シリーズ名:2005年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第5戦・鈴鹿サーキット
距離:5.807km×51周
第8回公式合同テスト:7月1日 曇り一時雨・観衆: − 人( 未発表 )
予選 :7月2日 曇りのち雨・観衆: 8500人(主催者発表)
決勝 :7月3日 曇りのち雨・観衆:1万5000人(  同  )

雨の中、臨機応変な作戦変更で快走した小暮が2位表彰台を獲得
スタートでジャンプアップを狙ったロッテラーは、アクシデントで惜しくもリタイア
31 Lotterer

予選 5位 決勝リタイア

32 小暮 卓史 予選 8位 決勝2位
梅雨の最中、やはり第5戦もウエットレースとなる。
小暮選手は混乱のレースの中、50周目までトップを守るが。。

スタート直後のアクシデントでリタイアとなったロッテラー選手。

小暮選手は2位獲得。今季3度目の表彰台。
 梅雨前線が、今年最初の猛威を奮い、各地から豪雨のニュースが聞かれることになった7月1〜3日、国内モータースポーツのメッカである鈴鹿サーキットでは全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)のシリーズ第5戦が開催された。
空梅雨か? と騒がれ、実際、地域によっては渇水の懸念さえあったが、やはり梅雨は梅雨。
この週末も、日射しが差すことはほとんどなく、空は厚い雲で覆われていた。そして一部のセッションを除けば、ウェットコンディションで戦われた。
それでも、全9戦シリーズの、これが折返しとあって熱心なファンが数多く詰めかけ、水煙を巻き上げてのホットバトルを心行くまで堪能していた。
走り始めとなったのは金曜日(7月1日)の公式合同テストから。いかにも梅雨らしい空模様で、午前中の1回目が小雨/ウェット、午後の2回目が曇り/ドライ、と2回のセッションはコンディションが一転した。
ウェットコンディションでの走りでは、2人は快調に周回を重ねロッテラー選手が2分02秒231、小暮選手が03秒315をマークしてトップ2を独占。上々の走り出しとなった。
予選/決勝は雨が予想されており、1回目のセッションでのトップ2独占は、スタッフも含めてチームの雰囲気を大いに盛り上げることになった。
土曜日(2日)の公式予選も1回目がドライ、2回目がウェットと、コンディションが分かれた。
当然結果的には1回目のセッションで総てのグリッドが決定することになったが、トップから8番手までがコンマ5秒差の中にひしめき合う混戦の中、ロッテラー選手はグループの中団、5番手のグリッドを得たが、小暮選手の方はラストアタックした際にコースの一部で黄旗が提示されていて、そこでマークした6番手タイムが不採用となり、2つポジションを落として8番手グリッドからのスタートとなった。
2回目、雨のセッションのタイムは、結果的にグリッドには何の影響も及ぼさないものとなったが、2人とも快調に走って好タイムをマーク。雨が予想されている本番に向けて、チームの士気は一層高まることになった。
 日曜日(3日)も降ったり止んだりの繰り返しだったが、FNの走行セッションは総てウェットとなる。朝一番のフリー走行で、2人のドライバーは相変わらず好調。小暮選手が唯一人2分08秒台のトップタイムをマーク。井出有治選手を挟んでロッテラー選手も3番手タイムをマーク。ウェットコンディションでのアドバンテージを改めて証明することになった。
 午後になって雨の量が増し、セミファイナルのF3レースではフォーメーションラップでアクシデントが発生してスタートディレイとなるなど、タイムスケジュールは押していったが、予定より約20分遅れでスタート進行が始まった。
そして1周のフォーメーションラップの後、午後2時49分に正規のスタートが切られた。フロントローの2台、本山哲選手と平中克幸選手が、揃ってダッシュに少しもたつきを見せる間に後続が迫っていく。
抜群の好ダッシュを見せたロッテラー選手は、アウトサイドから本山選手をパスしようとしたが、本山選手が少しこれを牽制するような動きを見せたために、今度は反対にインからパスしようとステアリングを切った。
だが、その直後に、後方からまずまずのダッシュを見せてスピードを乗せてきていた松田次生選手と接触。
真横を向いたロッテラー選手はストレートを、ピット側に向かってコース横断するような格好でブノワ・トレルイエ選手と絡んでクラッシュ。早々にレースを終えることになった。
一方8番手グリッドから、これも好ダッシュを見せた小暮選手は、前方での混乱を上手くすり抜けて、1コーナーには3番手でアプローチ。我がチームの2人のドライバーが、まさに明暗を分けるスタートシーンとなった。
スタート直後のアクシデントでセーフティカーがコースイン。3周を終えたところでリスタートが切られ、ようやくレースが再開した。
上位陣のオーダーは井出選手、本山選手、小暮選手、そして平中克幸選手がトップ4を形成。
5番手以降のグループでは、スピンが相次いだこともあり、またペースの違いもあって、トップ4との間隔が大きく空くことになる。
今回のレースは51周。通常ならば1回のピットストップが必須だが、ウェットコンディションのレースとなるとタイヤも燃料も、場合によっては無交換/無補給で走りきることができる。そのために、各々のチームでどんな作戦を執ってくるのかも興味深いところではあったが、我がチームでは『展開によってはノーピット(タイヤ無交換/燃料無補給)もありうる』と決めていた。

路面のウェットコンディションが好転すれば、タイヤ無交換ではきつくなるし、タイヤ交換のためにピットインするのであれば、当然燃料も給油できる…。そんな様々のシミュレーションの末に下した結論だったが、3番手で周回を続ける小暮選手は、序盤は2分12秒台でコンスタントにラップを重ねていく。
そして10周を過ぎた辺りからは少しペースアップして10秒台後半から11秒台前半、20周を過ぎた辺りからは2分9秒台に入れ、まるで計ったように正確なペースでレースを進めていった。この間、34周を終えたところでトップの井出選手がピットイン。
ガソリンを補給、タイヤ4本を交換して5番手でピットアウトしている。代わってトップに立った本山選手も、41周を終えたところでピットインしたが、こちらは燃料を少し補給しただけでピットアウト。小暮選手の約1秒後ろでレースに復帰した。小暮選手の燃料が保つのか…。
場内の関心が高まってきたところでシケインでアクシデントがあり、セーフティカーが再度コースイン。
5周に渡ってローリングラップが続けられた。これで燃料も問題ない。ピットではそう判断し、ノーピット作戦が徹底された。小暮選手も、最後の力を振り絞って本山選手を突き放そうとする。
だが、3度もチャンピオンに輝いたベテランの前にプレッシャーが高まっていったか、残り1周半となった50周目のデグナーで、小暮選手は僅かにブレーキロックさせてタイムロス。
これをベテランが見逃すはずもなくヘアピンまでにはポジションが逆転してしまう。再び本山選手に猛チャージを掛けた小暮選手だったが、再逆転は適わなかった。
それでも、堂々の2位チェッカーで、菅生以来、今季3度目の表彰台。小暮選手はランキングでも4位に進出した。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
チームにとっても小暮にとっても、また悔しいレースになってしまいました。
でも、一番悔しがっているのはドライバー自身だと思います。この悔しさをバネに、後半戦でさらに上位を目指して欲しいですね。
アンドレ(・ロッテラー選手)は、戦う以前にレースが終わってしまいました。今日の展開を見ていれば彼にも充分なチャンスがあったと思います。それだけに残念です。
 早くもシリーズは後半戦に入りました。ここまで、思うようなレースにすることができませんでしたが、気持ちを切り替えて後半戦に臨もうと思います。
皆様方には引き続き、我がPIAA NAKAJIMA RACINGに、ご声援をよろしくお願いします。

※ 次戦は、7月29日〜31日山口県MINEサーキットで開催されます。



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