シリーズ名:2007 オートバックス SUPER GT(S-GT)
大会名:第5戦・SUGO GT 300km RACE
距離:3.704km×81周
予選:7月28日 曇り   ・観衆:1万6250人(主催者発表)
決勝:7月29日 雨のち曇り・観衆:2万9000人(  同  )



雨のち曇り、ウェットからハーフウェットのタフなレースで
3位表彰台を獲得


32 EPSON NSX  予選3位 決勝3位
前FNレース終了後、母国に帰ってリフレッシュした二人。
見事3位表彰台を飾る。

スーパーラップの予選は3位。トップ3はNSXが占める。
GTのスタート進行が始まったとたん、雨が降り始める。
今後の天候を予測して各チームタイヤを判断。

レクサスに先行されるも、後半レクサスのペナルティで挽回。難しい路面を冷静にドライビングして掴んだ3位。

7月も下旬となり、いよいよ夏本番、のはずが国内各地が大雨に見舞われることになった7月28〜29日、仙台郊外にあるスポーツランド菅生では、07年スーパーGT第5戦が行われた。
土曜までは持ちこたえていたものの、決勝が行われた日曜日は、スポーツランド菅生も雨に見舞われることになったが、それでも3万人近いファンが詰めかけ、超接近戦の高速バトルを楽しんでいた。
金曜日の公式テスト(練習走行)が、いつものように走り始めとなった。2回行われたセッションでロイックは、1分17秒台から16秒1まで詰め、相変わらずの好調さを見せつけた。それは土曜日に行われた公式予選でも変わらず、午前中に行われた1回目のセッションでロイックは、1分15秒693まで詰めてこれまでのコースレコードを更新。3番手で午後のスーパーラップ進出を決めている。
ロイックからステアリングを引き継いだファビオも、GT300クラスとの混走時間帯にあっさりと16秒台をマーク、予選通過基準タイムをクリアーしている。午後のスーパーラップでもロイックは果敢にドライブ。午前中にマークした自己ベストを僅かに更新する15秒689をマーク。2台のNSXに続く3番手グリッドをゲットするとともに、NSX勢によるトップ3グリッド独占に、一役買うこととなった。
決勝日となる日曜の朝一番に行われたフリー走行でも4番手につける好タイムをマーク。フロントローからスタートする2台のNSXのタイムとは少し差を付けられていたから、順当なら3位狙いということになる。ただしここまでの全セッションはドライコンディションだったが、午後は雨が予想されており、それが展開にどう影響するかが注目された。
ピットウォークとセミファイナルのサポートレースを終えると、いよいよスーパーGTのスタート進行となる。だが、狙いすましたように雨粒が落ち始め、コースは見る見るウェットコンディションへと変わっていった。
タイヤチョイスが難しいところだったが、スリックタイヤでグリッドまで1周してきたものの、これは明らかに無理。ただ、これ以上降り続けることはないと判断し、結局ロイックはインターミディエート(浅ミゾのレインタイヤ)でスタートすることになった。結果的にはこれがベストなタイヤ選択となる。
 レースはセーフティカーの先導によって始まった。そして6周を終えたところでセーフティカーがピットロードに向かい、ここで実質的なレーススタートとなった。
いつもは、レーススタート直後からアグレッシブにチャージを掛けるロイックだったが、今回ばかりは着実なペースで周回を重ねていく。一口にウェットコンディションと言っても、雨/路面を覆った水の量は場所によって千差万別。また路面温度の高低によっても状況が変わってくる。ロイックが装着したダンロップのインターミディエートに合ったコンディションでは前を行くライバルにじわじわ近づき、また彼らの選んだタイヤに利がある時は、少しずつ引き離されていく。
そんな一進一退を繰り返しながらも、ロイックはノーミスでドライビングを続けた。そして一つだけポジションは落としたものの、4位の座はキッチリキープして41周を終えルーティンのピットインとなった。
 この頃には、コースもライン上はほぼドライになっていたから、交替するファビオは、迷わずスリックに履き替えた。そしてガソリン補給を済ませると、脱兎のようにピットを後にしていった。
6番手でレースに復帰したファビオだったが、上位陣のルーティンピットが終わってみると、やはり4番手をキープしていた。超接近戦で高速バトルを続けるトップ3とは少し差が開いており、ポジションキープの作戦はやむを得なかったが、そんな状況でもファビオは渾身の走りを披露する。終盤に向けてコンディションは好転していたから、ファビオは何度かファステストラップを塗りかえる速さを見せながら先を急いだ。
そんなファビオの頑張りに、思わぬプレゼントが舞い込むことになった。2台のNSXとトップを争っていたレクサスが、ルーティンのピットインでピットロード入口のホワイトラインをカットしていたことからドライビングスルーペナルティを科せられたのだ。これでファビオは再び3位に進出した。
終盤、後方からZが猛烈なペースでチャージしてきたが、ファビオは冷静なドライビングで応戦し、3位のポジションをキープしたままチェッカー。開幕戦以来となる3位表彰台を獲得した。

●EPSON NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント
先ずは表彰台に勝ち残れて、ホッとしています。
今回のようにコロコロとコンディションが変わる時には、我々に有利な時もあれば、ライバルに有利な時もある。それを思い知らされたレースとなりました。
でも、ドライバーもチームスタッフも、ミス一つ出さずに、完璧な仕事をしてくれました。序盤にレインコンディションが酷かった中、何とか踏み止まって走り続けたロイックも、後半、ラインが乾き始めていたコンディションでスリックを履き、果敢にプッシュしていったファビオも、本当に良い仕事をしてくれました。
 次の鈴鹿は、距離も1000kmと長くて、正直、何が起きるか見当もつきません。だから具体的な目標を立てることは難しいので、ノーミスでベストを尽くすことだけ考えます。そして勝負はもてぎかオートポリス。是非とも1勝はしたいと思っています。
※次戦は、8月17日〜19日、鈴鹿サーキットで開催されます


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