シリーズ名:2005年オートバックス・スーパーGTシリーズ(S-GT)
大会名:第3戦・JAPN GT CHAMPIONSHIP MALAYSIA
距離:5.542km×54周
予選:6月25日 晴れ・観衆: (未発表)
決勝:6月26日 晴れ・観衆:4万3579人(主催者発表)

これまでのコースレコードを更新するスーパーラップでフロントローを獲得
決勝では表彰台圏内で激しいバトルを展開、一歩及ばずも開幕戦と同じく5位入賞

32 EPSON NSX  予選2位 決勝5位

EPSON NSX は予選のスーパーラップで2位のタイムを叩き出す。

スーパーラップのタイムにピットも笑顔がこぼれる。
渾身の走りを見せたロッテラー選手。 ドライバーが乗り込む直前まで、車内を冷やす。
首都圏なども梅雨の中休みとなった6月25〜27日、マレーシアはクアラルンプール郊外にあるセパン・サーキットでSuper GT第3ラウンドが行われた。
意外なことにスコールもなく快晴続きの週末となり、最高気温は40℃を超え、路面温度はゆうに50℃を超える猛暑・酷暑のコンディションの中、4万人を越える観客が詰めかけ、世界最高のハコ車レースを、心行くまで楽しんでいた。
 開幕戦での5位入賞後、テスト&実戦を重ねるたびにデータが蓄積されてきているEPSON  NSXは、そろそろ勝負モードに入ろうかといったところ。ダンロップは以前からオフシーズン・テストの場に選ぶなど、このセパン・サーキットを知り尽くしている。
また我がチームも、ここセパンではGT/フォーミュラ・ニッポンともに過去に好成績を残してきており、スタッフも気合充分だった。
 スタッフは週明けにはマレーシア入りした。時差は1時間だけだが気候が完全に違っていて"暑さ"に慣れる目的もあったが、今回はさらにエンジンの載せ替え作業もあり、普段よりはハードな仕事初めとなった。
エンジンの載せ替えに関しては、ホンダで時間を惜しまず最後まで開発が続けられたもので、マシンの船積みに間に合わなかったものを空輸、現地でマシンに乗せるという荒技だが、ホンダ陣営の意気込みが窺える。
ちなみに、開発担当をかねるホンダ・レーシングの8号車は、今回からNA仕様にコンバートされている。
マレーシア・ラウンドの結果如何によっては、我がチームも当然、これに続くことが予想されていたから、この8号車のパフォーマンスに対してスタッフも関心を寄せている。
 マシンの準備を終え、全チームが一斉に走り始めたのは金曜日の公開練習から。
早朝から蒸し暑く1回目のセッションが始まる午前11時半には早くも気温35℃/路面温度44℃と、国内では真夏のコンディションとなる。
この1回目のセッションはトップから1.6秒遅れの9番手、午後4時過ぎから始まった2回目のセッションでは1回目に比べて1秒以上タイムアップしたものの、他チームのタイムアップぶりも目覚ましく、総合結果ではトップから1.7秒差の13番手に後退、タフな週末となることが予想された。
しかし、土曜日の公式予選までに施したセッティングの変更が功を奏し、大きくタイムアップを果たすことになった。午前11時から行われた1回目の予選で、タイムアタックを担当したロッテラー選手は6番手に付けて午後のスーパーラップに進出を果たすと、午後のスーパーラップでは、これまでのコースレコードを更新するスーパーラップで2番手に進出、フロントローのグリッドを奪うことになったのだ。
タイム的に見ると新しいNAエンジンを搭載したGNSXを駆ってトップタイムをマークしたラルフ・ファーマン選手とはコンマ9秒近い差があり、後続とは僅差だったから、決勝レースでは2番手争いが激しくなるであろうことは、容易に予想できた。
 土曜日までと同様に日曜日も、薄曇りで明けたものの走行セッションが始まる頃には雲ひとつない快晴。気温もぐんぐんと上昇していきセッションが終了することには40℃近くなる。
いくつかのサポートイベントやピットウォークを挟んで決勝は午後4時スタートだったが、この時点でも気温は34℃、路面温度は53℃もあり、ドライバーにもマシンにも、厳しいコンディションとなっていた。
2番手のポジションから好スタートを見せたロッテラー選手だったが、1周目にスープラの飯田章選手に、2周目の1コーナーではZの本山哲選手にパスされてしまう。ただしタイヤが温まってきてからのドライビングは万全で、本山選手にかわされた飯田選手を相手に、テールtoノーズ、そして時折はサイドbyサイドの超接近戦を演じることになる。
勿論相手はベテランのトップドライバーだけに、簡単には付け入る隙を与えてはくれなかったが、15周目に最終コーナーへのアプローチで、僅かな隙をついてインを差してパッシングに成功する。その後ロッテラー選手はさらにペースを上げ、トップ2を目指して猛チャージを掛けていった。ただしポールから飛び出したファーマン選手と、2番手の本山選手はともにペースが速く、ロッテラー選手もなかなか簡単には詰めることができないまま、レースは若干膠着状態となって中盤戦を迎えることになった。
23周目を終え、脇阪選手が上位陣では先頭を切ってピットイン。続く24周を終えたところでトップを行くファーマン選手とロッテラー選手もピットイン。
チームスタッフにとっては腕の見せ所となる。
我がチームのスタッフも完璧な仕事で、代わった松田選手を送り出したが、ガソリン補給に時間が掛かるNSX固有のウィークポイントもあり、ピットストップが一段落した時点では2台のスープラにかわされて5位にポジションダウンしていた。
松田選手の前を行くのは飯田選手から代わった脇阪寿一選手。ロッテラー選手が飯田選手に猛チャージを掛け続けたように、松田選手も脇阪選手を猛プッシュ。だが、チャンピオン経験者の脇阪選手も、やはり簡単にはスキを見せない。
この2台のバトルは、最後の最後まで続けられたが、お互いにノーミスのまま、コンマ8秒差でチェッカーとなった。
●EPSON NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント
開幕戦と同じく5位入賞に終わりましたが、内容的には充分評価できるレースになりました。
唯一、アンドレ(・ロッテラー選手)のピットインのタイミングを、もう少し早めていたらどうなったか、との思いもあります。
ダンロップ・タイヤの特性も充分理解できたと思いますし、次に繋がるレースになりました。
何よりも、2人のドライバーも含めてチームが素晴らしい仕事をしたのは事実だと思います。
皆様方には、これまで同様、我がEPSON NAKAJIMA RACINGに、ご声援いただけるよう、よろしくお願いします。
※次戦は、7月22日〜24日、宮城県スポーツランド菅生で開催されます


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