シリーズ名:2007 オートバックス SUPER GT(S-GT)

大会名:第7戦・もてぎ GT 300kmレース
距離:4.801km×63周
予選:9月8日 晴れ    ・観衆:1万4000人(主催者発表)
決勝:9月9日 晴れ時々曇り・観衆:3万8000人(  同  )




スタート直後に押し出されるも、最後尾から猛チャージで4位入賞
初のノックダウン方式が採用された予選ではロイックが3番手に


32 EPSON NSX  予選3位 決勝4位
台風一過、蒸し暑いレースとなった第7戦もてぎ。

今回の予選はノックダウン方式を採用。3回目のセッションまで使用できるタイヤは1セットのみ。ロイック選手は巧みなタイヤマネージメントで予選3位。
予選後、9月生まれのファビオのバースディをピット前で行う。

オープニングラップのアクシデントで最後尾になるも、着実に追い上げて4位フィニッシュ。

9月に入っても残暑が続いていたと思ったら、今度は台風が首都圏を直撃。各地に被害をもたらしながら台風9号は、その後北海道から北に抜けていった。その台風一過の9月8〜9日、ツインリンクもてぎでは、SUPER-GTのシリーズ第7戦が開催された。夏休みは終わっていたものの、日曜日には4万人近いファンがもてぎに詰めかけ、迫真バトルを楽しんでいた。
シリーズも残り3戦。前回までの6戦はベスト4戦が有効だったが、この第7戦以降の3戦は、全てのポイントが有効。ここからは1戦たりとも落とせないシビアな戦いが続くことになる。NSXにとってホームコースとなるもてぎだけに、今回の目標は、ズバリ初優勝、だった。
金曜日(7日)の公式テストは、通り過ぎていった台風の影響から悪天候で午前中のセッションがキャンセルされ、45分間延長された午後のセッション1回のみとなるが、チームはテキパキとメニューを消化しながらマシンをセットアップ。タイム的には1分46秒789で4番手と、まずまずの結果で手応えを感じながら1日を終えることになった。
公式予選が行われた土曜日(8日)は朝から好天に恵まれた。とは言うものの、湿度が高く、実際の温度以上に蒸し暑さを感じる1日となった。
SUPER-GTではこれまで、スーパーラップと呼ばれる予選方式が採用されてきたが、今回は『ノックダウン方式』が採用されていた。これはF1GPでもお馴染みとなっているノックアウト方式と、基本的には同じで、午前中の1回目は、2人のドライバーが予選通過基準タイムをクリアするだけ。15分+10分+10分の3つのセッションに分かれた午後の2回目で、16台から12台、12台から8台、とふるいに掛けられ、3回目のセッションで上位8つのグリッドが争われることになる。
3つのセッションを通じて使用できるタイヤは1セットのみで、タイヤに優しいマシンの

セットアップとともに、ドライバーには的確なタイヤマネージメントが要求されることになる。セッション1を7番手で終えたロイックは、残る2つのセッションでも1分46秒台前半のタイムをマーク。
 3番手のグリッドをゲットすることになった。
決勝日となった日曜日(9日)も好天となった。朝一番の30分間のフリー走行、本番セットに自信のあるEPSON NSXは、期待通りのトップタイムをマーク。午後の決勝に期待を繋いだ。
普段のフリー走行では、決勝のオーダー通りにロイックでスタートし、ピットインしてファビオに交替するのが常だったが、今回はファビオからロイックの順。これには訳があって、午後から夕方に掛けて雷雨も予想されていたから。昨年からNSXを乗り続けてきたロイックが後半に回り、スタート&前半のスティントは、GTルーキーながらここまで着実な仕事を続けてきたファビオが担当、との作戦が決定していたからだった。
午後2時のスタート時、気温は32℃とほぼ一定だったが、強い日射しに照らされ続けたコース路面は44℃まで上昇していた。グリッドからペースカーに先導されて1周のローリングラップを終え、最終コーナー辺りで一度隊列を整える。そしてストレートに戻ってシグナルがグリーンに変わった瞬間、一斉にスタートを切っていく。

スタートを担当するのは今回が初めてとなったファビオは、慎重にフロントローの2台とは少し間隔を空けながらもポジションキープで3番手のまま1コーナーへとアプローチしていった。だが、2コーナーで後続のマシンに後方からプッシュされ、姿勢を乱してスピン、そのままグラベルに直行してしまった。何とかコース復帰は出来たものの、GT500の最後尾となった。

予選3番手をふいにしてしまうことになったファビオだが、ここから彼の猛追が始まった。トップから15秒遅れの16番手でオープニングラップを終えたファビオは、8周目には1台のZをパスして15番手に進出し、なおも先を急ぐ。上位陣でアクシデントが相次ぎ、12周目には早くもポイント圏内の10番手まで盛り返してきたが、これは6位のZを先頭に、集団の超接近戦バトルを繰り広げるグループの最後尾。なおも追撃の手を緩めないファビオだったが、もともとパスし難いとされてきたもてぎだけに、このバトルの中で前を行くマシンを抜くのは簡単ではなかった。そこでピットでは早めのピットインに作戦を変更した。
 22周を終えてファビオはピットに向かい、ロイックに交替。替わったロイックはルーティンワークを終えてピットアウト、13番手でレースに復帰した。上位陣が総てルーティンピットを終えた段階で9番手まで返り咲いていたロイックは、その後も好調なペースで周回を重ねていった。終盤に入ってペースの上がらない2台のSCをパスしたロイックは、アクシデントやトラブルで脱落するマシンにも助けられ、表彰台まであと一歩となる4位でチェッカーを受けることになった。

3番手スタートでレースラップも速かったから、もちろん悔しさは残るが、オープニングラップで押し出されて最後尾からの追い上げとなったことを考えれば、2人のドライバーとチームは、充分評価できるパフォーマンスを見せつけたことになる。

 

●EPSON NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント

今日は、天候がどうなるか、ということもあってロイックが後半を受け持ち、ファビオがスタートを担当するようにオーダーを変更しました。
スタートが初めてだったファビオも、前の2台に少し離されていましたが、まずまずのスタートを切り、さあこれから、という時に後方のマシンに押されてスピン。最後尾から追い上げることになってしまいました。それが、今日のレースの総てでしたね。
途中、早めにファビオをピットインさせたのは、前の方で何台もが渋滞して抜きあぐねていたから。結果的に4番手まで盛り返してフィニッシュし、その作戦が正解だったことと、マシンとドライバーやチームの戦闘力は証明できましたね。

シリーズも残り2戦となりましたが、最後まで諦めることなく、優勝を目指していきます。今後とも、引き続いて、我がチームの応援をよろしくお願いします。


※次戦Rd.8は10月12-14日 大分県オートポリスで開催されます。



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