シリーズ名:2003年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第7戦・富士スピードウェイ
距離:4.400km×61周
第10回公式合同テスト:8月29日 晴れ ・観衆:未発表
予選日 :8月30日 晴れ ・観衆: 6、300人(主催者発表)
決勝日 :8月31日 曇り時々小雨・観衆:28、100人(  同  )

一時はトップを快走したロッテラーが、3位入賞で連続表彰台に!
目まぐるしく変わるコンディションに振り回された小暮は、惜しくもリタイア

決勝直前、重い雲がたれこめている。 フリー走行で雨用に溝がついているバイザーをテスト。
ロッテラー選手は菅生に続き3位表彰台。
レース中はずっとドライタイヤで臨む。
激戦を展開し続けてきた03年シーズンもいよいよ終盤戦を迎えることになり、8月31日、富士スピードウェイにおいてシリーズ第7戦が開催された。
 65年にオープンして以来、世界的にも屈指のハイスピードコースとして知られてきた富士スピードウェイは、9月中旬から全面改修工事が始まることになっており、この大会が4.4kmの現コースにおけるファイナルレース。
また夏休み最後の週末とあって、雨交じりの不順な天候にも関わらず、3万人近い観客が詰めかけ、これが最後となるハイスピードバトルを楽しんでいた。
 今年は夏の訪れが遅く、暑さが本格的になったのは暦の上で秋になってから。その暑さが幾分残っていたものの、雲が立ちこめる天候で、金曜日の公式合同テストから走り始めることになった。
この公式合同テストではロッテラー選手が午後のセッション終了間際に、本山哲選手に次ぐ2番手タイムとなる1分19秒387をマーク、順調な仕上がり具合を見せることになった。
一方の小暮選手だが、タイム的には20秒台に止まったものの、多くのテストメニューを順調に消化、内容の充実したテストとなった。
 公式予選が行われた土曜日は、金曜日と同じようなコンディションとなった。午前10時から始まった1回目のセッションではロッテラー選手が1分18秒445、小暮選手も18秒581まで詰め、暫定6、7番手につける。
午後2時から行われた2回目のセッションも、1回目と似たようなコンディションだったが、赤旗中断などもあってリズムを狂わされたか、ロッテラー選手は僅かにタイムアップしたものの、小暮選手は午前中のベストタイムを更新することが出来ず、結果的にロッテラー選手が7番手、小暮選手は9番手という予選結果となった。
土曜日までの薄曇りから一転、決勝日となる日曜日は雨を予感させる黒雲が空を覆い、前夜の雨が残るコースはウェット、さらに一時的には濃霧がコースの一部に立ちこめる、酷いコンディションで明けた。
朝一番で行われたフリー走行が始まるまでに霧は晴れたが、コースはウェットコンディションのまま。
各ドライバーは注意深く走行を始めるが、コースアウトするマシンが続出し、セッションは何度も赤旗で中断されてしまう。そんな状況の中、若い2人のドライバーは淡々と走行を続け、午後2時スタート決勝レースに向けて、マシンのフィーリングを確認するとともに、自身のコンセントレーションを高めていった。
 スタート進行に入る頃になると空は一層暗くなってくる。サポートレースで多くのマシンが走行したこともあって、コースは完全なドライコンディションとなっていたが、いつ降り始めるかも分からない状況で、スタート前には各チームともに、タイヤ選択に頭を悩ませることになったが、全車がスリックタイヤを装着したまま、予定通り午後2時に、正式スタートが切られることになった。
ロッテラー選手は7番手のポジションをキープしたまま、小暮選手はひとつポジションを上げて8番手でオープニングラップを終えるが、この時、コース上の一部では小雨がぱらつき始めていた。
 レースも序盤戦は、大きくオーダーを変えることなく展開していったが、10周を過ぎた辺りから雨足が、少しずつ激しくなっていく。そして1コーナーやAコーナーではコースアウトするマシンも増えてきていた。そんな慌ただしい展開へと変わっていく中、ロッテラー選手は12周目にポジションをひとつ上げ、さらに15周目に4位、16周目には3位とポジションアップ。18周目に2位に進出すると23周目には本山選手をもパスしてトップに立つ。
雨は降ったり止んだりの繰り返しで、コースコンディションの見極めが非常に難しい状況が続いたが、ロッテラー選手はトップをキープしたまま28周を終えたところでルーティンのピットイン。
だがここで不運にもインパクトレンチが壊れてしまうハプニング。右リヤタイヤの交換に手間取ってしまい、何と通常よりも約15秒ほど余計にタイムロス、ピットアウトして1周回ってきた時点では、9番手にまでポジションダウンしてしまっていた。
 だが、ここからロッテラー選手の猛追が再開する。
レースが後半戦に入った頃から、再び雨足が強くなり、Aコーナーでクラッシュしたマシンがあり、セーフティカーがコースインするというラッキーな面もあったが、それでも滑りやすい路面状況の中、アグレッシブなドライビングで見る見るポジションをアップしていき、約10周ほどの間にブノワ・トレルイエ選手と本山選手に次ぐ3番手まで復帰。その後もトップ2を上回るハイピッチで猛追を続けた。
だが、レースも終盤になってコースコンディションが完全なドライに戻ると、トップ2は再びペースアップ。ロッテラー選手はポジションキープの作戦に切り替えて残る周回数を着実に走りきって3位入賞。前回の2位入賞に次いで連続表彰台をゲットした。
 一方、スタートでポジションをひとつアップした小暮選手は、目まぐるしく変わるコースコンディションに加えて、ブレーキバランスの狂ったマシンの操縦性とも格闘を続けていた。
11周目の1コーナーでは堪えきれずにコースオフ。何とか再スタートを切り早めにタイヤ交換したものの、レース後半になって急に勢いを増した雨に、またも足をすくわれてしまい33周目のAコーナーでコースアウト。グラベルに捕まりリタイアとなってしまった。


■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
今回は、コースコンディションが目まぐるしく変わっていく中で、ロッテラー選手が抜群のマシンコントロールを見せ、3位入賞を果たしてくれました。
ピットインでのタイヤ交換の際に、インパクトレンチが壊れてしまい、余計なタイムロスさせてしまうというハプニングもありましたが、結果的に(あのタイムロスがなかったとしても)終盤の、完全なドライコンディションでの本山選手やトレルイエ選手の速さには適わなかったような気がします。それはチームとしての今後の課題じゃないかと思っています。
一方の小暮選手は、目まぐるしく変わっていくコンディションに(ドライビングを)合わせ切れずにリタイアしてしまいました。速さを結果に結びつけるのは、やはり難しいようです。
でも、彼ら2人が、素晴らしい速さを持っていることは、今回、改めて証明されました。その速さを結果に結びつけることが出来るよう、チーム一丸となって頑張っていきます。引き続き皆様方には、我がPIAA NAKAJIMA RACINGに、熱いご声援をよろしくお願いします。

※次戦は、9月19日〜21日、山口県MINEサーキットで開催されます。
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