シリーズ名:2002年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第7戦・富士スピードウェイ
距離:4.400km×50周
予選:8月31日 晴れ・観衆: 6300人(主催者発表)
決勝:9月 1日 晴れ・観衆:2万5000人(  同  )

夏の名残となった猛暑のレースでファーマンが2位入賞
表彰台に手の届く4番手を走行していた松田は惜しくもリタイア

予選中。コックピット内で他車のタイムを確認しながらアタックのタイミングを計る。
夏休みも最後の週末となったものの、日本全国が残暑に包み込まれた8月31日〜9月1日、静岡県にある富士スピードウェイでは2002年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン (FN)のシリーズ第7戦が開催された。
前回、スポーツランド菅生で開催された第6戦から4週間のインターバルを空けての開催だが、ここから終盤戦となり3週間前後のインターバルで4戦が予定されている。
だが、35℃近い気温、50℃近い路面温度と、タフなコンディションでのレースは、おそらくシーズン最後。そして1.4km以上もある長いストレートに代表される超高速レイアウトである富士スピードウェイでのレースも、今シーズンはこれが最後。そして何よりもシリーズチャンピオンを狙うためには重要な1戦であるのは間違いないところだ。
 今シーズンの我がPIAA NAKAJIMA RACINGは、ドライバーに実力派として知られるラルフ・ファーマン選手と若手最注目株である松田次生選手のコンビを擁し、チームの指揮を執る中嶋悟総監督を筆頭に、藤井一三・チームディレクターが率いるチームスタッフが手掛けるレイナードの最新シャシー、尾川自動車にチューニング&メンテナンスを委託した無限エンジン、と昨年と同様のチーム・パッケージングで今シーズンに参戦してきた。
ここまでの6戦でファーマン選手が3勝を挙げてランキングトップにつけ、松田選手も何度か表彰台を奪うなど活躍。
チームポイントではランキングトップにつけている。開幕前に、ここ富士で行われた合同テストでも、4月に行われたシリーズ第2戦でも、2人のドライバーは揃って好タイムをマークしており、また実際にファーマン選手が2位入賞を果たしており、攻略のためのデータは充分に揃っていることもあり、チームの意気は大いに盛り上がっていた。
 いつものように土曜日朝一番の公式練習から、走行プログラムが始まった。
だが勝負どころは午後に行われる2回の公式予選セッション。特に今回は路面温度や気温などのコンディションが良くなる2回目のラスト10分が重要になってくる。
当然のことながら我がチームも、ドライバーとスタッフが一丸となり、勝負どころに向けて、マシンを仕上げていった。
 フリー走行で4番手につけていたファーマン選手は、1回目の公式予選セッションではマシンのセットアップが思うように行かず9番手に低迷する。だが、勝負どころに向けて1時間半のイ ンターバルにマシンを大幅にセット変更。
2回目の公式予選セッションでは残り12分となったところで1分17秒414のトップタイムをマークした。
ただしゼブラゾーンを走行したことで、このベストタイムを抹消されてしまい、セカンドベストの17秒325で4番手に後退してしまった。
一方の松田選手はトップからコンマ4秒差ながらポジション的には10番手グリッドに留まってしまう。
だが、ホームストレートが長く、前を行くマシンをパッシングし易いレイアウトの富士スピードウェイでは5列目なら充分に上位入賞も射程距離だ。
 予選日と同様に決勝日も朝から空は晴れ上がっている。
ドライコンディション、それも気温/路面温度ともに大きく上昇してタフな展開が予想された決勝レースは午後2時24分にスタートが切られた。
好ダッシュを見せたファーマン選手はグリッドのオーダーどおり、土屋武士、脇阪寿一、本山哲の各選手に続いて4番手で1コーナーを目指していく。
だが、その1コーナーではトップの土屋選手がオーバーラン。ファーマン選手はそれを避ける恰好で、後続の金石年弘選手に一旦は先行を許したものの、Aコーナーで逆転し、3番手でオープニングラップを終えた。
脇阪選手が快調に先を急ぎ、本山選手とファーマン選手が接近戦を演じていることもあって、トップと2,3位の差が一進一退の末にじわじわ拡がっていく。
 そんな状況の中、14周を終えたところでファーマン選手が一足先にピットイン。
決勝中に義務付けられているタイヤ交換を行ったが、もちろんこれはチームの作戦。
ピットのスタッフは素早くタイヤを交換しファーマン選手をコースへと送り出す。1周の後には脇阪選手と本山選手もタイヤ交換でピットインする。
彼らはファーマン選手の目前でコースインし、3台がピットインする前のオーダーに戻るが、1周早くタイヤ交換していたこともあって充分に温まったタイヤの威力を如何なく発揮したファーマン選手は、17周目のAコーナーまでに本山選手をパスしてみせる。
これで2番手に進出したファーマン選手だったが、快調に先を急ぐ脇阪選手を捉えるまでには至らず、2番手でチェッカーを受けた。それでも、ポイント争いの当事者である本山選手 に先んじてのゴールでポイント差は6まで拡がった。
 一方、5列目10番手グリッドからのスタートながら、スタート直後の1コーナーで土屋選手がオーバーランするハプニングに乗じる恰好で、松田選手は4番手、ファーマン選手の直後、4番手でオープニングラップを終えることになった。
その後10周目にはトップグループではいち早くピットインしてタイヤを交換。
全員がタイヤ交換を終えたところでは着実に4番手のポジションをキープしていた。
だが、レースも終盤戦となった37周目に、突如スローダウン。
ピットへと戻ってくるがクラッチにトラブルが発生しており残念ながら、この時点でレースを終えることになる。
上位入賞はもちろん、表彰台にさえ手が届きかけていただけに、悔しいことこの上ないリタイアだった。

PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
今回は、ファーマン選手が2位入賞でランキングトップの座をキープしたのに対して、松田選手は好調な走りを見せながらもトラブルでリタイア、と好対照な結果となりました。それでも2人揃って速さは確認できており、このリズムを狂わさないように終盤戦を戦っていきます。皆様方にはこれまで同様、我がチームに対するご声援をよろしくお願いします。

※次戦は、9月21日〜9月22日、山口県美祢サーキットで開催されます。
Round6
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