シリーズ名:2002年全日本GT選手権(JGTC) |
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開幕戦以来の見事なパーフェクトウィン
公式戦となったセパンで初のウィナーに |
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梅雨ではっきりしない天候が続く国内とは一転、青く澄み渡った空と強烈な陽射しの
下、6月22日〜23日にマレーシアはクアラルンプール国際空港に程近いセパン・インター ナショナル・サーキットにおいて、2002年全日本GT選手権(JGTC)のシリーズ第4戦となる
MTOUCHジャパンGTチャンピオンシップ・マレーシアが開催された。 このマレーシア・ラ ウンド、昨年まではノンタイトルのオールスター戦として開催されていたが、今年はJG TCシリーズの中の1戦として位置付けられるようになり、これまで以上の熱戦が繰り広 げられることになり、セパン・サーキットには30.000人を超える大観衆が詰め掛けて、GTならではのドッグファイトを楽しんでいた。 4月に岡山県のTIサーキット英田で開幕した今シーズンのJGTCは、5月には、静岡県の 富士での第2戦と宮城県は菅生での第3戦を消化し、今回のマレーシア・ラウンドでシー ズン前半戦を締めくくるシリーズ第4戦を迎えたことになる。 昨年までと同様に、ホン ダNSXでの参戦ながら、ドライバーをフォーミュラ・ニッポン(FN)でもチームメイトとし て活躍している松田次生、ラルフ・ファーマンの両選手による新コンビに一新した我が Mobil1 NAKAJIMA RACINGは、開幕戦のTIでは見事なポール・ツ ー・ウィンを飾ったものの、続く第2戦の富士では一気に70kgものウェイトハンディを背 負ったこともあって11位に低迷。さらにNSXが得意としている第3戦の菅生でもリタイア に終わっていたから、シーズン後半戦での巻き返しを図るためにも、この第4戦では上 位入賞を狙いたいところ。 おあつらえ向きにウェイトハンディも40kgまで軽減されてい たから、チーム全員が期待感を高めながらのマレーシア入りとなった。 走り初めとなった金曜日の特別スポーツ走行からMobil1 NSXは快調で、午 前中のセッションで2番手につけると午後のセッションでは唯一2分00秒台のタイムをマ ーク、2番手以下にコンマ7秒の大差をつける韋駄天振りを見せつけた。土曜日に行われ た公式予選でも、この好調ぶりはそのままで、午前中に行われた1回目のセッションで トップから1000分の4秒差で2番手に着けると午後に行われた2回目のセッションでは1分 59秒291まで詰めて逆転し、今シーズン2度目のポールポジションをゲットした。 今回も タイムアタックを担当したのはファーマン選手。午後のセッションではミッションに違 和感を感じてスピンする一幕もあり、ピットには一瞬緊張感が高まったが、その後1周 だけタイムアタックすることになり、ファーマン選手はこの僅かなチャンスにスーパー ラップを叩き出し、見事開幕戦以来のポールポジションを奪うことになった。 ちなみに セッション後にオーバーホールしてチェックしたところミッションには何の異常もなく 、スタッフはホッと胸をなでおろすとともに、日曜日の決勝に向けて最後のチェックに 余念がなかった。 決勝日の朝一番、午前9時から行われたウォームアップでもMobil1 NSXの 快調振りには何ら変化なく、トップレベルのタイムで安定して周回を重ねていた。予選 日と較べると、比較的雲間が広がったものの、熱い陽射しと高い気温はそのままで、2 人のドライバーやチームスタッフにとってはハードでタフなレースとなることは容易に 予想された。 気温35℃、路面温度は48℃にも上昇した午後3時に、4万人近い観客が見守る中で、初 の公式戦となったセパンでのGTレースがスタートを切った。今回もスタートを担当した のはファーマン選手だったが、クリアーなスタートから一気にスパート。 オープニング ラップを終えた時点で2位の土屋武士選手に1秒以上の大差をつけていた。 2周目からも ファーマン選手のハイペースには何の変化もなくただ一人2分01秒台で周回を重ねる。 2 番手以下は02秒台中盤がやっとだったから、ファーマン選手と後続との差は見る見る開 いていき、10周を終えた時点で早くも6秒以上の大差となっていた。20周目には、2位以 下を14秒以上まで引き離したファーマン選手は、21周を終えた時点でピットイン。 ピッ トのスタッフは素早くルーティンの作業をこなし、最小限のタイムロスでマシンをレー スに送り出すことに成功する。 後半戦のドライバーは松田選手。上位陣が全車ピットス トップを済ませた時点で、松田選手と2位のW.ガードナー選手との差は13秒余り。 そこ からしばらくは一進一退の攻防を続けるが、周回後れのマシンが続出して松田選手がペ ースを上げられないでいる間に、ガードナー選手が猛チャージ。 ピットでは松田選手に 『ペースアップ』のサインを出すが、松田選手がペースアップする前にガードナー選手 がスピンで大きくタイムロス。そしてそれ以降は松田選手も余裕のペースダウン。 ドラ イバー交代が早かったために、ファーマン選手の1.5倍も多くなった周回を、全くのノ ーミスで走り遂げた松田選手は、シリーズ戦としては初となるセパンでのGTレースで記 念すべき初代ウィナーとして栄光のチェッカーを受けた。 |
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●Mobil 1 NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント 今回、シリーズ第4戦目となったセパン・ラウンドでは、シーズン開幕戦のTI以来、シ ーズン2度目のポール・ツー・ウィンを飾ることが出来、シーズン後半戦に向けてチーム の意気も一層盛り上がっています。次回、7月末の富士ラウンドでは再び、大きなウェ イトハンディを科せられることになりましたが、それを跳ね返しての活躍を期していま す。 これまで以上に、我がMobil1 NAKAJIMA RACINGへのご 声援を、よろしくお願いします。 |
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※次戦は、7月27日(土)−7月28日(日)、静岡県富士スピードウェイで開催されます。 | |
Round3 |