シリーズ名:2005年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第8戦・ツインリンクもてぎ
距離:4.801km×62周
第11回公式合同テスト:10月21日 晴れ ・観衆: − 人( 未発表 )
予選 :10月22日 雨時々曇り ・観衆: 6000人(主催者発表)
決勝 :10月23日 曇り時々小雨、のち晴れ・観衆:1万9000人(  同  )

2回ピットインでハイペースで周回を重ねた小暮が9位完走
フロントローからスタートしたロッテラーは、トップ争いを展開するもスピンでリタイア
31 Lotterer

予選 2位 決勝リタイア

32 小暮 卓史 予選12位 決勝9位
公式予選は完全なウェットコンディションとなる。 ロッテラー選手はポールの本山選手と1000分の6秒差の2位。

予選12位の小暮選手は2回ピットイン作戦で上位を狙う。

レース中1分40秒台を維持、見事な追走劇を見せたが、結果は9位。
10月21〜23日、栃木県にあるツインリンクもてぎでは、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)のシリーズ第8戦が開催された。決勝レースが行われた23日(日曜日)には天候も持ち直し、秋空が拡がる絶好のコンディション。詰めかけたファンは、関東圏のラストバトルを心行くまで楽しんでいた。
公式予選は雨になる。朝一番で行われたF3の公式予選途中から本降りとなり、FNの公式予選1回目は、スタート前にWET宣言が出される完全なウェットコンディション。公式合同テストからマシンのセットをウェット仕様に変更して臨むことになる。
ロッテラー選手は、午後のセッションでは大きくタイムアップ。
ファイナルラップのラストアタックで1分52秒130まで詰めてトップに立つ。その直後に本山哲選手にかわされ2番手に後退したものの、タイム差は1000分の6秒とまったくの互角。決勝へと期待を繋いだ。
一方の小暮選手は、1回目のセッションで電気系がおかしくなり、僅か4周したのみ。午後のセッションでは1.5秒差まで巻き返したものの、総合順位では12番手グリッドに甘んじることとなった。
 決勝が行われた日曜日は、朝一番で行われたフリー走行こそウェットコンディションだったが、天候は確実に回復の方向にあり、すぐに青空が拡がってくる。
そして、いつものように大盛況となったピットウォークが行われる頃までには、コースも完全なドライコンディションへと変わっていった。
そのピットウォーク時には、もてぎ特製の入門用ミニ・フォーミュラ…モテラを使っての、往年のトップドライバー数名によるアトラクションの模擬レースが行われ、我が中嶋総監督が優勝し、決勝に弾みをつける一幕もあった。
予選や朝一番のフリー走行と、決勝のコンディションが一転したこともあって、決勝レースのスタート前には10分間のフリー走行が実施された。
ここでもロッテラー選手は快調で、トップと100分の3秒差で2番手につける。一方の小暮選手はマシンのフィーリングチェックと決勝用タイヤの皮むきに専念、敢えてタイムアタックは行わなかった。
予定より10分遅れて午後2時25分にフォーメーションラップがスタートする。そして1周回ってきた後に正規にスタートが切られた。
ダッシュの良し悪しもあり、後方グループではグリッド順とは若干異なるオーダーで1〜2コーナーを立ち上がっていったが、トップ2は順当にオープニングラップを終えることになる。ロッテラー選手はトップを逃げる本山選手に猛プッシュ。テールtoノーズの接近戦を繰り広げながら、後続をじわじわと引き離していった。
ロッテラー選手は、6周目にはその時点でベストタイムとなる1分42秒040をマークするなど、本山選手に食らいつきながら序盤戦を終えたが、10周を過ぎた辺りから本山選手もペースアップ。
トップ争いは一進一退の攻防戦を見せるようになった。そんな矢先、ロッテラー選手は13周目のV字コーナーで攻めすぎたかスピンアウト。グラベルに捕まってしまい万事休す。レースも3分の2を残したところで呆気なくレースを終えることになった。
 一方の小暮選手は見事な追走劇を見せつけることになった。
スタート直後に2つポジションアップし、10番手でオープニングラップを終えると、1台、また1台と先行するマシンをパス。11周目にはポイント圏内の6位。17周目にはタイトル争いを演じている井出有治選手をパスして3位の表彰台圏内へと進出した。
実は小暮選手は総監督やエンジニアと相談の上で、今回の決勝レースに関しては2回ピットインの作戦を取っていた。
トラブルに見舞われたこともあって予選で下位に低迷することになったことが、この作戦を取る切っ掛けとなったのは事実だが、シミュレーション上では上位入賞も充分に狙える作戦だった。
 だが、スタート直後、目覚ましい追い上げを見せたものの、先行車をパスするためのタイムロスは予想以上に大きく、結果的にはシミュレーション通りの展開とはならなかった。
2位まで追い上げてはピットイン、を2度繰り返したものの、最後のスティントでは接近戦を演じていた服部尚貴選手と野田英樹選手、2人のベテランを抜きあぐねてしまい、9位でチェッカーを受けるのが精一杯だった。
それでも、中盤から終盤に掛けて、ほとんどのラップで1分40秒台のハイペースを維持。何台も何台も先行車をパスした小暮選手が、この日のヒーローの一人となったのは明らか。
小暮選手がチェッカーを受けた際の、スタンドを埋めたファンからの喝采の大きさが、何よりもそれを証明していた。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
小暮選手の2回ピットは、シミュレーションを重ねた末の作戦でした。ただし、序盤の混雑した中ではペースが制限されてしまったし、先行するマシンをパスする際のタイムロスも小さくなかったですね。
あと、ロッテラー選手は、通常の、ピットインは1回きりの作戦でしたが、彼が早々に脱落したのも予想外でした。
彼が、そのまま2位で走り続けていたら、本山選手がピットインするタイミングも、また違ってきたかもしれません。でも、結果的に、2回ピットインの作戦は失敗でしたね。
次回は最終戦。予選からキッチリとした組み立てで上位グリッドを奪い、正攻法で有終の美を飾りたいと思っています。
皆様方には最後まで、我がPIAA NAKAJIMA RACINGにご声援を、よろしくお願いします。

※ 次戦は、11月25日〜27日 三重県鈴鹿サーキットで開催されます。



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