シリーズ名:2006年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第2戦・鈴鹿サーキット
距離:5.807km×51周
予選:4月15日 雨のち曇り ・観衆:1万3000人(主催者発表)
決勝:4月16日 晴のち曇り時々雨・観衆:2万9000人(  同  )

戦略的中、事実上のデビュー戦でデュバルが初優勝
 最後まで力走した武藤も6位チェッカーで、嬉しいダブル入賞
31 Loic DUVAL

予選 8位 決勝 1位

32 武藤英紀 予選14位 決勝6位
実質初のスタートが切られた06新生フォーミュラ・ニッポン。
予測不能の激戦を制したのは、事実上デビュー戦となったデュバル選手!

16周の早目のピットイン作戦が的中。その後目まぐるしく変わる路面をコントロールして初優勝。

武藤選手も終盤雨の中着実にポジションアップして、6位。
ダブル入賞となった。
悪天候に翻弄された格好で、たった2周、それもペースカーに先導されたローリングラップのみで成立した富士スピードウェイでの開幕戦から2週間。新生フォーミュラ・ニッポン第2戦が4月15.16日鈴鹿サーキットで開催された。
金曜日の公式合同テストは曇り空の下で行われた。コースは完全なドライで、気温も3月初めの合同テストと似たようなコンディションだったが、路面温度のみは若干低く、また今回はシリーズ唯一の2&4として2輪のロードレースも併催されており、各車ともにタイムが伸び悩んでいた。
テストで4番手タイムをマークしていたロイックも例外でなく、トップタイムとは1秒半近く、大きく出遅れてしまった。一方、テストの時から一新したセットをトライした武藤もタイムが伸び悩み、セットの再考を余儀なくされてしまった。
 土曜日の公式予選は雨のち曇り。午前中に行われた1回目のセッションは完全なウェット、午後の2回目は雨が小止み状態となり、ハーフウェットからラインがドライに変わっていくコンディション。
当然、勝負所は午後のセッションだ。1回目のセッションではベストタイムをマークしたタイミングに黄旗が提示されていて、そのベストタイムを抹消され18番手に沈んでいたデュバルは、午後のセッションでは8番手まで巻き返した。タイム的にはトップから2秒遅れながら、これは遅いマシンに引っ掛かったから。デュバルも「トップ3はともかく4番手には行けたはず。マシンのバランスは最高だった」と手応えを強調していた。
一方の武藤は、午前中のセッションでは7番手に付けたものの、午後のセッションでは午前中のデュバルと同様に黄旗が出されたタイミングでマークしたベストラップを削除され14番手になってしまった。それでもデュバルのベストタイムを上回るタイムを確認できたことで、前日の不安は一掃。ともに翌日の決勝に期待を繋ぐことになった。
日曜日は、拡がる青空の下、朝一番でフリー走行が行われた。2人のマシンは絶好調でデュバルが2番手タイムをマーク、燃費チェックをメインに走った武藤も1分51秒台をコンスタントにマークして8番手につけ、決勝レースでの追い上げが、より現実的になった。
 サポートレースで赤旗が何度も提示され、決勝レースは当初の予定よりも1時間近く遅れてスターとすることになった。
昨年までのマシンに比べてエンジンの最高回転数が引き上げられ、しかも参加台数が22台と大幅に増加したために、スタートシーンの迫力は倍増している。開幕戦では悪天候で見ることはできなかったが、ここ鈴鹿ではドライコンディションに恵まれ、見事なスペクタクルが繰り広げられた。
ただし、これが初めてのスタートシーンとあって、上位グリッドでもミスするドライバーがあり、デュバルはポジションをひとつ落としてスタートしていった。
一方の武藤は混乱に乗じてポジションアップ。我がチームのルーキーコンビはデュバルが9番手、武藤が10番手、と2台が連なってオープニングラップを終えることになった。
 上位陣の中にドライブスルーペナルティやタイヤパンクで後退したマシンがあり、デュバルと武藤は、ともに2つポジションを上げたものの、上位陣は膠着してしまう。スタート直後で燃料も満タンに近く、また全車がニュータイヤでスタートしているために簡単にはパスできない。
そこでチームでは素早い勝負に出ることになった。16周を終えたところでデュバルを、上位陣では最初にピットインさせたのだ。この作戦が的中し、その後何台かがピットインしたがデュバルの後方でピットアウト。デュバルは大きくポジションをアップすることになった。
一方、21周を終えたところで武藤もルーティンのピットイン。ここではチームのスタッフが最高の仕事でサポートする。タイヤ交換とガソリン補給を合わせてもピットストップは13秒余りとデュバルの時よりも5秒近くも短縮、武藤を素早くピットアウトさせることになったのだ。
 ピットロードを抜け、デュバルの直後でコースインすることになった武藤だが、ここで痛恨のオーバーラン。グラベルに捕まることなくコースに復帰することはできたが、先にピットインを終えていたマシン数台にパスされてしまう。だが、そこから武藤の渾身のドライブが始まった。ルーキーらしからぬステディかつアグレッシブな走りで、ミスを帳消しにはできなかったが、それ以上傷口を拡げることはなかった。
 上位陣が全車ピットインを終えたところでデュバルはトップに躍り出る。早めのピットイン作戦が見事的中した格好だ。終盤、雨が落ちてきてペースダウンを余儀なくされたこともあったが、デュバルは首位をキープ。そのままトップチェッカーを受けた。
一方、全車がピットインを終えた時点で9番手辺りを走行していた武藤も、終盤の雨の中でも着実にポジションアップ。6位チェッカーで嬉しいダブル入賞となった。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「今日のようなコンディションのレースでは、何よりもドライバーの力に尽きます。2人のドライバーはルーキーらしからぬ頑張りでチームとしての結果も最高でしたが、素晴らしいレースを見せてくれた全員のドライバーに『ありがとう』と言いたいです」

※ 次戦は、5月26日〜28日栃木県ツインリンクもてぎで開催されます。



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