シリーズ名:2002年全日本GT選手権(JGTC)
大会名:第5戦・JAPAN SPECIAL GT CUP
距離:4.400km×57周
予 選:7月27日 晴れ・観衆:1万9100人(主催者発表)
決 勝:7月28日 晴れ・観衆:5万1000人(主催者発表)

110kgと過激なまでのウェイトハンディに苦しみながらも、
2人のドライバーが着実な走りを続けて12位で完走!


●真夏のドライバー暑さ対策
このクールベストをドライアイスで冷やしておきます。
レース直前にこのように装着。
1時間は冷却効果があります。
梅雨明け宣言が出されて、一層激しい陽射しが気温と路面温度を容赦なく引き上げるようになった7月27日〜28日、静岡県にある富士スピードウェイでは2002年全日本GT選手権(JGTC)のシリーズ第5戦となるJAPAN SPECIAL GT CUPが開催され、57周、約250kmに渡って熱戦が繰り広げられた。
学校が夏休みに入ったこともあって、スタンドは家族連れやカップルなど5万人を超える大観衆で埋め尽くされ、JGTCの人気の高さを改めて証明していた。
 今シーズンのJGTCは、4月に岡山県のTIサーキット英田で開幕し、5月には富士と菅生で第2戦と第3戦が開催され、さらに、先月にはマレーシアのセパン・インターナショナルサーキットで第4戦が行われて、全8戦のシリーズも、すでに半分が消化されてきた。
ホンダNSXで参戦する我がMobil1 NAKAJIMA RACINGは、フォーミュラ・ニッポン(FN)でも我がチームで活躍している松田次生、ラルフ・ファーマンの両選手にドライバーを変更してシーズンに臨んだが、開幕戦のTIと前回のセパンで、ともに見事なパーフェクトゲームで優勝を飾り、前半戦を終えたところでドライバーズポイントとチームポイントで、ともにランキングトップに着けている。
ただし、その結果としてハンディウェイトも随分嵩んでしまい、今回は何と110kgにもなってしまった。
そもそも、ライバルがターボパワーに物言わせる中、NAエンジンで頑張るNSXにとって、ホームストレートが約1.4kmと長くパワーサーキットの性格を持つ富士スピードウェイは、あまり得意としていないのだが、その上にウェイトハンディが110kgとあっては成す術なし。
だがレースはチームの総力戦でもあり、ポイントゲットを目標に、木曜日の合同テストから全開でアタックに掛かった。
 その木曜日の合同テストから、予想通りというか、Mobil1 NSXは苦戦を強いられることになる。
どのセッションでもトップから1秒あまり差をつけられてしまうのだ。
元来があまり得意でない富士で、しかも気温が上昇してくるとターボ勢に較べてNAマシンは一層厳しくなってくる。
さらに加えて一般的にはウェイトハンディ10kgにつきコンマ1秒遅くなると言われているが、まさにその"公式どおり"のタイム。チームは完璧な仕事でドライバーを送り出し、ドライバーもそれに応えて、間違いなく精一杯のパフォーマンスを発揮していることが分かる。 結局土曜日の公式予選では16番手グリッドと、今期のワースト記録となってしまった。それでも荒れることの多い富士でのレースだけに、最後まで着実に走って何とか1ポイントでも、とチームは一丸となってマシン整備に余念がなかった。
 ウェイトハンディに苦しめられていたものの、2人のドライバーも、マシンのハンドリングには好感触を得ていたようで、決勝日の朝一番、午前8時20分から行われたウォームアップでもMobil1 NSXは着実に周回をこなしていった。
そしてサポートレースやセレモニー、大盛況のピットウォークの後に、いよいよ決勝レースのスタート進行が始まった。
ドライバーも含めてチームのスタッフにとっては、自分達のベストな仕事をするだけ。
まさに人事を尽くして天命を待つ心境で、午後の決勝スタートを迎えることになった。
 気温30℃、路面温度41℃と、土曜日までに較べると幾分凌ぎやすい状況の中、当初のタイムスケジュールより少し遅れて午後3時10分に決勝レースのスタートが切って落とされた。
スタートドライバーを担当したのはファーマン選手。スタートダッシュで2台をパスして14番手でオープニングラップを終えたが、やはりターボマシンの威力はさすがで再びもとのポジションへと戻っていく。
そんな中、オープニングラップの300R先でアクシデントが発生し、2周目に入ったところでセーフティカー(SC)がコースイン。波乱の幕開けとなったが、その後10周を過ぎた辺りからアクシデントやトラブルで脱落してくるマシンもあり、着実な走りを続けていたファーマン選手は、2つほどポジションを上げることになる。
 19周目に入ったところで2度目のSCイン。規定の最低周回数を終えていたために、ファーマン選手はここで思い切りよくピットイン。
するとピットのチームスタッフが素早くタイヤ交換&ガソリン補給を済ませ、最低限度のタイムロスで代わった松田選手はピットアウトして行った。
だが、こんな荒れた展開にもかかわらず、上位陣の脱落は僅か。
それでも着実に、かつ粘り強くドライブした松田選手は12番手でチェッカーを受けることに成功した。
●Mobil 1 NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント
 今回、シリーズ第5戦目となった富士ラウンドでは、110kgものウェイトハンディに苦しめられ、12位完走ながらもノーポイントに終わり、ランキングでもトップの座を明渡すことになりました。それでも次戦、9月中旬のもてぎラウンドでは20kgの軽減が許されることで、着実にポイントゲットが狙えそうです。そして最終戦前の美祢ラウンドでもウェイトハンディを降ろしながらポイントを重ねていき、最終戦の鈴鹿ラウンドでは真っ向勝負に挑んで念願のタイトルを奪いたいと思っています。今後とも、我がMobil1 NAKAJIMA RACINGへのご声援を、よろしくお願いします。 
※次戦は、9月14日(土)−9月15日(日)、栃木県ツインリンクもてぎで開催されます。

Round4
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