シリーズ名:2004年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第2戦・スポーツランド菅生・スペシャルステージ
距離3.704Km×28周+36周
第5回公式合同テスト:4月30日 晴れ    ・観衆: − 人( 未発表 )
予選 :5月1日 晴れのち曇り・観衆7200人(主催者発表)
決勝 :5月2日 晴れ時々曇り・観衆:3万1400人(  同  )

ロッテラーが粘り強い走りで4位入賞
小暮は8位に止まるも、ベストラップをマーク
今シーズン菅生ではFNが2回開催される。
午前の予選ではトップタイムを記録するが、午後のSSでは痛恨のスピン。10番手スタートとなった小暮選手。
SS式の予選結果は1位ライアン、2位ロッテラー、3位立川
決勝は2ヒート制、タイヤ交換も給油もなし。
国内トップカテゴリーのひとつ、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)のシリーズ第2戦が、先週末、眩しいばかりの新緑に囲まれたスポーツランド菅生で開催された。例年ならば、ここ菅生でのFN開催は、7月末から8月初めに掛けて、最も暑い時期での開催となってきたのだが、今シーズンは年2回開催となり、通常の夏のイベントに加えて、今回のシリーズ第2戦が加わった。
東北地方のファンにとっては、普段よりも3ヶ月も早いシーズン開幕となり、またゴールデンウィークという日程も手伝って、仙台近郊のスポーツランド菅生には週末、3万人を越す観客が訪れて、国内最高峰のフォーミュラバトルを楽しんでいた。
今回の公式予選はスペシャル・ステージ(SS)が採用され、通常の予選セッションは土曜日の午前中の1回のみ。
そのセッションで好タイムをマークしたトップ10によって、午後には2周ずつのシングルアタックが行われて、ポールから10番手までのグリッドが決定する。午前のセッションでは、トップ10に着実に残ることが必須となってくる。
2人のドライバーも、それぞれのチームスタッフも、それを頭の片隅に織り込みながら、メニューをこなしていく。
そして小暮選手は午前中のセッション最後で1分10秒862のトップタイムをマークした。一方のロッテラー選手も11秒265で5番手につけ、2人揃って午後のSSに駒を進めることになった。
 午後のSSは、午前のセッションでのオーダーとは逆順に、10番手のドライバーからアタックに掛かっていくシステムで、ロッテラー選手は6番手、小暮選手は最後にアタックすることになった。
ロッテラー選手は1分11秒088まで詰め、暫定トップに付けることになった。
このロッテラー選手のタイムを更新したのは、前日のテストでもトップタイムをマークしていた8番目にアタックしたリチャード・ライアン選手。そしてライアン選手、ロッテラー選手がトップ2に並んだまま、小暮選手がラストアタッカーでピットを後にした。計測1周目としては、かなり速い1分13秒台で回った小暮選手は、サーキットにいた全員の注目を浴びながら、いよいよ勝負所となるアタック2周目に突入する。1コーナーから2コーナー、3コーナー、ヘアピン、そしてS字とハイペースで攻めていった小暮選手だが、ハイポイントコーナーでブレーキングを後らせ過ぎたか痛恨のスピン。
これでロッテラー選手のフロントローが確定。小暮選手は10番手グリッドからの追い上げを期すことになった。 
今回の決勝レースは2スプリント制。日曜日に、2回レースを行うのだが、通常の2ヒート制と違うところは1回目のレース=ファーストスプリントでは、2回目のレース=ファイナルスプリントのグリッドのみが決定し、ファイナルスプリントの成績が、そのまま総合成績となる。2回のスプリントレースに区切られたことで、タイヤ交換もガソリン補給もない、まさに絶対的な速さのみで勝負が決する、文字通りのドライバーズレース。
前回の開幕戦ではタイヤ2本交換の秘策で1-2フィニッシュを飾った我がチームだが、藤井チームディレクターも「今回は、作戦も何もない。ドライバーの速さで勝負が決まる」と断言する。
 その決勝、ファーストスプリントは日曜の午前中に行われた。フロントローからスタートしたロッテラー選手は、少しホイールスピンさせ過ぎてしまい、後方から立川祐路選手に先行されてしまう。3位でオープニングラップを終えたロッテラー選手は、前を行く2台にチャージを掛けるが、パッシングポイントの少ない菅生では、なかなか簡単にはポジションアップもままならず、結局そのままのオーダーで28周のファーストスプリントを終えた。
一方、朝一番のフリー走行でトップタイムをたたき出していた小暮選手もスタートでポジションダウン。
12番手でオープニングラップを終えることになった。そして2周目の1コーナーで前を行く金石年弘選手に迫ったものの、金石選手のリアタイヤと小暮選手のフロントウィングが接触。ノーズ交換のためにピットインを余儀なくされてしまった。
ピットアウトしたときにはほぼ1周遅れとなっていた小暮選手だったが、その後はトップグループを上回るペースで周回。8周目にはこのファーストスプリントのベストタイムとなる1分12秒846をマーク。速さでは、決して負けていなかったことをアピールしたものの、スプリントレースでは1周近い遅れをリカバーすることも適わず、結局14番手でチェッカーとなる。
 ピットウォークとサポートレースのセミファイナルイベントを終えると、いよいよ最後の勝負所となるファイナルスプリントのスタート進行が始まった。
午前中に行われたファーストスプリントの結果から、ロッテラー選手は3番手グリッドから、そして小暮選手は14番手グリッドからのスタートとなる。
フォーメーションラップを終えて正規のグリッドに各車が付き、赤ランプが消えると同時に各車一斉にスタートとなったが、上位陣の中で接触事故が起きるハプニング。ロッテラー選手は、これを巧みにかわしてトップに立ったが、ここで赤旗中断。スタートはフォーメーションラップからもう一度やり直しとなる。
 2番手と4番手のグリッドが空いたままの奇妙なグリッドから、ポールのライアン選手が好スタートを切って、ファイナルスプリントが開始された。
ロッテラー選手はまたもホイールスピンで後れを取り、後方から好ダッシュを見せた井出選手と脇阪寿一選手の先行を許してしまう。そしてそこから先は、ファーストスプリントと似た展開となり、一進一退の争いを続けたものの、結局最後までオーダーを変えることは適わず、4位のままチェッカーを受けた。
一方、後方14番手からスタートした小暮選手は、13番手でオープニングラップを終えると、じわじわと追撃を開始した。5周目に1コーナーで、まずは片岡龍也選手をパスすると次の周には土屋武士選手を、やはり1コーナーで抜き去ることに成功する。そして7周目には、このファイナルスプリントのベストラップとなる1分13秒263をマークしている。その後、ディフェンディングチャンピオンの本山哲選手と攻防戦を繰り広げた末に10番手のポジションを確保した小暮選手は、さらに前を行く野田英樹選手を猛プッシュする。
だが、レース序盤に次々と全車をパスするために、フロントタイヤに負担を掛けすぎてしまったようで、結局野田選手を抜くことは出来ず、上位陣の中にスピンアウトで脱落したマシンがあったために、結局9位でチェッカーを受けることになった。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
今年は8年ぶりの1-2フィニッシュと、最高の形でシーズンイン出来て、その勢いをさらに持続させようと臨んだ第2戦の菅生ラウンドでしたが、ロッテラー選手が4位入賞するに止まりました。それでも、総てのセッションを通じて、2人のドライバーは精一杯の速さを見せてくれました。第3戦以降は、これまで以上にチームの力を結集して、この速さを結果に結びつけることができるよう、頑張っていきます。
 皆様方には、これまで以上に、我がPIAA NAKAJIMA RACINGへのご声援をお願いします

※次戦は、6月4日〜6月6日、ツインリンクもてぎで開催されます



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