シリーズ名:2004年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第3戦・ツインリンクもてぎ
距離:4.801km×55周
第6回公式合同テスト:6月4日 快晴   ・観衆: − 人( 未発表 )
予選 :6月5日 快晴   ・観衆: 7000人(主催者発表)
決勝 :6月6日 曇り時々雨・観衆:1万8000人(  同  )

目まぐるしく変わるコンディションを見極めロッテラーが初優勝
トラブルでリズムを狂わせた小暮も9位で完走
決勝当日の天候は重く雲がたれこめ、雨は降ったりやんだりと目まぐるしく変わった。
レース中盤セーフティカーが入り、白熱の再スタートが切られた。
今季2勝目を獲得。
小暮選手は9位でフィニッシュ。

モータースポーツにおいて国内トップカテゴリーのひとつとして知られる全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)のシリーズ第3戦が、梅雨入りが間近になった先週末、栃木県にあるツインリンクもてぎで開催された。
これが首都圏でのシリーズ開幕戦とあって、長いシーズンオフの間、トップフォーミュラによるバトルを待ち望んでいたファンが詰めかけた。
 今回の舞台となるツインリンクもてぎでは、我がPIAA NAKAJIMA RACINGとしても、過去3年間計6戦で2勝を挙げるなど、相性もまずまず。
レース展開やコース攻略に関してのデータは充分。4月上旬に実施された事前の合同テストにおいても様々なテストメニューをキッチリ消化しており、準備万端整った状況で、チームはサーキット入りすることとなった。
 今回は通常の公式予選となり、午前と午後に45分間の走行セッションが1回ずつ予定されている。
先ずは午前のセッションで、ロッテラー選手が3番手のタイムをマークする。トップとのタイム差は0.1秒にも満たないほどだったが、一方の小暮選手は、1コーナーで姿勢を乱してコースオフ。
満足行くアタックが出来ないまま午前のセッションを終えることになった。
午後のセッションでは、インターバルの間に、さらにマシンのセットアップを進めたロッテラー選手がトップタイムをマークする。ただし、午前のセッションに比べてコースコンディションが悪化しており、自己ベストには一歩及ばず。午前のセッションでマークした1分37秒223のタイムで3番手のグリッドを獲得した。
一方の小暮選手は、走り始めからマイナートラブルに見舞われる不運もあったが、2セット連続のアタックを行うなど懸命に巻き返し、ロッテラー選手とコンマ5秒差の7番手となる1分37秒766のタイムをマーク。総合結果でも7番手グリッドを獲得することになった。
公式予選が行われた土曜日までは、まるで初夏を思わせる陽気が続いていたが、土曜夜の内に梅雨前線が北上し、決勝日となる日曜は曇天で明けた。それでも、朝一番でフリー走行が行われた頃は、厚い雲間から少し青空が顔を見せることもあったが、ピットウォークが実施されるお昼休みになると雲が厚みを増してきて、セミファイナルとなるワンメイクレースがスタートする頃には霧雨が降り始めた。
コンディションが急変したこともあってスケジュールが変更され、FNの決勝レースがスタートする直前に10分間のフリー走行が実施されることになった。
この時点では雨も止んでおり、全車スリックタイヤでコースインしていったが、フリー走行が終了、一旦ピットに戻ったマシンが、ダミーグリッドに向けてコースインする頃から再び雨が落ち始めた。ダミーグリッド上で、総てのチームがレインタイヤに交換し、結局決勝レースは全車レインタイヤを装着してのスタートとなった。
 当初の予定より10分遅れて正式スタートが切られることになった。
レッドランプが消えると同時にロッテラー選手の斜め後方にいた予選4番手の本山哲選手が猛ダッシュを見せる。ロッテラー選手もまずまずのダッシュを見せたものの、予選2番手の脇阪寿一選手や予選5番手の井出有治選手らともつれ合うようにして1コーナーにアプローチしていった。そして4番手でオープニングラップを終えたロッテラー選手だが、思ったようにペースを上げることが出来ず、少しずつポジションを下げていった。一方、7番手からスタートした小暮選手はスタートダッシュをミスしてしまい、さらに不安定なコンディションに備えて丁寧に行き過ぎたこともあって、6つポジションを下げた13番手からの追い上げを余儀なくされていた。
雨が上がり、コースコンディションが少しずつ良くなっていく中、8周目に片岡龍也選手がピットイン。
スリックタイヤに交換してピットアウトしていく。そしてピットアウトした翌周、10周目にはレインタイヤで頑張るトップグループを超えるタイムで周回したのを確認すると、チームは素早く動いた。そして11周を終えたところでロッテラー選手をピットインさせてスリックタイヤに交換、続いて12周を終えたところで小暮選手のタイヤをスリックに交換する。
このタイミング、特にロッテラー選手の場合はまさに絶妙で、タイヤ交換したドライバーの中では最上位となる9番手でレース復帰すると、上位陣がピットインするたびにポジションを上げていき、全車がピットインを終えた時点でトップに立つことに成功した。
一方、ロッテラー選手に比べてもう1周だけ多く、レインタイヤで走らざるを得なかった小暮選手は、ピットスタッフがほぼ完璧な作業でタイムロスを最小限に抑えたものの、全車ピットインを終えた時点で10番手に止まっていたから、1周の差は大きかった。
トップに立ったロッテラー選手は、以後は完璧にレースをコントロール。追走する片岡選手との差をじわじわと拡げていき、30周を終えた時点で5秒近い大差を築くことに成功する。
32周目にセーフティカーがコースインし、それまでのマージンは一気に消えてしまったが、セーフティカーがコースアウトして再スタートが切られると再び猛プッシュ。片岡選手に代わって2番手に立った井出選手との差を、最終的には6.5秒まで拡げてチェッカー。開幕戦で僚友の小暮選手に先を越されたが、タフなレースで初優勝を飾ることに成功した。
小暮選手も、集中力を途切れさせることなく最後まで粘り強い走行を続け、9位で完走。
もちろん結果には満足出来るわけもなかったが、リズムを狂わせながらも手堅く最後まで走りきったことで、次回以降に期待を繋ぐこととなった。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
開幕戦での小暮選手に続いて、今回はロッテラー選手が初優勝を飾ることができました。小暮選手が、今回は金曜日のマシントラブルからリズムを狂わせてしまったのが残念でしたが、それでも最後まで粘り強く走って完走できました。
次回は、彼にとって開幕戦で初優勝を飾った鈴鹿サーキットが舞台で、そのためにも、今回、キッチリと走りきったことが効いてくると思います。2人のドライバーが速さを見せ、チームスタッフ全員が、素晴らしい仕事をして、チームランキングでもトップでシリーズ中盤戦を迎えることになりました。
皆様方には、これまで以上に、我がPIAA NAKAJIMA RACINGへのご声援をお願いします。

※ 次戦は、7月2日〜4日三重県鈴鹿サーキットで開催されます



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