シリーズ名:2006年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN) |
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23歳のルーキーコンビのFNデビュー
決勝レースは悪天候に翻弄されてしまう |
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31 Loic DUVAL |
予選 11位 決勝 11位 |
32 武藤英紀 | 予選20位 決勝19位 |
06シーズンより、エンジンはホンダ・トヨタの2大メーカーが参加。 ナカジマレーシングはホンダV8を搭載。 |
金・土までは好天に恵まれた富士スピードウェイ。 | ||
日曜日は豪雨と霧。セーフティカーに先導された4週目に赤旗中断。この2周がレース結果となる。 |
デュバル・武藤のルーキーコンビは悪天候に翻弄されるデビュー戦となった。
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新生フォーミュラ・ニッポン(FN)の06年シーズンが、いよいよ開幕した。国内トップフォーミュラとして何人ものステップアッパーをF1GPへと送り込んできたFNだが、今シーズンはハードウェアを一新。さらに多くの有望ルーキーが参戦することになり、オフの間から大きな注目を集めていた。開幕戦の舞台は富士。悪天候にもかかわらず2万人を超える観客が詰めかけ、このシリーズの潜在的な人気を証明することになった。 我がチームは、昨年に引き続いてPIAA NAKAJIMA RACINGとして、この国内トップフォーミュラに参戦する。マシンは昨年までのものと同じ英国のローラ社製だがFNに合わせて専用開発されたニューマシン。エンジンも昨年まで使用してきた3gV8の無限製MF308ユニットに代え、ホンダがインディカーレース(IRL)用をベースに開発した3gV8のホンダHF386Eを搭載。 タイヤもこれまでと同じブリヂストン製のワンメイクだが、フロントが少しサイズアップされると同時にレインタイヤのトレッドパターンが一新されているから、チームにとってはテクニカルな面だけでなく戦略的にも新しいチャレンジとなる。 だが最大のニュースはやはり、ドライバーの一新。2週間前のスーパーGT(S-GT)開幕戦で、すでに我がチームのドライバーとしてお披露目を済ませたロイック・デュバルと武藤英紀、ともに23歳の有望なルーキーを、このFNでもチームドライバーに抜擢。 開幕前のテストから、2人は非凡な速さの一端を見せ始めており、チーム体制発表会で「ルーキー2人ですが、謙遜しすぎることなく、終わってみると(上位に)来ていた、という展開を目指しています」と抱負を述べた中嶋悟総監督の期待に応えてくれそうな予感。 すでにS-GTで国内トップレースにデビューを果たしているだけに緊張感に押しつぶされることもなく、金曜日のテストから、力強く走り始めていた。 その金曜日のテストだが、ロイック、武藤ともに、予想外にタイムが伸び悩み、それぞれ10番手と13番手に留まってしまう。マシンのセットアップを見直して臨んだ土曜日の公式予選でも、2人のタイムは伸び悩んだ。 勝負所となる2回目のセッションでは、なかなかクリアラップが取れずトラフィックに悩まされていたロイックが、最後のアタックで1分27秒0まで詰めて総合で11番グリッドに付けたものの、武藤の方は燃圧系のトラブルに見舞われてしまい、納得できるタイムアタックもできないまま、1回目のセッションでマークした1分27秒500のタイムで総合20番手からのスタートとなってしまった。 ちなみに、22台出走した全車が、これまでのコースレコードを大きく上回るスピードアップぶりを見せるとともに、予選トップから17番手までがタイム差1秒以内にひしめき合う激戦ぶりだ。 金曜、土曜と好天に恵まれてきた富士スピードウェイだが、決勝レースが行われる日曜日は一転して雨。レインセットに変更して臨んだフリー走行で武藤は、マシンにまずまずの手応えを感じたようで、フルタンクで走りながら11番手タイムをあっさりとマークする。 一方のロイックはピットインのシミュレーションを行った後、本格的な走行に入ったところで思わぬハプニング。ヘアピンで水溜まりに足をすくわれてスピンし、エンジンを止めてしまったのだ。オフィシャルに手助けされて押し掛けでエンジン再スタート。ピットまで戻ってくることはできたが、レギュレーションによってその後は走行することが適わず、タイム的には最下位に甘んじることとなった。 それでも、前日に比べるとマシンの手応えは掴めたようで、2人のドライバーはともに、決勝レースでの追い上げを約束していた。 だが、その決勝レースは悪天候に翻弄されることになった。直前に予定されていたF3レースでスタートディレイが繰り返され、当初の予定よりも45分遅れでFNのスタート進行が始まった。 午後3時20分、雨足は相変わらず強く、セーフティカー(SC)によるローリングでスタートが切られた。SCに先導された隊列が4周目に入ったところで、コンディションが一層悪化したとの判断から赤旗が提示されてレースは一時中断。 結局、この第1パートは2周分のみがカウントされ、レースは第2パートとの合算で戦われることになったものの、その第2パートはなかなかスタートが切られない。 10分間のディレイが繰り返された後、午後4時11分に漸く、第1パートと同様SCの先導によるローリングでスタートが切られることになった。 だが、この第2パートも隊列が2周目に入ったところで再度の赤旗中断。2周を周回し終えてないことから第2パートはノーカウント。 再度、仕切直しの第3パートが行われることになったが、すでに午後5時近くなってしまい、結局第3パートは再開されることなく、第1パートの2周分で成績が決定。 ロイックはグリッド通りの11位で、一方の武藤は、反則によりタイム加算されたマシンがあって、グリッドよりひとつポジションが繰り上がった19位で、悪天候に翻弄されたデビュー戦を終えることになった。 |
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■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント |
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※ 次戦は、4月14日〜16日三重県鈴鹿サーキットで開催されます。 | |||