シリーズ名:2006年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第9戦(最終戦)・鈴鹿サーキット
距離:5.807km×51周=296.157km
予選:11月18日 曇り・観衆:1万1600人(主催者発表)
決勝:11月19日 雨 ・観衆:2万0000人(  同  )

雨の中、渾身の走りを見せたロイックが6位入賞
粘り強い走りで8番手まで進出した武藤は、雨に足をすくわれリタイア
31 Loic DUVAL

予選 7位 決勝6位

32 武藤英紀 予選12位 決勝 リタイア
土曜日予選は雲の間から日差しがもれてくるおだやかな天候だったが、決勝は完全レインとなる。
決勝日朝のフリー走行、ロイック選手はトップタイムをマーク。
ウエットが予想されるレースをどういう作戦で行くか。。

武藤選手は急激に雨足が強まった周回にスピンアウト。リタイアとなる。

ヘビーレインのレース、ベテラン勢もスピンアウトし完走は14台。
紅葉前線が足早に通過し、一層冬の気配が強まった11月18〜19日、鈴鹿サーキットでは全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(以下Fニッポン)のシリーズ第8戦が開催された。熱戦を繰り返してきた06年シーズンのFニッポンも、いよいよシリーズ最終戦。
決勝日となった日曜日は、今シーズンのFニッポンを象徴するかのように悪天候に見舞われたが、そんなタフなコンディションの中、2万人もの熱心なファンが鈴鹿サーキットに詰めかけ、今シーズンの総決算となったトップフォーミュラの迫真バトルに声援を送っていた。
 4月のシリーズ第2戦、7月の第4戦に続き、これが今季3度目の戦いとなった鈴鹿サーキットだが、4月にはロイック・デュバルが初優勝。武藤英紀も初入賞を飾っており、ゲンの好いコース。今回も2人揃っての好成績で、シーズンに有終の美を飾りたいところだ。
 走り始めは、いつものように金曜日(17日)の公式合同テストから。週末は天候が崩れることも予想されていたが、この日は青空の拡がる快晴で明けた。午前中の1回目、午後の2回目、ともに1時間ずつの走行セッションとなったが、大きなトラブルもなくロイック・デュバルが5番手、武藤英紀が7番手と、先ずは順調な滑り出しを見せることになった。
 公式予選が行われた土曜日は、白い雲が空を覆う一日となった。それでも雲の間から日射しがもれてくる穏やかな天候でコースは完全なドライコンディション。午前中の1回目には、ファーストアタックで1分43秒台の好タイムをマークしたロイックが、さらにタイムアップを狙った次の周にS字コーナーでスピンアウトするハプニングもあったが、幸いマシンに大きなダメージはなく、午後の2回目に影響がでることもなかった。
その、午後のセッションでロイックは1分43秒005、武藤も1分43秒413と、ともにそれまでの自己ベストを更新。ロイックは、ラストアタックの前に変更した空力のセッティングが裏目に出てしまい、狙っていた42秒台には一歩届かなかったが総合7番手。
「もう少し行けたかも」と走行後に語った武藤は総合12番手のグリッドを得たが、エンジン交換によって10グリッド降格するマシンがあり、それぞれ6番手と11番手のグリッドから決勝に臨むことになる。
 これまでも、我がチームは2台揃って決勝セットでの速さには定評があったが、今回も日曜朝のフリー走行でロイックがトップタイムをマーク。あらためて、その優位性をアピール。セッションはWET宣言が出され、最初はほとんどのマシンがレインタイヤで出走し、中盤から後半に掛けてドライタイヤに履き替える展開となったが、武藤もレインタイヤではトップレベルのタイムをマークしており、2人揃っての上位進出が期待された。
 決勝レースは予報通り、雨に見舞われることになった。それも、スタート時点では小止み状態だったものがレース序盤には雨足が酷くなり、中盤以降はヘビーウェットのコンディション。水溜まりに足をすくわれてスピンするマシンも多く、文字通りタフなサバイバル戦となった。
スタート直後には集団のあちこちで混乱もあったが、ロイックは5番手、武藤も9番手と、ともにグリッド順位より少しポジションアップしてオープニングラップを終えている。ここから先、しばらくは淡々とした展開が続くが、次第に雨足が強まっていく中、2人は正確かつ粘り強いドライブで周回を重ねていくことになった。
 5番手につけ渾身の走りを見せていたロイックは、前半戦は燃費走行の作戦で、安定したペースを保っていた。前を行くアンドレ・ロッテラー選手、後方の金石年弘選手との間隔はゆっくりと開いていき、やがて単独走行となる。
レインコンディションで全体のペースも上がらなかったため、上手くすれば無給油作戦も考えられたが、中間時点でのデータでは、それも無理とチームは判断。ロイックは31周を終えたところでピットインし、ガソリンを補給して素早くピットアウトしていく。8位でレースに復帰したロイックだが、その後もヘビーウェットのコンディションは変わらず、一瞬たりとも気の抜けない展開が続いた。それでもロイックは渾身のドライビングを見せ、ライバルのピットインやアクシデントによってポジションアップ。51周を走り切って6位チェッカーを受けた。
一方、直前を行くマシンが17周目にスプーンカーブでオーバーランしたことで、ひとつポジションをアップした武藤だったが、その数ラップ後、今度は武藤自身が雨に足をすくわれることになる。急激に雨足が強まったことでコースコンディションが急変、最終コーナーでスピンしコースアウト。グラベルに捕まってスタックし、ルーキーシーズンを締め括るレースを終えることになった。 

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
 「シーズンの締め括りとなる今回、2人のドライバーはもちろん、チームスタッフも良い仕事をしてくれました。ロイックは前半を燃費走行で戦い、後半勝負、とも思っていましたが、無給油の作戦を執ることはできず、急遽ピットインしてガソリンを補給しましたが、結果的に見てこの作戦は、ベターな選択だったと思います。
急変したコンディションで足をすくわれることになった武藤は、悪天候のレースの難しさを痛感したことでしょう。
若いルーキードライバーを抜擢してのシーズンで、苦しいこともありましたが、2人にとっては、今後の糧となるはずです。
1年間、応援していただきありがとうございました」

06シーズンFN応援ありがとうございました。



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