シリーズ名:2005年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN) |
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セットを詰め切れず、またレースアクシデントとも遭遇した開幕戦
ロッテラーが粘った末に11位完走。小暮はリタイア |
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31 Lotterer |
予選 12位 決勝 11位 |
32 小暮 卓史 | 予選 10位 決勝リタイア |
05年シーズンがツインリンクもてぎで開幕! |
予想外の下位グリッドからのスタートとなった2台。 | ||
ロッテラーは随所でサイドbyサイドの戦いを繰り広げ、レースを盛り上げたが。。。 |
開幕戦はノーポイントで終わる。
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春らしい穏やかな気候に恵まれた4月2〜3日、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)が栃木県茂木町にあるツインリンクもてぎで開幕。 トップフォーミュラのオープニングゲームとあって、待ちかねていた多くのモータースポーツファンは早朝からサーキットに詰めかけ、繰り広げられる高速バトルを楽しんでいた。 開幕前の合同テストは、鈴鹿サーキットと、ここツインリンクもてぎで実施され、2人のドライバーが、まずまずの手応えを感じるところまでマシンのセットアップが図られていたが、今シーズンはレース距離が最大300kmまで延長されるとともに、燃料タンクのガソリン搭載量が、昨年までより2割方多く認められている。 また、タイヤも仕様変更されるなど、レギュレーションやハードウェアが幾分変更されており、現実的なチーム間の力関係は、やはり開幕戦のふたを開けてみるまで分からない。 そんな状況の中、4月1日(金)にはこれが今シーズン3回目の、そして開幕直前となる公式合同テストが実施されることになった。 このテストは午前と午後、各々1時間ずつの走行セッションが設けられていたが、ともに快晴/ドライと絶好のコンディションとなり、多くのマシンが昨年の記録に比べて大きくタイムアップ。 小暮選手も昨年の第9戦でマークしていた自己ベストを更新し、総合4番手につけたが、ロッテラー選手はタイムが伸び悩み、7番手に止まってしまう。トップとのタイム差はコンマ7秒で、翌日の公式予選に向け、スタッフは新しいセットを探ることになる。 土曜日の公式予選は午前と午後。いずれも45分間のセッションが2回行われる。午前のセッションは11時から始まった。前日の走行で、思ったようにタイムが伸びなかったロッテラー選手はマシンのコクピットに納まったまま待機し、開始から5分経ったところで最初のアタックにピットを後にした。そして3周目に1分36秒407をマークしてモニターのトップに名を刻んだ。赤旗中断を挟んでさらに2回のタイムアタックを行い、35秒台に入れることに成功。ただしポジション的には8番手に止まってしまう。 一方の小暮選手はセッションが開始してもしばらくは、マシンに乗り込まずにピットで待機。赤旗中断の後に2度タイムアタック。彼も35秒台には入れたものの、ロッテラー選手の直前、7番手に止まり、午後の挽回を期して、チームでは更なるセットの追求にとり掛かった。 午後のセッションは3時25分から。コンディション的には午前の1回目と似たり寄ったりで、タイムアップなるかどうかは微妙なところだったが、結果的に2人のドライバーは午前中にマークしていた自己ベストタイムを更新できなかった。 何人かのドライバーが午後にベストタイムをマークしたこともあり、小暮選手は10番手、ロッテラー選手は何と12番手まで後退。思ってもいなかった下位グリッドからのスタートを余儀なくされることになった。 ここ、もてぎはパッシングポイントが少ないコースだが、マシンの本番セットはまずまずの仕上がりを見せていたし、レース距離が300kmに伸ばされていたことで、本番の決勝レースでは作戦で上位に進出すべく、土曜夜のうちに様々なシミュレーションが考えられた。 天気予報に反して日曜日も晴れ。土曜日までに比べると雲間も拡がっていたが、穏やかな日射しがコースを照らしており、気温と路面温度は適当に上昇。レース観戦にも最適なコンディションの中、62周に渡ってのハイスピードバトルが期待されるところとなった。 日曜日の朝一番で行われたフリー走行では小暮選手がトップタイム。ロッテラー選手も3番手につけた。それぞれのチームが、燃料の搭載量など、どんな条件で走っているのか分からないから、一概には言えないが、2人のマシンの決勝用セットが、巧く決まっていることは明らか。ドライバーもチームスタッフも、ひと安心して決勝を迎えることになる。 決勝レースは予定通り、午後2時25分にフォーメーションラップがスタート。1周回ってきた後に正規のスタートとなり、300kmにわたるハイスピードバトルの火蓋が切って落とされる。 上位陣は、ほぼグリッドのオーダー通りで1コーナーにアプローチしていったが、早くもテールtoノーズ、サイドbyサイドの接近戦があちこちで繰り広げられている。好ダッシュを見せた小暮選手とロッテラー選手は、そんなスタート直後の混乱をすり抜けるかのようにジャンプアップ。何と6番手と7番手でオープニングラップを終えることになった。 実は2台ともに2回ピット作戦を執り、少な目の燃料でスタートしていたのだが、これが大正解となった格好だ。 その後も、2人のドライバーは先を急いで猛チャージを掛けるが、やはりパッシングポイントが少ないもてぎ、そして予想していた以上に多くのマシンが超接近戦を繰り広げる展開となったことで、その後は予想通りの展開とはならなかった。 オープニングラップのうちに6番手まで進出した小暮選手は、3周目の1コーナーで前を行く服部尚貴選手をパス。 さらに前方を行く松田選手を5コーナーでかわしたが、その直後、V字コーナーでスピンしてコースアウト。 グラベルベッドに捕まって呆気なくリタイアとなってしまった。一方、小暮選手の後方、7番手でオープニングラップを終えたロッテラー選手は6周目の1コーナーで服部選手をパスすると、8周目の90度コーナーでスパッと松田選手のインを刺した。松田選手も精一杯の防戦となり、2台はビクトリーコーナーからメインストレート、そして1〜2コーナーとサイドbyサイドの超接近戦を展開したが、最終的にはインをキープしたロッテラー選手にアドバンテージがあり、2コーナーの立ち上がりで完全にポジションが逆転した。これで4番手に進出したロッテラー選手は、1分39秒台を連発するなど上位陣よりも1秒以上も速いペースで猛プッシュ。13周目の1コーナーでは3番手を走っていた本山哲選手を抜き、遂に表彰台圏内まで進出した。 17周を終えたところでロッテラー選手は最初のピットイン。タイヤを4本交換し、ガソリンも補給して27秒でピットアウトしていく。だが、もう1回、ルーティンのピットインがあり、さらにビクトリーコーナーでマシンを抜く際に軽く接触してフロントウィングを痛め、ノーズ交換のために予定していなかったピット作業が加わったことで、ロッテラー選手は11位で完走するのが精一杯。 それでも、レース中盤での激しい猛チャージは観客を沸かせることになり、この日のレースにおけるヒーローの一人となったことは間違いなかった。 |
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■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント |
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※ 次戦は、4月15日〜17日三重県鈴鹿サーキットで開催されます。 | |||