シリーズ名:2002年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第6戦・スポーツランド菅生 仙台放送カップレース
距離:3.704km×60周
予選:8月3日 曇り   ・観衆: 7950人(主催者発表)
決勝:8月4日 曇りのち雨・観衆:3万7600人(  同  )

霧と雨で始まった波乱のレースでファーマンが独走優勝
しぶとい走りで粘った松田も5位に入賞


決勝直前、濡れた路面を前にタイヤチョイスに悩む グリットに持ち込まれた2種類のタイヤ
 時期外れの台風が去ったのもつかの間、前線の影響で国内の各地で豪雨と雷が猛威を振るった8月3〜4日、杜の都は仙台の郊外にあるスポーツランド菅生では2002年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)のシリーズ第6戦が開催された。
全10戦で戦われるシリーズも、いよいよ後半戦。そして第4戦から2週間インターバルで続いた3連戦の締めくくりでもある。舞台となるスポーツランド菅生は、長いストレートとともに、ホームストレートに続く高速の最終コーナーの上り勾配などからも明らかなように、富士スピードウェイとともにシリーズでも屈指のハイスピードな設定のパワーサーキット。
また、この時期は非常に暑くなり、ドライバーにとってもマシンにとってもタフなレースとなることで知られている。
 昨年に続いて実力派のラルフ・ファーマン選手と若手の松田次生選手というコンビでシリーズに挑む我がPIAA NAKAJIMA RACINGは、チームの指揮を執る中嶋悟総監督を筆頭に、藤井一三・チームディレクターが率いるチームスタッフが手掛けるレイナードの最新シャシー、尾川自動車にチューニング&メンテナンスを委託した無限エンジン、とパッケージは不変。
シリーズの前半5戦ではファーマン選手が2勝を挙げてランキング2位、松田選手も何度か表彰台を奪うなど活躍。チームポイントではランキングトップにつけている。このリードをより確実なものとするためにも、そしてドライバーポイントでもトップを奪うためにも、後半戦の緒戦となる今回は、是非とも上位入賞を目指したいところ。
ここスポーツランド菅生で我がチームは、最近の5年間で2回優勝、とチームとの相性は上々。さらに事前テストでも好タイムをマークしていたから、スタッフは期待充分に菅生へとやってきた。
 走り始めとなったのは土曜日朝一番の公式練習だが、早朝から降っていた雨は上がったもののコースはなかなか乾かず、セッション終盤にハーフウェットとなったところで霧も出てしまい、2人のドライバーも目一杯の走りを見せることなくセッションを終えることになった。ただしマシンのバランスは上々だったようで、午後の公式予選が期待された。
 その、期待の高まった午後の公式予選は、朝の霧の影響で15分ほど遅れて始まった。
例年な らば30℃を越える気温、そして50℃近くまで上昇する路面温度、と暑い(熱い)コンディションとなるところだが、意外に過ごしやすいウィークエンドとなり、マシンのセッティングにも影響が出てくる。それでもファーマン選手は2回のセッションでともに2番手でフロントローのグリッドを確保。
一方の松田選手はタイムアタックのタイミングを逸してしまい、混雑の中思い切った走りが出来ずに1回目のセッションでは8番手に留まってしまう。それでも2回目には少し挽回し、結局6番手グリッドからスタートすることになった。
 決勝日は朝から曇り空。ピットウォークまではドライコンディションで推移したが、セミファイナルのワンメイクレースがスタートする頃には遂に雨になってしまった。
そして、その雨は止んだものの、タイヤ選択に頭を悩ませるようなコンディションとなり、さらに霧も濃くなり、FNのスタート進行は、大幅に遅れることになった。結局、30分あまり遅れて、ほぼ全車が浅溝のインターミディエイトでグリッドに並び、上位陣はほぼ順調なダッシュを見せてレースが始まった。
だが、思っていた以上に早く、コースは乾いていき、開始早々に上位陣から続々とピットに入ってスリックタイヤへと交換することになる。ファーマン選手は3周を終えたところでタイヤ交換を行ったがロスタイムは5.3秒と最短で、事実上のトップで再スタートしていく。
だが、交換直後はタイヤもまだ充分には温まってなく、1周を終えたところで一足早くタイヤ交換していた本山選手にかわされてしまう。
 ほぼ全車がタイヤ交換を終えた頃、1コーナーでアクシデントが発生し、コースアウトしたマシンを回収する間、セーフティカーがコースイン。
14周を終えたところで再び戦闘開始となる。レースが再開された15周目の最終コーナーで、2番手につけたファーマン選手がトップを行く本山選手のインを突き、これをかわすことに成功した。
トップに立ったファーマン選手は次の周から、ほぼ毎周のようにファステストラップを連発、2番手以下を見る見る引き離していく。20周を終えた時点でファーマン選手のリードは4秒あまり。
25周で約6秒、30周で約7秒、とその後もハイペースで逃げたファーマン選手は、全く危なげのない展開で残り周回を走りきって今期3勝目。最大のライバルである本山選手がリタイアに終わったことも合って、ポイントランキングでもこれを逆転、再びトップに立つことになった。
 一方の松田選手は、中盤までタイムに伸び悩んだものの、最後の最後まで集中力を途絶えさせることなく粘り強く周回を重ねていく。そして終盤戦では上位陣とほぼ互角なペースにまで持ち込み、とうとう5番手まで進出、そのまま走りきって2ポイントをゲットした。

PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
 
菅生では、雨と霧でスタートがディレイとなるなど、ドライバーにとってもチームにとっても、緊張の高まるレースとなりました。結果的にはラルフ(・ファーマン選手)が3勝目を挙げて、ノーポイントに終わった本山選手を逆転することになりましたが、6戦を終えて3勝3敗。
ともにノーポイントが2回ずつという結果になりました。
シーズン終盤も、こうした戦いが続くと思いますが、これからは1回でもノーポイントになった方が(チャンピオン争いにおいて)厳しくなると思います。ラルフは富士が好きじゃないみたいですが、(チャンピオンを狙うなら)苦手なコースを無くさないと駄目ですね。
今回は、2人揃ってポイントゲットするなど開幕戦以来の好成績を収めることが出来ました。この勢いを持続したまま4週間後の富士ラウンドに臨み、シーズン終盤戦の戦いを有利に進めるべく頑張っていきます。皆様方にはこれまで同様、我がチームに対するご声援をよろしくお願いします。

※次戦は、8月31日〜9月1日、静岡県富士スピードウェイで開催されます。
Round5
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