シリーズ名:2005年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第2戦・鈴鹿サーキット・鈴鹿2&4レース
距離:5.807km×51周
第4回公式合同テスト:4月15日 快晴・観衆: − 人( 未発表 )
予選 :4月16日 快晴・観衆:1万9000人(主催者発表)
決勝 :4月17日 快晴・観衆:3万4000人(  同  )

好タイムを連発、2回ピットインの作戦で猛追した小暮が3位表彰台を獲得!
4番手グリッドから着実に追い上げたロッテラーはアクシデントでリタイアに
31 Lotterer

予選 4位 決勝 リタイア

32 小暮 卓史 予選 7位 決勝3位
2回ピット作戦の小暮選手。 見事3位入賞を果たす。

12台のマシンを抜いた32号車に観客は大喝采。

ロッテラー選手は惜しくもリタイア。
咲き遅れていた桜も、初夏を思わせる陽気で一気に開花し、見る見る散り始めていった4月15〜17日、三重県にある鈴鹿サーキットでは、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)のシリーズ第2戦が開催され、土曜・日曜の週末2日間で5万人を越えるファンが詰めかけた。
金曜のテストは快晴に恵まれた。今回は2輪と同時開催となることで、コースコンディションがいつものレースとは違っていたこともあり、2人のドライバーはともにタイムアタックよりもセットアップのメニューを消化していくことに専念。
ポジション的にはロッテラー選手が6番手、小暮選手が9番手に止まっていたが、マシンのフィーリングがまずまずのレベルとなったのは大きな収穫で、翌土曜日の公式予選に期待が繋がることとなった。
 公式予選が行われた土曜日も、引き続いて快晴に恵まれた。午前と午後に、それぞれ45分間のセッションが1回ずつ設けられていたが、いずれも2輪の走行セッションの直後とあって、各チームともに、先ずは様子見から入っていくパターンとなった。
そして1回目のセッションでは先陣を切ってコースインしたマシンがクラッシュするハプニングもあり、各車がコースインしたのは終了15分前を過ぎてから。
僅か10分強の"超"スプリント・セッションとなり、事実上は午後の2回目、45分間が勝負所となった。その午後のセッションでは各車がセッションのスタート直後から精力的にアタックを繰り返す。
だが、FNマシンが走り込むことでコース上にラバーが乗り、タイヤのグリップがアップすることには変わりなく、ここでもラスト10分、最後のアタックでグリッドが決定することになる。
2人のドライバーも、やはりセッションの最後にベストタイムをマークしたが、ローダウンフォース仕様で臨んだロッテラー選手は、シケインでのブレーキングに手こずりながらも4番手タイムをマーク。
一方の小暮選手は、トップからコンマ5秒差の7番手となった。
 日曜日も快晴で明けた。朝一番に2輪のフリー走行があり、FNのフリー走行、F3とワンメイクレースの決勝、ピットウォークと盛り沢山のプログラムが用意されており、FNの決勝レースは、セミファイナルとなる2輪の決勝レースが終わってから。
午後2時にはスタート進行が始まり、約30分後には正規のスタートが切られることになった。ロッテラー選手は順当なスタートで4番手のポジションをキープしていたが、7番手グリッドから好ダッシュを見せた小暮選手は、そのロッテラー選手の直後までジャンプアップ。
5位でオープニングラップを終えることになる。実は小暮選手は2回ピットインの作戦でスタートしており、燃料タンクに搭載したガソリンの量も少な目だったから、ライバルが重い車重と格闘している間に先を急ぎ、アドバンテージを築いておく必要があった。もちろん、その作戦を知らされていたロッテラー選手は小暮選手を先行させたが、小暮選手はなおも上位陣に襲い掛かり、3周目には片岡龍也選手をパス。
5周目には1コーナーでブノワ・トレルイエ選手を、さらにシケインでは松田次生選手をかわし、見る見るうちにトップにまで進出した。なおも小暮選手はペースを緩めることなく先を急ぎ、2位の松田選手との差を、約10秒にまで拡げ、15周を終えたところでピットイン。ガス補給とタイヤ交換を終え、10番手で復帰した。
 一方、1回ピットインの作戦を執ったロッテラー選手は、小暮選手よりはずっと多くの燃料を搭載しており、彼ほどのハイペースで追い上げることは不可能だったが、前を行く片岡選手を猛プッシュし続けた。そして14周目のシケインで何とかこれを果たすと、次は約5秒先行していた松田選手を猛追に掛かった。
じわじわと着実に、松田選手との間隔を詰めていったロッテラー選手だったが、約3秒差まで追いついたところで松田選手がピットインし、このバトルは小休止となる。そして2周後にロッテラー選手がルーティンピットを行い、松田選手の後方でレースに復帰したところで、バトルの第二幕が始まることになる。
 上位陣が1分50秒台後半で周回する中、49秒台のハイペースでプッシュし続けた小暮選手は、10周の間に2番手まで復帰した。この時点で、トップを逃げる井出有治選手との差は20数秒もあったが、相変わらず49秒台半ばで猛プッシュを続けた小暮選手は、見る見るトップに迫っていく。スタンドを埋めた観客もやんやの喝采を送っていたが、約15秒差
まで詰めたところで小暮選手は2回目のピットインを行い、今度は7番手で再スタートしていく。
 ロッテラー選手と松田選手のバトルは、なおも続いていた。そしてバトルを続けながら、序盤でタイヤ交換に入ったために、終盤に入ってタイヤが厳しくなり、ペースアップできないでいたトレルイエ選手に追いついて行く。
そして2人のバトルは、トレルイエ選手も呑み込んだ三つ巴のドッグファイトへと変わっていった。そんな状況が続いた36周目、シケインで意を決したように松田選手のインを刺したロッテラー選手だったが、直後に両者は接触。松田選手は姿勢を乱しただけで最終コーナーへと向かっていったが、不運なことにロッテラー選手はコースサイドのグラベルに捕まってしまい、その場でリタイアとなる。
 一方、ライバルを圧倒するハイペースで周回を続けていた小暮選手は、終盤もペースを緩めることなく猛プッシュし続けた。そして本山哲選手とトレルイエ選手を再び抜き返し、3位に進出。さらにハイペースのまま先を急いだが、2位の松田選手までは届かなかった。
それでも、3位でチェッカーを受けた小暮選手に対してスタンドの観客からは、上位2人に優るとも劣らない大きな拍手が送られ、この日の健闘を称えられることになった。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
結果的には2人とも、自分よりも遅いペースで周回していたにもかかわらず、前を行くマシンを抜くのに手間取ってしまい、シミュレーション通りの結果とはなりませんでしたが、でも、2人のドライバーもスタッフも、全員が完璧な仕事をしたと思います。
開幕戦では、マシンの速さで後れを取っていましたが、今回は、随分と速いマシンを仕上げることが出来ました。
次回、菅生は相性のいいサーキットなので、是非とも2台揃って上位入賞を狙っていきます。
引き続き、我がPIAA NAKAJIMA RACINGに、ご声援をよろしくお願いします。

※ 次戦は、5月14日〜15日宮城県スポーツランド菅生で開催されます。



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