シリーズ名:2001年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第8戦・美祢サーキット
距離:3.330km×62周
予選:9月22日 晴れ・観衆:1万2800人(主催者発表)
決勝:9月23日 晴れ・観衆:2万8600人(   同   )

予選2番手からトップを奪ったラルフ・ファーマン選手は、
レースを完全にリードしながらトラブルでストップ、9位完走扱い。
スタート直後マシントラブルに見舞われた松田次生選手は、無念の戦線離脱。
 一連の台風が去った後に、高くまで澄み切った秋空と、少しだけ残暑の戻ってきた9月22〜23日、山口県にある美祢サーキットでは2001年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)のシリーズ第8戦が開催された。
3月に鈴鹿サーキットで開幕した2001年FNシリーズも、いよいよ大詰めを迎え、美祢サーキットでのラウンドも5月のシリーズ第3戦以来、これが今季2度目の戦いとなった。
ストレートを回り込んだ小さなカーブで繋いだ、ストップ&ゴーがメインのレイアウト。
スタートのポジション、つまり予選結果が重視されると同時に、タイヤ交換のピット作業が、シリーズの中では最も重視されるサーキットでもある。
これまで、チームが一丸となってマシンのセットアップを進めてきた結果、前々回の菅生と前回の富士、2戦続けてファーマン選手が予選3番手を奪うなど、マシンのポテンシャルは着実に引き上げられてきた。
今回も、事前に行われたテストでは好タイムがマークされており、チームの意気は、いやが上にも高まってきていた。
 清々しい秋晴れの中、公式予選が行われた。午前中の公式練習では、ファーマン選手はあっさりと2番手タイムを叩き出す。
一方の松田選手は、最終コーナーでコースアウトしてしまう場面があり9番手となってしまったが、両車ともにまずまずの走り出しを見せた。
そして1回目の公式予選で1分15秒262をマークして3番手に付けたファーマン選手は、ファイナルセッションとなった2回目の公式予選では、これまでのコースレコードを更新する1分14秒582まで短縮、セッション終盤でトップに立つ。
最終的には脇阪寿一選手に再逆転されて2番手に後退するがフロントローをゲットした。一方の松田選手も1回目の1分15秒577を1分14秒766まで短縮し5番手のポジションを確保。
翌日の決勝に期待は膨らんでいった。
 日曜朝一番のフリー走行をこなし、いよいよ決勝レース。
スタート前には、アメリカで起きた同時多発テロの犠牲者に対する黙祷が捧げられ、厳粛な空気がサーキットを包んだ。
そして、その直後にはマシンの咆哮が鳴り響き、いよいよ戦いの火蓋が切って落とされた。好ダッシュを見せたのはファーマン選手。
ポールシッターの脇阪選手がホイールスピンで一瞬出遅れたのに乗じる恰好で、見事トップの座をゲット。本山哲選手を従えて1コーナーを立ち上がっていく。
一方の松田選手はスタート直後にトラブルが発生。ミッショントラブルに見舞われ、6周を終えた時点で戦線離脱を余儀なくされてしまう。
 トップを逃げるファーマン選手は全く快調に周回を重ねていく。
2周目には1分18秒台、3周目には早くも17秒台に入れ、本山選手との差をじわじわと拡げていく。
5周目までは一進一退の展開だったが6周目からは、追いすがる本山選手のペースよりも着実に上回るハイペースでファーマン選手が逃げる展開となり7周目に1秒余りだった2人のタイム差は、12周目には2秒を超え、21周目には3秒以上となった。
10周目に17秒フラット、12周目には1分16秒857とベストタイムを更新しながら17秒台前半から16秒台後半で逃げたファーマン選手は、23周を終えたところでピットイン。
直後に本山選手もピットに向かい、全く同じタイミングで、タイヤ交換のピット勝負となる。だが、ここは全くイーブンの勝負で、ファーマン選手、本山選手のオーダーのまま、レースは中盤から終盤勝負の様相を見せ始めた。
 中盤から終盤に掛けては本山選手がペースアップ、じわじわとファーマン選手を追い上げてくる。
しかしファーマン選手はまだまだ余裕があり、詰められれば引き離す、の繰り返しでレースも大詰めを迎えた。だが、残り10周を切ったところで思わぬ展開。その前の周までは着実に本山選手との間隔を保ち、1分16秒台後半から17秒台前半の安定したペースで周回を重ねてきたファーマン選手が、突然1分20秒台にペースダウン、本山選手だけでなく脇阪寿一選手にもパスされて3番手でコントロールラインを通過する。
ファーマン選手は、その後もペースが上がらないまま、最後はコースサイドにマシンを止めてしまう。ミッショントラブル。これで万事休してしまい9位完走扱いとなってしまった。
なおレースは複数チームから抗議として出された懸案があり、更に正式に控訴されたため、成績は暫定扱いとなっている。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「完全にレースをリードしながら、残り数周でレースを失い言葉がありません。この無念は必ず次戦のもてぎで晴らしたいと思います。」

※次戦は、10月20日〜21日、栃木県ツインリンクもてぎで開催されます。
Round7


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