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シリーズ名:2007年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第6戦・富士スピードウェイ
距離:4.563km×65周
予選:8月25日 晴れ ・観衆: 8,800人(主催者発表)
決勝:8月26日 晴れのち曇り・観衆:21,900人( 同 )
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超接近戦のバトルを戦い抜いた末にロイックが3位表彰台をゲット
フロントロースタートの小暮は、トラブルで決勝未出走に終わる
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31 Loic DUVAL |
予選5位 決勝3位 |
32 小暮卓史 |
予選2位 決勝リタイア |
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今回も激戦だった予選。トップ3を制した3人。小暮選手は2番手。
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フロントローの小暮選手。レッドランプ点灯後、クラッチの異変に気づく。。。 |
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後半戦を沸かせたのはロイックを含めたトップ3台による争い。
ハイペースの超接近戦のバトルが続いた。
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その3台は、この3人。結果はアンドレ、ブノワ、ロイックのオーダーとなった。
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8月25〜26日富士スピードウェイにおいてシリーズ第6戦が開催された。8月後半は、国内各地で猛威を奮った酷暑は幾分和らいでいたものの、公式予選日となった25日(土曜)と、決勝レースが行われた26日(日曜)は、2日連続の真夏日となった。それでも、夏休み最後の週末とあって富士には、3万人を超える熱心なファンが詰めかけ、トップフォーミュラによる迫真の超接近戦バトルを、心行くまで楽しんでいた。
走り始めとなった金曜日(8月24日)の合同テスト(公式練習)は、早朝から雲が拡がるコンディションで行われた。今回は、“持ち込み”状態からマシンのバランスが良く、午前のセッションでは小暮−ロイックの順にトップ2を占めた。さらにタイムアップした午後も小暮がトップをキープ。ロイックも3番手タイムをマークするなど好調さを見せつけた。
予選日となった土曜日(8月25日)は、前日からは一転し、青空が拡がる空模様で、午前中には早くも気温が30℃を超える真夏日となり、路面温度もグングン上昇していった。午前中のセッションでは、ロイックも小暮も、ともに最初のアタックでベストタイムをマークするが、路面温度が上昇し続けたコンディションにマシンを合わせ切れずに、終盤に逆転を許してしまい、それぞれ10番手と3番手で1回目のセッションを終えていた。路面温度も心配していたほどには上昇しなかったこともあり、勝負所となったのは、午後2時過ぎから行われた2回目のセッション。ユーズドタイヤで、午前中の自己ベストを更新。さらにセットを詰めて4セット目のフレッシュタイヤでラストアタック。1分27秒247をマークしたロイックが5番手。27秒082まで詰めた小暮は総合2番手でフロントローを確保した。
決勝レースが行われた日曜日(8月26日)も、好天で明けた。午前8時半から行われたフリー走行では、セッション序盤に小暮が1分28秒台に入れトップに立つ。その後、28秒台に入れるドライバーはなかなか現れなかったが終盤に来て各車タイムアップ。小暮も1分28秒502まで詰めて、これがセッションのトップタイム。ロイックも最後のラップで1分28秒785を確認。3番手でセッションを終えた。なお、このセッションでペナルティから10グリッド降格するドライバーがあり、1ポジション繰り上がったロイックは、小暮の真後ろ、4番手グリッドからスタートすることになった。
その決勝レースは午後2時半にスタートが切られることになっていたが、次第に雲が拡がってきて、朝からコースを照らし続けていた日射しも、時折雲に遮られるようになる。日射しが直接コースを照らしていた頃には50℃近くまで上昇していた路面温度も約40℃まで低下。決勝レースはスピードアップすることが予想された。フォーメーションラップを終え、21台のマシンがグリッドに着いた後に正式スタートが切られた。
だが、シグナルがブラックアウトした瞬間に、思わぬアクシデントが発生した。フロントローからのスタートで、優勝さえも期待されていた小暮が、スタートの瞬間にクラッチトラブルからエンジンストール。後方グリッドからスタートしたマシンに追突され、マシンは大きなダメージを負ってしまう。小暮に怪我がなかったのは不幸中の幸いだったが、これで小暮はスタートを切ることなくレースを終えることになった。一方、その小暮の直後からスタートしたロイックは、止まってしまった小暮のマシンを巧みに避けながらストレートを加速、3番手で1コーナーにアプローチしていった。
アクシデントの当事者である2台のマシンをメインストレートに残したまま、19台のマシンがオープニングラップを周回していたが、壊れて止まったマシンを回収するためにセーフティカー(SC)がコースイン、2周目から6周目まで、5周に渡ってマシンの隊列を先導。6周を終えたところで本格的にレースが再開されることになった。
トップグループは、小暮を欠いたものの、グリッド通りのオーダーで先を急ぐが、1周もしないうちに2番手につけたロッテラー選手がトップの本山選手をパス。7周目の1コーナーではロイックも、これに続いて本山選手をパスして2番手に進出した。
その後ロイックは、トップで逃げるロッテラー選手を猛追。テールtoノーズのバトルを展開した後、13周目に彼をパスしてトップに立つ。それ以後は後続のマシンに対して、1周につき1秒近いペースで引き離していった。ロイックとロッテラー選手との間隔は、20周目に6.7秒、25周目に10.9秒、30周目には14.9秒と、見る見る拡がっていく。そして33周を終えたところでロイックがルーティンのピットイン。タイヤ交換するとともに、約35秒を掛けてガソリンをタップリと補給、10番手でピットアウトしていった。
ロイックに代わってトップに立ったロッテラー選手は、36周を終えたところでピットインしたが、作戦の違いからか燃料補給を含めて15秒弱でピットアウト、ロイックの前方でレースに復帰することになった。続いて、ロッテラー選手に代わってトップに立ったトレルイエ選手が40周を終えたところでルーティンのピットイン。こちらも約15秒でピットアウトし、ロイックの直後でレースに復帰する。この時点でトップをキープしていたのは、SCカーがコースインしていたレース序盤に、ルーティンピットを行った片岡選手で、以下、ロッテラー選手、ロイックを挟んでトレルイエ選手が続いており、さらにその後方、5番手につけていた荒選手を含めて、5台によるバトルが展開されることになった。
ただし、レース序盤にルーティンピットを行った片岡選手と荒選手は、タイヤが厳しくなってきたか、終盤に入って遅れることになり、ロイックを挟んでロッテラー選手とトレルイエ選手、この3台が最後の最後まで、ドッグファイトを繰り広げることになった。
49周目、ダンロップコーナーへのアプローチでロイックは、トレルイエ選手に先行を許すことになったが、なおも隙を窺いながら走行を続けた。レース終盤に掛けて、この3車によるトップ争いはなおもヒートアップ。1分28秒台から29秒台のハイペースで超接近戦のバトルが続いた。
だが、路面温度が下がってきたことが原因だったか、ルーティンのピットインを行うまで、1回目のスティントではライバルを圧倒する速さを見せつけていたロイックだったが、ピットイン後、2回目のスティントでは、交換したタイヤとマシンのマッチングの問題か、バランスが今一歩。結局、3位でチェッカーを受けることになった。 |
■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「我々の作戦は間違っていなかったと思っています。でも結果的に、ライバルの方が少し速かった。小暮選手の思わぬアクシデントからセーフティカーが入ったこと。ロイックがアンドレ(・ロッテラー選手)をパスするのに、少し手間取ってしまったこと。それにロイック自身が、2セット目のタイヤでペースが上げられなかったことなども、想定外でした。
最終的にはロイックが表彰台に上ることが出来、最悪の結果は免れることが出来ましたが、2人ともに本番セットでは充分な速さを確認できていただけに、悔しいレースになってしまいました。次回の菅生は、小暮の得意とするコース。気分を切り替えて、2台揃って好成績を残せるよう、頑張ります」
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次戦は9月14-16日宮城県スポーツランド菅生で開催されます。 |
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