シリーズ名:2005年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN) |
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ポールポジションからスタートした小暮が、天候に翻弄されながらも3位入賞!
トラブルに足をすくわれるも、それを跳ね返したロッテラーは9位完走 |
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31 Lotterer | 予選 7位 決勝 9位 |
32 小暮 卓史 | 予選 1位 決勝3位 |
小暮選手は自身が持っていたレコードを1.5秒も更新し堂々のポールポジションを獲得した。 | ウエットスタートとなった決勝、好スタートを切った小暮選手。 | ||
決勝直前に降った雨は、ダミーグリットに付いた時はやんだものの上空は不安定。各チームセットに悩む。 |
ロッテラー選手はトラブルで3回のピットイン。9位完走。
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賑わいを見せた黄金週間も過ぎ、街中もようやく落ち着きを取り戻した5月13〜15日、宮城県にあるスポーツランドSUGOでは、全日本選手権フォーミュラ・ニッポンのシリーズ第3戦が開催された。 桜前線はずっと以前に通り過ぎていたはずだったが、大陸から張り出してきた寒気団の影響で、合同テストが行われた13日(金)は雨、公式予選日の14日(土)は曇り空だがまるで花冷えのような一日となった。 だが、決勝が行われた15日(日)は太陽が戻ってきて少し寒さも緩み、スポーツランドスSUGOには、国内トップフォーミュラによる年に一度の東北決戦を楽しみにしていたファンが詰めかけ、スタンドを埋めていった。 ここスポーツランドSUGOは、シーズンオフの間にコースが改修されており、コースレイアウト自体には変わりないものの路面は一新されていた。 FNでは全チームが、レースウィークに入ってから初走行となる。そのために、走り始めとなる金曜日(13日)の合同テストに向け、数多くのメニューを用意してのサーキット入りとなったが、生憎の雨模様。 ドライでの初走行は土曜日(14日)の公式予選までお預けとなる。もちろん、雨なら雨でもメニューは盛り沢山。1ヶ月のインターバルでFNをドライブすることになった2人のドライバーも、スタート前から気合充分だった。 その雨の公式合同テストから、2人のドライバーは絶好調。走り始めからマシンのセットアップを進めながらもアタックをかけた小暮選手は、1回目のセッションでトップタイムをマークすると、2回目でも2番手につけて好調さをアピール。チームメイトにつられたかのようにロッテラー選手も小暮選手に続き、上々の滑り出しとなった。公式予選が行われた土曜日も、黒い雲が空を覆っていたものの路面はドライ。 ただし路面温度が低く、タイヤには厳しいコンディションだった。通常、公式予選では各ドライバーが牽制し合うかのように、セッションの中盤までは走行を控えるケースも少なくなかったが、これがドライでの走り始めとあって、セッション開始の合図とともに全車一斉にコースイン。 精力的に周回を重ねていった。結果的に何度か赤旗が提示されてセッション中断となったが、2人のドライバーは、もろにその悪影響を受けることになった。タイヤを交換してピットアウトしていったのを見計らったように赤旗が出される! それでも、ロッテラー選手はアタックし直してセッショントップタイムをマークできたものの、小暮選手の場合は、ファイナルアタック、それもベストドライビングで最終コーナーを立ち上がったところで無情の赤旗!! データ的にはロッテラー選手がマークしていたセッショントップタイムを大幅に更新するペースだっただけに、ピットではスタッフからため息が漏れてしまった。 それでも、モチベーションを途切れさせることなく2回目のセッションに臨んだ小暮選手は、誰よりも速い1分09秒320をマーク。自身が持っていたこれまでのレコードを1.5秒以上も更新するスーパーラップで、また新たにレコードホルダーとして名乗りを挙げることになった。 一方、午後のセッションでロッテラー選手は自己ベストを更新することが適わず、1回目のトップタイムで7番手グリッドから、決勝をスタートすることになった。 前日までとは一転、日曜日は青空が拡がる好天で明けた。ただし、一部には雲が残り、その動きも早かったから、安心するわけには行かなかった。 フリー走行は完全なドライコンディションで行われ、小暮選手は3番手と、まずまずの速さを見せた。ただし、決勝の作戦を探っているのか、各チームともに1台が速く1台は遅い、というパターンで、我がチームでも燃料を多く搭載して走ったロッテラー選手は最下位のタイムに甘んじてしまった。もっとも、マシンのフィーリングは上々とのコメントもあり、決勝が楽しみになってきた。 セミファイナルのF3レースが終了した途端に、にわか雨が降り、コースは完全なウェットコンディションに逆戻り。急遽10分間のフリー走行が実施されたが、それが終了する頃には雨も小降りになり、各車がダミーグリッドに勢揃いした時には完全に上がっていた。それでも路面は完全なウェットで、レインタイヤでのスタートは全車同じ。そこから先の"読み"はチームによってまちまち。晴と読むかどうかがレースの綾をなすことになった。スタートで好ダッシュを見せたのは小暮選手。絶妙のタイミングでポールポジションから飛び出すと、タイヤの水煙を上げながら、一気に後続を引き離しに掛かった。一方、7番手 からスタートしたロッテラー選手も一気にジャンプアップ。3つポジションを上げ、2番手スタートから後退した本山選手をもパス、4番手でオープニングラップを終えている。 そこからしばらくは、小暮選手が後続をじわじわ引き離していく展開となる。スタート直後から2番手には山本左近選手がつけていたが、3周目にはブノワ・トレルイエ選手が山本選手をパス。 その時点で3秒以上あった小暮選手のアドバンテージは10周を過ぎた頃には1秒弱まで減っていったが、そこから先は小暮選手が踏ん張り、24周目には逆に5秒差まで突き放すことになる。 その後方には7周目に山本選手をパスしたロッテラー選手が進出してきていたが、彼はトラブルが発生したこともあって、上位陣の中ではいち早く、15周目にピットイン。これで本山選手が3番手まで進出していた。25周目、ピットインしたトレルイエ選手に代わって本山選手が2番手に復帰。小暮選手のリードは8秒強もあったが、本山選手のペースは速く、着実に追い上げてくる。 実は、ウェットコンディションが長く続くと読んだチームでは、レイン仕様に振ったセットで小暮選手をスタートさせたが、コースは見る見る乾いていき、小暮選手にとっては苦しい展開となってしまったようだ。 28周を終えたところで本山選手がピットインしてドライタイヤに交換する。一方、レインタイヤで頑張った小暮選手も、その2周後にはピットイン。ドライタイヤに交換して出ていったが、セッティングまでは変更することができず、さらに厳しい戦いが待っていた。ピットアウトしていった周には、タイヤも温まっていなかったせいか、珍しく馬の背でスピンしてタイムロス、4番手までポジションを下げてしまう。 その後、トップに立ったトレルイエ選手がスピンで自滅。またレインタイヤで最後まで頑張っていたヤレック・ヤニス選手もタイヤ交換のためピットインし、小暮選手は2位にまで返り咲くが、トップを快走する本山選手のペースには届かない。 さらに後方からはライアン選手が猛プッシュを続けており、両者の間隔は見る見る詰まっていった。 レースも残り10周となった辺りでライアン選手にテールを脅かされるようになった小暮選手も、何とか踏ん張って、一度は1〜2コーナーをサイドbyサイドで行く攻防戦を見せたものの、勢いの差は如何ともし難く、73周目にはライアン選手の先行を許してしまう。 その後はポジションキープの作戦に切り替えて、80周を走りきり、前回に続いて3位入賞を果たすことになった。 一方、早めにドライタイヤに交換していたロッテラー選手は、その直後から好タイムを 連発していたが、再びトラブルに見舞われてしまい、またしてもピットに。 都合3回もピットインすることになり上位入賞の望みは絶たれてしまったが、彼もまた最後まで力走を続け、9位でチェッカーを受けた |
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■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント |
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※ 次戦は、6月3日〜5日静岡県富士スピードウェイで開催されます。 | |||