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シリーズ名:2003年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN) |
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ポールポジションからトップを快走したロッテラーが2位表彰台に!
表彰台圏内を力走していた小暮は、惜しくもアクシデントでリタイア |
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予選で快心のポールを決めたロッテラー選手 | 決勝は本山選手とデットヒートを繰り広げ2位 |
土曜の予選は雨のため2回ともキャンセルとなる |
マシンに乗り込み予選開始を待つ
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03年シーズンのFNもいよいよ後半戦に突入、宮城県のスポーツランド菅生においてシリーズ第6戦が開催された。 居座り続ける梅雨前線と低気圧の影響で、公式合同テストが実施された金曜日と、公式予選が予定されていた土曜日は、終日雨に見舞われてしまい、特に土曜日はコース上を何本もの川が流れるような酷いコンディションで、4月に富士スピードウェイで開催された第2戦と同様に公式予選がキャンセルとなるハプニングもあった。 しかし、一夜明けた日曜日は一転、雨も上がって晴れ間も顔を見せ、3万4000人を超えるファンが、国内トップドライバーが繰り広げるドッグファイトを楽しんだ。 今回の舞台となるスポーツランド菅生は、1周約3.7km。1コーナーからハイポイントコーナーまでのインフィールドセクションは、いくつもの中低速コーナーが連続するテクニカルなレイアウトだが、裏ストレートと、高速の最終コーナーを立ち上がって、登りのストレートをアクセル全開で駆け抜けた先の1コーナーが、勝負のポイントとなるハイスピードコース。 我がチームにとっては96年、99年、2000年、そして昨年と、7シーズンで4勝を挙げた"得意な"コース。 6月に実施された事前テストにはロッテラー選手のみが参加していたが、初走行にも関わらす3番手タイムをマークするなど、期待の持てるラウンドとなった。 走り始めとなった金曜日の公式合同テストから、菅生は雨に祟られた。事前テストがドライコンディションだったため、全チームとも初のウェットコンディションに臨むが、2回目のセッションでロッテラー選手が1分27秒966の総合トップタイムをマーク。前回優勝のリチャード・ライアン選手を挟んで、今回がFNでの菅生初走行となる小暮選手も3番手につけ、チームとして上々の滑り出しを見せることになった。 だが公式予選が予定されていた土曜日にはコンディションが一層悪化。 この日の走行セッションは2回ともにキャンセルされてしまい、FNの公式予選は天候が好くなることが予想されていた日曜朝、当初はフリー走行が予定されていた時間帯が振り替えられ、30分間の一本勝負に変更されることになる。 その日曜日は曇り空で明けた。 朝一番、当初は土曜日に予定されていたF3レースがスタートする頃にはハーフウェット状態だったコースコンディションも、FNの公式予選が始まるまでにはほぼ完全なドライコンディションとなる。 ただし何箇所かは川状に濡れているところもあったが、全車ドライタイヤを使ったフルアタック合戦となる。 セッション前半は、フルアタックするドライバー、あるいはドライセットを確かめるドライバー、と様々だったが中盤に、コース上の落下物を回収するためにセッションは一時中断。 残り13分間が勝負所となる。ここでトップタイムをマークしたのがロッテラー選手。 他のドライバーが1分14秒の壁を切れないでいたのに対し、あっさりと1分13秒826をマーク。堂々の初ポールをゲットした。一方の小暮選手もセッション終盤に果敢なアタックを見せたが、2番手以下は大混戦で、2番手の本山哲選手から僅か0.18秒遅れながら7番手というポジションだった。 雨の影響でタイムスケジュールが変更されたこともあって、日曜日の午前中は慌ただしい雰囲気で進んでいったが、ピットウォークが賑わいを見せる頃には前日までのコンディションが嘘のように青空が晴れ上がり、肌に心地よい風が吹き渡る絶好のレース日和となった。 そして午後2時30分にはフォーメーションラップが開始され、決勝レースの火ぶたが切って落とされた。 好スタートを切ったのはポールポジションのロッテラー選手。好ダッシュを見せ、本山選手を従えるように1コーナーに飛び込んでいった。 一方の小暮選手もまずまずのダッシュを見せたが、ジャンプアップしてきた土屋武士選手と2コーナーで接触、何とかポジションキープしたままオープニングラップを終えることになったが接触の影響でアライメントを狂わせてしまい、以後は苦しいドライビングを余儀なくされてしまった。 本山選手をリードしてトップを快走するロッテラー選手は、本山選手を引き離そうとするが、本山選手も一歩も譲らず。 トップ2台は1秒前後の間隔で、3番手以下をじわじわと引き離していく。6周目辺りから、早くもルーティンのピットインをおこなうマシンが出てきたが、トップ2台は先を急ぐ。そして19周目にまず本山選手がピットイン。続いて20周目にはロッテラー選手もピットイン。我がチームのピット作業の方が僅かに速く、ロッテラー選手は本山選手の3台前でコースインすることに成功した。だが、本山選手も程なく2台のマシンをかわして、再びマッチレースが始まった。30周目の1コーナーでは本山選手がロッテラー選手のインを射す一幕もあったが、ここはロッテラー選手が何とか凌いでみせる。 しかし34周目の最終コーナーを立ち上がってきたところで、前方…見かけのポジションでは上位ながら、ピットインをすませていなかったマシンに接近しすぎてロッテラー選手の伸びが一瞬鈍ってしまう。ベテランの本山選手が、この隙を見逃すはずもなく、ぴったりとテールに食らいつき、1コーナーのアプローチまでにはロッテラー選手の真横に並ぶ。ロッテラー選手も1コーナーから2コーナーを立ち上がるまではサイドbyサイドで抗戦するが、それが精一杯。 これでトップ争いに決着が付くことになり、以後ロッテラー選手はポジションキープの作戦に出て、3番手に40秒もの大差を付けて堂々のチェッカーを受け、開幕戦以来の2位表彰台をゲット。 手に汗握る2人のクリーンなデッドヒートに、観客席から拍手が沸き上がったのが印象的だった。 一方、アライメントの狂ったマシンで懸命の力走を続けていた小暮選手は、ロッテラー選手よりも一足早く10周を終えたところでルーティンのピットイン。 タイミングが早く、ほぼ最後尾まで後退することになったがピットアウトした後も上位集団と互角なハイペースで先を急ぎ、29周目には事実上の4番手まで進出して見せた。だが、35周目の裏ストレートで、僅かなミスからマシンをクラッシュさせ、惜しくもリタイアとなってしまった。 |
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■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント |
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※次戦は、8月29日〜31日、静岡県富士スピードウェイで開催されます | |
Round5 |