シリーズ名:2009 オートバックス SUPER GT(S-GT)
大会名:第6戦・第38回インターナショナル Pokka GT サマースペシャル
距離:5.807km×121周
予選:8月22日 晴れ時々曇り・観衆:2万4000人(主催者発表)
決勝:8月23日 晴れ一時曇り・観衆:3万4000人(  同  )

不運なアクシデントからエンジンを傷めてリタイア
予選では今季ベストの8番手グリッドを獲得

32 EPSON NSX  予選8位 決勝リタイア

38回目となる夏の祭典。今年は700kmに短縮されて開催。

暗闇のライトオン走行に慣れるため土曜日は7:00まで練習走行。だが、決勝では、ライトオンまで走行できず。

ノックダウン式予選では、Q3まで進出し8位。 決勝は、バックマーカーとの接触を避けるためコース外へ。それが要因となりエンジンがオーバーヒートし、残念ながらリタイア。

 全9戦で戦われる今シーズンも後半戦に入り、先週末に鈴鹿サーキットで、シリーズ第6戦となるPokka GT サマースペシャル が開催された。
 猛暑酷暑の鈴鹿を舞台に、通常のラウンドに比べて倍以上ものレース距離を走破する、シリーズでも屈指のタフなレースとして知られるこのイベントは、これまでは1000kmレースとして長い歴史を誇っている。38回目となる今回は、レース距離こそ700kmに短縮されたものの、高い気温と路面温度、そして夕闇の中、ヘッドライトを点灯させながらゴールを目指すナイトセッションも例年通りだ。立秋を過ぎたと言っても夏休みはまだ真っ盛りとあって、鈴鹿サーキットには週末を通じて6万人近いファンが詰めかけて、猛暑の中、タフなレースを満喫していた。
 スーパーGTのテクニカルレギュレーションが大きく変更され、空力に対する規制が一層強化された今シーズン、NSX勢はまるで“翼をもがれた”かのように苦戦を強いられてきた。そのNSX陣営で唯一、ダンロップタイヤを装着するEPSON NSXは、タイヤ開発も担当しているが、NSX陣営で1台のみとあってデーターも少なく、厳しさはより一層だった。
 それでも精力的な開発を続けてきた結果、マシンは少しずつ速さを取り戻して、前回まではスーパーラップ進出を果たせていなかったが、ノックダウン方式が採用された今回の予選ではチームの総力を挙げ8番手グリッドを確保した。
そのノックダウン式の公式予選、まずは中山がステアリングを握って通過基準タイムをクリア、ピットに戻ってロイックと交替した。そのロイックは、混走時間帯にマシンを確認した後、一旦ピットに戻るとフレッシュタイヤに交換し、専有走行時間帯を待った。そしてピットアウトすると計測2周目に、それまでの自己ベストを大きく更新する1分56秒792をマーク。EPSON NSXをタイミングモニターの4番目まで押し上げて見せた。その後、ロイックのタイムを更新するドライバーもあったが、結局6番手でセッション2に進出した。
セッション2もロイックが担当。セッション1でマークした自己ベストをさらに短縮し8番手でセッション3進出を果たすことになった。
セッション3には中山が出走した。セッション2までは、より好タイムが期待出来るソフトタイヤでのアタックだったが、このセッション3では、翌日の決勝を見越して、より耐久性に優れたミディアムタイヤを装着して、1分56秒954をマーク。結局8番手に留まったが、マシンの速さは証明出来た。
期待が高まった決勝レースは日曜日の午後3時にフォーメーションラップのスタートが切られた。朝一番は青空が拡がっていたが、決勝スタートが近づくにつれて雲が勢力を増し、各車がグリッドに着いたところで小雨がパラつく一幕もあったが、幸いなことに本降りとなるには至らず、ドライコンディションのまま、121周の長いレースが始まった。
8番手グリッドからスタートしたロイックは、路面温度が予想していたほどには上昇しなかった影響からタイヤが上手く温められなかったか、オープニングラップで1ポジションダウン。9番手でオープニングラップを終えることになった。それでも、3周目に1分59秒台に入れると、6周目には58秒895をマーク。前半は着実に走って後半勝負、の青写真に期待が高まっていった。
  だが、そんな矢先の10周目、S字コーナーでGT300クラスのマシンをバックマーカー処理する際にラインを交錯させてしまった。マシンのダメージだけでなくペナティなどレース展開上でのダメージも避けようと、自らグリーンに逃げたロイックだったが芝に足を取られてかスポンジバリアーにヒットしてしまう。それでも何とか踏み止まってグラベルストップは避けることが出来、コースに復帰したロイックだったが、刈り取った芝がラジエターの前面を覆ってしまい、エンジンがオーバーヒート。スローペースで12周目を走り切り、何とかピットまで辿り着いたものの、エンジンにダメージ負ってしまい、この日のレースを早々に終えることになってしまった。
 残念な結果に終わったPokka GTサマースペシャルだったが、マシンが速さを取り戻しつつあることを実感出来たのも事実。シーズンは残り3戦となったが、ここから新たな戦いがスタートするはずだ。

●EPSON NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント
 残念なレースになってしまいました。接触した相手にペナルティが課せられたことでも、ロイックのミスでないことは証明されましたが、次回に向けてエンジンを載せ替える必要があり、次回の富士ラウンドでは10グリッド降格も覚悟していますが、痛いですね。
でも、予選で8番手まで進出したことからもクルマの速さが、少しずつ取り戻せているとも実感出来ました。次回の富士は、06年から2年連続で優勝したゲンの良いイベントだけに、上位入賞を目指して頑張ります。


※次戦は、9月12日〜13日、静岡県富士スピードウェイで開催されます。

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