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リーズ名:2007年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第2戦・鈴鹿サーキット
距離:5.807km×43周
予選:4月14日 晴れ ・観衆:15,500人(主催者発表)
決勝:4月15日 曇りのち晴れ・観衆:30,000人( 同 )
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小暮が3位表彰台をゲット。ロイックも4位で続き、2戦連続ダブル入賞。
公式予選でもセカンドローを独占、一発の速さも着実に増してきた。
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31 Loic DUVAL |
予選4位 決勝4位 |
32 小暮卓史 |
予選3位 決勝3位 |
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予選3番手に着けた小暮選手。しかしスタート直前にクラッチトラブルが発生。そのままスタートするしかない。。
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4番手グリットのロイック号にもスタート時に同じトラブルが発生。なんと8番手まで後退してしまう。 |
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スタート直後ポジションダウンした2台だが、小暮選手は4周目に3番手、ロイック選手は11周目に4番手復帰。 |
今回は250kmのため、レース中のピット作業はない。スタート後スタッフはピットで見守るしかない。 |
全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)の07年シーズン第2戦が鈴鹿サーキットで開催された。今回は、年に一度となる2輪ロードレースとのコラボレーションになる2&4レースとして行われたが、さらにホンダのファンイベント、『Enjoy Honda』も併催されることになり、モータースポーツファンはもちろんのこと、2輪のファンから家族連れまで含めて3万人の観衆が詰めかけ、バトルと感動に酔いしれることとなった。
4月13日(金曜)の合同テスト(公式練習)でロイックは、マシンが思ったようにセットアップできずに苦しむことになったが、小暮は順調にテストメニューを消化。2回のセッションでともに3番手につけるとともにトップとのタイム差を削っていき、予選本番に向け、大いに期待が高まっていくことになった。もちろん、2台のセットアップデータは共有されており、ロイックも本番では上位に進出することが予想されたのは、言うまでもない。
14日(土曜)の公式予選は、いつものように午前と午後の2セッション。快晴の青空の下、午前10時15分から行われた1回目のセッションで小暮は、前日の好調さをそのままに、これまでのコースレコードを更新する1分42秒台の好タイムで先ずは4番手につけた。小暮のセットアップデータでマシンを仕上げ直したロイックは、アタックラップでゆっくり走るマシンにつかえてしまい、低調なタイムに終わったが、マシンのフィールは上々で、午後の2回目に期待を繋いだ。
その午後の2回目も好天の下で行われた。1分41秒398まで詰めた小暮がトータル3番手に進出。4セット目の新品タイヤで心機一転のアタックを行ったロイックも1分41秒805と42秒の壁を突破してトータル4番手。PIAAカラーのマシンがフォーメーション2列目、3番手と4番手のグリッドを独占することになった。
決勝日となった4月15日(日曜)は、花曇りで明けた。だが、午後の決勝が近づくにつれ青空が拡がっていき、決勝レースは青空の下でスタートが切られることになった。
だが、そのスタートを前にしてチームには俄に緊迫感が漂うことになる。小暮のマシンにクラッチトラブルが発生したのだ。
中嶋悟総監督と藤井一三ディレクター、田坂泰啓・田中耕太郎の両エンジニア、さらには2人のドライバーも加わってグリッド上で緊急ミーティングとなるが、この時間ではマシンに手を施すことは出来ず。結局、小暮が(マシンを)なだめながらスタートするしかない、との結論になる。
だが、同じ症状はロイックのマシンにも表れることになる。フォーメーションラップの後に切られた正式スタートで、小暮よりロイックの方がポジションダウンが大きかったのは、そんな理由からだった。ともかく、両者はスタート直後に大きくポジションダウン。小暮が5番手、ロイックは何と8番手まで後退してオープニングラップを終えている。
これまで、FNはレース距離が約300kmで戦われてきた。鈴鹿ならば51周レースとなるのが一般的だったが、今回は43周=約250kmのスプリントレースとなっている。このレース距離ではガソリン補給もタイヤ交換も必要なくなる…戦略としての可能性はなくもないが、スタートしたら、あとはドライバー勝負。そのためにもスタートポジションが一層重要になり、2人揃って2列目を確保したのだが、水泡と帰してしまったのだ。だが、朝のフリー走行で小暮がトップタイムをマークしたことでも証明されたように、我がチームの、本番仕様のパフォーマンスは定評のあるところ。小暮とロイックは2周目以降、それぞれ5番手と8番手から猛チャージを見せることになった。
2周目の130Rを、前車に食らいつく勢いで抜けてきた小暮は、シケインの進入でポジションアップ。上位のマシンが脱落したこともあり、4周目には3番手まで復帰する。一方のロイックは、少し手こずることになったが、それでも11周目のシケイン進入で4番手に返り咲くことになった。だが、ここまでの猛チャージでタイヤを酷使してきたことが、レース終盤、ボディブローのように効いてくる。
スタートから快走していたトップ2は、自らのペースでタイヤをマネージメントできたが、先ずはスタート時のポジションに復帰することが先決だった小暮とロイックにとって、それは無理な話。レース中盤、2番手のマシンに肉迫していった小暮も、その小暮以上のペースで追い上げたロイックも、結局、それ以上にポジションを押し上げることは出来なかった。
それでも、小暮は開幕戦の8位に続き、05年シーズン第5戦の鈴鹿以来、1年9ヶ月ぶりの表彰台をゲットしてランキング5位に進出。ロイックも開幕戦の3位に続く4位入賞で、ランキング2位にポジションアップ。チームも2戦連続のダブル入賞で、同じランキング2位だがトップとのポイント差を少し挽回した。次回の予定は1ヶ月後、ツインリンクもてぎで開催される第3戦(決勝は5月20日)では、更なる好成績を期待したい。 |
■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「走り始めからチェッカーまで、予想外だったクラッチトラブルを除けば、まずまず順調な流れでした。今回はレース距離が、普段よりは短いけれども、スプリントというほどではなく、戦略的、展開的には難しいものがありました。でも2人のドライバーが、クラッチトラブルによるスタートの出遅れを冷静に挽回してくれました。
今回のように、タイヤ交換なしに43周を走り切るレースでは、タイヤの減り具合なども含めて、逆転するにはちょっと厳しかった。今後は(決勝用のセットを)もう一歩進める必要がありますね。それでも、2人揃っての上位入賞で、まずまずの結果だったと思います」
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次戦は5月19−20日ツインリンクもてぎで開催されます。 |
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