シリーズ名:2006年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第4戦・鈴鹿サーキット
距離:5.807km×51周=296.157km
予選:7月8日 曇り後晴れ・観衆:1万0000人(主催者発表)
決勝:7月9日 曇り一時雨・観衆:1万7000人(  同  )

後方グリッドから猛追撃を見せるも、ともにリタイアに
予選ではタイムが伸び悩んだが、決勝ではスピードアップ

31 Loic DUVAL

予選 17位 決勝 リタイア

32 武藤英紀 予選18位 決勝 リタイア
予選、決勝といろいろなセットアップにチャレンジする。
決勝レースは果敢に攻めて行ったが、2台ともコースアウト、リタイアとなってしまう。

担当エンジニアとミーティングを重ねるドライバー。

最終セッティングを煮詰めていく。

 7月9日、三重県の鈴鹿サーキットでは全日本選手権フォーミュラニッポン第4戦が行われた。鈴鹿サーキットでは今シーズン2度目の開催、しかもシリーズ全9戦中の第4戦で、シリーズは早くも中盤戦を迎えた格好になる。
 金曜日は公式合同テスト。例年に比べて幾分涼しいコンディション。午後のセッション後半に、一時小雨がぱらついたものの、路面は基本的にドライのままだった。
2回のセッションで2人は、対照的な1時間を過ごすことになった。午前中に2セット目のニュータイヤを使っていたロイックは、タイムを気にせずセットアップを進め、結果的にユーズドタイヤでは上々のタイムをマークした。
一方、午前のセッションでミッショントラブルに見舞われた武藤は、インターバルの間に換装作業を終え、セッション開始から懸命な走りを続けて1回目に走れなかった分を挽回。
セッション終盤に2セット目のニュータイヤでアタックし1分47秒742をマーク、4番手につけている。
 公式予選が行われた土曜日は曇り空で明けた。1回目のセッションは、午前9時55分から45分間。セッションが始まる頃には一部で青空が顔を見せ日射しが強くなり、開始時に30℃/36℃だった気温と路面温度は、終了時には31℃/39℃まで上昇していた。
 ニュータイヤで先にピットアウトした武藤はアタックラップの1周目にS字で僅かにミス。姿勢を乱してタイムロスするが、次の周に1分47秒307まで詰め自己ベストを更新した。
 午後のコンディションがどうなるか分からないためニュータイヤを2セット残した武藤に対してロイックは3セット目を投入。 少しタイムアップして1分47秒220まで詰めて1回目のセッションを終えた。
 午後のセッションは午後1時45分から45分間。青空が拡がり気温も路面温度も見る見る上昇。開始時点では気温と路面温度は31℃/45℃。その後は緩やかに下降、終了時点で は29℃/39℃まで下がったものの、猛暑のセッションとなったのは事実だった。
ラスト5分となったところで最後のアタックに両車ピットアウト。ともに渾身のアタックを行ったがロイックがコンマ1秒ほど自己ベストを更新しただけで、武藤は午前中の自己ベストを更新することが出来なかった。
 2回のセッションの総合結果でロイックが予選17位、武藤は18位。思わぬ下位に低迷することになったが、エンジン換装で10グリッド降格のマシンがあり、それぞれ16番手と17番手から明日の決勝をスタートすることになった。
 決勝日となった日曜日も過ごし易い気候で明け、朝一番、午前8時からは30分間のフリー走行が行われた。もちろん路面はドライで、上々のコンディションだった。
 セッション開始の合図を待ちきれないように、2台揃って早々にピットアウト。その後ロイックは1度、武藤は2度、ピットインしてセッティングを修正。ノートトラブルで予定していたプログラムを消化、チェッカーを待たずにピットに戻ってきた。
タイム的にはロイックが1分48秒台に入れ、武藤も49秒1まで詰めている。
ポジションがポジションだけに厳しい戦いはやむを得ないが、決勝に向け手応えはあった。
 セミファイナルとして行われたF3レースの後半で小雨がぱらつき、路面がハーフウェット状態となったことで、Fニッポンの決勝スタート前に急遽、10分間のフリー走行が実施された。
 その際にはウェット宣言が出されていたが、ほとんどのマシンがドライタイヤで走行、予想通り決勝レースはドライコンディションで争われた。
 決勝スタートでは、前方のグリッドで2台のマシンがエンジンストールし、後方からスタートしたロイックと武藤は進路を阻まれてしまったのだ。それでも何とか直後の混雑を回避して1コーナーへと向かった2台は、それぞれ13番手と15番手でオープニングラップを終えている。エンジンストールさせた2台が最後尾に回っていたから、事実上はロイックが一つポジションアップ、武藤はポジションキープでオープニングラップを終えた格好だ。
 5周目の1コーナーで、武藤がひとつポジションを上げ14位に進出、ロイックと2台のコンボイで先を急ぐ展開となる。
 
6周目には12〜13位に進出したが、西コースでは小雨がパラつき始め、トップグループもペースダウンを余儀なくされていた。だがPIAAカラーの2台は、上位陣よりも速いペースで周回、先行車との間隔をじわじわと詰めていった。
 他のサーキットに比べると、パッシングが難しい鈴鹿では、渋滞で前につかえるより早めのルーティンピットが得策。
 
チームでは10周を過ぎたところで2台を立て続けにピットに呼び寄せ、タイヤ交換とガソリン補給を手早く終えている。ピットアウトしていったロイックと武藤は、なおも速いペースで周回し、ポイント圏内が期待できる状況となってきた。ところが20周目の1コーナーで、目前のマシンを抜きに掛かったロイックが不覚のミス。オーバースピードでアプローチして行ったが、やはりブレーキングが間に合わず、そのままグラベルへ一直線。スポンジバリアーにマシンをヒットさせ、リタイアとなってしまう。
その後、チームの期待を一身に受けた武藤はなおも猛チャージ。明らかにトップグループを上回るハイペースで周回を続けた。だが、26周目のダンロップコーナーで、前を行くマシンにプレッシャーを掛けようとラインを変えたところ、コース上に撒かれていたオイルに乗ってコースアウト。コンクリートの防護壁にヒットし、そのままマシンを止めた。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「負けたのは、何よりも予選で上位のポジションを確保できなかったから。絶対的な速さが足りませんでした。
 でも、決勝では好いレース運びを見せることが出来ました。ただ、目の前に抜けそうなクルマが出てきたところで、2人のドライバーの若さが出た、ということですね。でもこれは、若手を育てる上で一度通らなければいけない道だと思います」

※ 次戦は、8月4日〜6日大分県オートポリスで開催されます。



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