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シリーズ名:2007年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第4戦・岡山国際サーキット
距離:3.703km×68周
予選:6月09日 晴れ一時小雨 ・観衆: 7,100人(主催者発表)
決勝:6月10日 晴れのち曇り、一時小雨・観衆:19,700人( 同 )
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予選から速さを見せつけ小暮がポールを奪取。ロイックも3番手で続く
決勝は作戦が裏目に出るも小暮が5位入賞。
トラブルに見舞われたロイックも粘り強い走りで完走!
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31 Loic DUVAL |
予選3位 決勝19位 |
32 小暮卓史 |
予選1位 決勝5位 |
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小暮選手は初開催の岡山国際サーキットでポールポジション奪取!
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SC導入時、早めのピットインでフル満タン。これがハンドリングを悪化させ、辛いレース展開となる。 |
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ロイックは6月12日誕生日。岡山でバースディパーティ。今年はパイ投げの餌食に。。 |
ロイック号は、トラブルに見舞われ3回のピットインを余儀なくされた。 |
これまで、2度のF1GPが開催されたことはあったが、国内のトップフォーミュラによるハイスピードバトルはこれが初めて!
全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)のシリーズ第4戦は、岡山国際サーキットが舞台。多くの関係者やファンの注目を集めた史上初の岡山ラウンドはしかし、“晴れの国岡山”には珍しく気紛れな天候に翻弄されてしまった。それでも2万人近いファンが詰めかけ、ハイスピードバトルを楽しんでいた。
今回の岡山ラウンドは、FN初開催とあってデータは少なかったものの、それは全チームが横一線。これまで、チームの総合力では定評のあるPIAA NAKAJIMA RACINGとしては、ここで好結果を残し、開幕直後からの好い流れを、そのままシリーズ中盤戦に持ち込みたいところだった。
金曜日(6月8日)の合同テスト(公式練習)は晴れてドライコンディション。午前と午後、それぞれ2時間ずつ、計4時間の走行セッションが設けられていて、決勝に向けてマシンのセットアップは順調に進むことになった。タイヤを上手く温めきれなかったロイックは僅差の4番手に留まったが小暮は順調にタイムを削って1分16秒820のトップタイムをマーク。記念すべき最初のコースレコードホルダーとなった。
土曜日(9日)の公式予選は、午前と午後に、それぞれ45分間のセッションが行われ、そのベストタイムでスターティンググリッドが決定する通常のスタイル。早朝には、今にも降り出しそうな空模様だったが、1回目のセッションが始まる1時間ほど前に一気に青空が拡がった。前夜の雨で濡れていたコースも、セッションが開始された時点では走行ライン上が乾き始めていた。
セッション中盤には、ほぼドライコンディションとなり、熾烈なタイムアタックが展開されることになる。セッション開始時点でウェット宣言が出されていたために、ロイック、小暮、ともに先ずはレインタイヤでピットアウト。コースをチェックした後、ドライタイヤに交換してアタックのタイミングを窺う。そしてセッションも残り15分余りとなったところでアタックに出て行きロイックが1分17秒804でトップに立つ。少し遅れてピットを出ていった小暮は、さらにタイムアップ、17秒409でロイックを逆転する。
その後は各車タイムが伸び悩み、小暮とロイックの間に1台が割り込んだだけで、セッション終盤を迎えた。ラスト5分余りが勝負所と見られ、ここで小暮に次ぐタイムをマークしたマシンもあったが、イエローフラッグが提示されていたことで、これはノータイム。結局、小暮が暫定ポール。ロイックも3番手と、上々の結果で、公式予選1回目のセッションを終えることになった。
午後2時25分から行われた2回目のセッションは、開始直前、雲に覆われた空から小さな雨粒が落ち始め、コースが濡れた状態で始まった。途中雨足が強くなり、終盤には再び晴れ間が見えて日射しが戻ってくるなど、天候は二転三転。コースコンディションも目まぐるしく変わっていった。午前中に好タイムをマークしていたロイックと小暮は、セッション中盤までピットで様子を見つつ待機。最後でピットアウトしたが決勝に向けて、ドライタイヤの皮むきをしたのみで、タイムアタックすることなく午後のセッションを終えた。結局小暮がポールポジション。ロイックは3番手グリッドからスタートすることになった。
決勝レースが行われた日曜日(10日)。午前9時30分からフリー走行が行われたが、幾つか雲は残っていたものの、青空が高く晴れ上がり、絶好のレース日和。午後の決勝に向けハイスピードバトルへの期待は一層高まっていった。ピットウォークの頃まで晴れ上がっていた青空は、決勝レースのスタートが近づくにつれて雲が拡がってくる。そして完全なドライコンディションでスタートした後も、さらに雲は厚くなっていきレース中盤には、小雨がぱらつくこともあった。それでも本降りとはならず、最後までドライコンディションでレースは闘われた。
ポールからスタートした小暮は、動き出しはまずまずだったが、その後のダッシュが伸びを欠いてしまい、1コーナーには2番手でアプローチして行った。一方3番手スタートのロイックも3台ほどのマシンに先行を許してしまい、1コーナーまでに6番手にポジションダウンしてしまった。スタート直後に大きくオーダーが入れ替わったが、バックストレートエンドのヘアピンでも多くのマシンが絡むアクシデントが発生。小暮やロイックのいた上位陣は、それを尻目に先を急ぐ。だが、2台がコース上でストップしてしまい、セーフティカー(SC)が導入されることになった。
スタート前から、SC導入の際には2台を揃ってピットインさせ、ルーティンのガソリン補給&タイヤ交換を行う作戦だったから、2周目を走り終えたところで小暮とロイックは揃ってピットイン。ロイックは少しピットロードで待つ格好となったが、小暮に続いて作業を終え素早くピットアウトしていった。
14番手でピットアウトしていった小暮は、もちろん、ルーティンピットを行ったドライバーの中では最上位。SCはその後、3周を終えたところでコースから離れ、レース再開となる。この前後に、何台かのマシンがルーティンピットを行ったが、総て小暮の後方でピットアウト。その度に小暮はポジションアップしていくが、何故かペースが上がらない。実はスタート直後、予想外に早いタイミングでガソリン補給したために、ガソリンタンクはフル満タンとなりマシンのハンドリングが悪化していたのだ。さらにバイブレーションも酷くなり、小暮は辛いレースを余儀なくされていた。その後も小暮はなかなかペースを上げることが出来ず、1分20〜21秒台で逃げる上位陣に対して、1周につき1秒ずつ遅れていく。
全車がピットインを終えた段階では5位に踏み止まっていた小暮は、そのまま我慢の走行を続けてチェッカー。4ポイントをゲットし、ランキング3位に後退したもののトップに7ポイント差で食らいついている。
一方、ロイックは、小暮に続いてルーティンピットを終えたものの、ホイールナットが緩むトラブルがあり、すぐに再度ピットインを強いられてしまう。その後も、小暮と同じハンドリングの悪化とバイブレーションに加え、ホイールナットが緩むトラブルが彼を悩まし続けることになる。何とか走行を続けていたものの、終盤に来て症状は一層酷くなり3度目のピットイン。タイヤを再度交換、応急処置を施しただけでピットアウトしたロイックは、手負いのマシンで何とか完走。ポイント獲得はならなかったが、粘りのドライブで次回に繋がるフィナーレを迎えた。
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■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「先走って策に溺れた格好になりました。今回は、金曜日から好い流れできましたが、それを決勝に繋げることができませんでした。
決勝では当初から、SCが入ったら2台ともにピットインさせる作戦でした。同時にピットインすれば、どちらかはピットロードで(作業を待つ間)タイムロスしてしまいますが、それでも1周(ピットインを)遅らせるよりもタイムロスは少ないはずです。そう判断していたのですが、実際には、SCが入るタイミングが早すぎましたね。
またバイブレーションに悩まされ、しかもロイックのマシンにはホイールナットが緩むトラブルも出てしまい、散々な週末になってしまいました。
でも、予選でポールポジションを奪ったことで、マシンの速さを確認することができたのは大きな収穫でした。次回の鈴鹿でも、マシンの速さが発揮できるよう、頑張ります」
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次戦は7月6−8日鈴鹿サーキットで開催されます。 |
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