリンクもてぎ、と、ほぼ1ヶ月に1回の割合で各地のサーキットを転戦してきた2002JGTCもいよいよ大詰め。
残すは今回の美祢ラウンドと、最終戦となる鈴鹿ラウンドの2戦のみとなった。
昨年までと同様にMobil1 NSX(ホンダNSX)を使用しての参戦となった我がMobil1 NAKAJIMA RACINGは、フォーミュラ・ニッポン(FN)でも我がチームで活躍している松田次生、ラルフ・ファーマン両選手によるフレッシュなコンビにドライバーを一新。念願のタイトル獲得に向け頑張ってきた。
開幕戦のTIと第4戦のセパンでは、ともに見事なパーフェクトウィンを達成しているものの、その結果として大きなウェイトハンディを課せられたこともあり、ポイントランキングではここまでのところ4位に留まっている。
最終戦を前にした今回は、70kgのウェイトを搭載しての出走となっていたが、より多くのポイントを狙うべきか、はたまた最終戦のためにウェイトを減らせる5位以下を狙うべきか、作戦的に難しいところとなったのは事実だった。
通常ならば公式練習は金曜日の1日だけだが、今回は事前テストが中止になったこともあって木曜日と金曜日の2日間、計4回のセッションが設けられていた。
走り初めから順調にセットアップを詰めていったMobil1 NSXは、この2日間を通じてトップタイムをマーク。
ウェイトハンディは70kgと小さくなかったが、マシンのフィーリングも上々だった。
土曜日の公式予選でも快調に周回を重ねたMobil1 NSXは、タイムアタックを担当したファーマン選手が、午後のセッションでただ一人、1分22秒を切る好タイムをマークして、第4戦のセパン以来となるポールポジションをゲット。
こうなると、鈴鹿でのウェイトハンディの件はともかく、今回は20ポイント(優勝)狙いの作戦にすべきなのでは?と、決勝を前に中嶋悟総監督には、一層難しい判断が迫られることになった。
 決勝日となった日曜は、秋空が厚い雲で覆われ、時折冷たい雨がぱらつく生憎の天候となった。
また寒気団の影響か、気温も路面温度も低いまま、朝のフリー走行を終え、午後の決勝レースを迎えることになった。
スタートドライバーを担当したファーマン選手は、1周のローリングを終えて好ダッシュを見せたが、1コーナーの立ち上がりではターボパワーにモノを言わせた土屋武士選手にパスされてしまう。
それでもファーマン選手は、後続の伊藤大輔選手とともに、土屋選手に対して一歩も引かない三つ巴のハイスピードバトルを始めることになる。
2周目には1分24秒台、3周目には早くも1分23秒台とペースをアップするファーマン選手だが、すぐにバックマーカーが表れるようになり、三つ巴のトップバトルは、時にバックマーカーをパスしながらの、手に汗握るドッグファイトとなっていった。
 そんなトップ争いに変化が見えたのは30周を過ぎた辺りだった。
先ずは3番手につけた伊藤選手がピットインして道上龍選手に交代。
続いてトップの土屋選手もピットインしてドライバー交代とルーティンのピットワークを行う。
これを横目にファーマン選手は39周まで引っ張って松田選手にタッチすべくピットに向かった。
タイヤ交換とガソリン補給を素早く終えてピットアウトして行った松田選手だったが、低い路面温度に手を焼くことになる。
普段なら、半周もすれば充分に温まるはずのタイヤが、1周しても2周回っても、まだまだ充分には温まりきらなかったのだ。
ピットアウト直後に追い上げてきた道上選手にかわされ、その後スピンして他車と接触、上位の各車がルーティンのピットインを終えた時点では3番手まで後退してしま った。
こうなると作戦的には一層複雑になっていく。
 12ポイントを得てウェイトハンディを増やすのか、4位=10ポイントで現状維持か、はたまた5位=8ポイントでウェイトハンディを減らすべきか。ピットでは5位狙いに作戦を変更、松田選手に無線で指示が飛ばされる。
だが、ランキングで3番手につける後続の脇阪寿一選手のチームも同じ作戦を選んだようで、さらに最終戦のウェイトハンディよりもこのレースでのポイントを選ぶチームのマシンも一団となり、まさに混乱の終盤戦となる。
そしてファイナルラップ。5位になるべく若干ペースを落とした松田選手は、2台の後続車を先行させ、6位でチェッカーを受けた。
●Mobil 1 NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント
今回、6位に終わったことでポイント獲得は6ポイントのみになりましたが、反対にウェイトハンディも減らすことが出来ました。
次回の最終戦はNSXにとって相性の良い鈴鹿サーキット。逆転チャンピオンを狙い、最後の最後まで精一杯頑張っていきます。
皆様方には是非とも、我がMobil1 NAKAJIMA RACINGへのご声援を、よろしくお願いします。

※最終戦は11月16日(土)-17日(日)三重県鈴鹿サーキットで開催されます。

Round6
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