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大会名:第7戦・富士 GT300km レース
距離:4.563km×66周
予選:9月12日 曇り時々雨 ・観衆:1万8100人(主催者発表)
決勝:9月13日 曇りのち晴れ・観衆:3万3000人( 同 )
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今季初、ロイックにとって2度目となるポールを獲得
決勝はスタート直後にプッシュアウトされ、追い上げて9位入賞
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32 EPSON NSX 予選1位 決勝9位 |
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土曜の予選は、ウエットの路面をロイック選手が絶妙なドライビングを披露して、ポールポジション! |
ロイック選手もチームも、06年11月の富士以来、約3年ぶりのポールポジションとなった。 |
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翌、日曜決勝は、好天。気温も上昇。 |
スタート直後の1コーナーで後方からプッシュされ、スピン。
最後尾となってしまう。 |
ここ数年、秋の一戦は11月の初めに開催され、シリーズ最終戦として定着した感があった富士スピードウェイで、今シーズンは9月にシリーズ第7戦として、富士 GT 300kmレースが開催された。
シーズンも、今回の富士ラウンドを入れて残り3戦。上位入賞はもちろんだが、表彰台の一角でも狙いたい、というのは偽らざる想い。前回の鈴鹿では、ロイックが予選8番手までポジションを引き上げ、マシンに速さを取り戻せつつあることを証明していたし、この秋の富士では06年〜07年と連勝し、我がチームとの“相性”も抜群。今回こそは表彰台へ、とチームのモチベーションも絶好調だった。
前回の鈴鹿ではノックダウン方式の公式予選だったが、今回は通常のスーパーラップ方式が採用されている。そのトップ8を選抜する第1回目の公式予選は午後0時50分から。先ずは中山がマシンに乗り込み、混走時間帯にコースイン。S-GTでは1年生ながら、今回で7戦目の実戦を経験する中山は、計測開始から4周目に早くも1分47秒台の目標タイムを達成、すぐにピットに戻ってきた。
ここからがエースであるロイックの仕事。中山から引き継いだマシンで1分46秒台を確認したロイックはピットに戻り、占有走行の時を待った。そして、GT500の占有走行時間帯になると早々にピットを後にした。通常のコンディションならば、セッションの最後に1アタックすれば事足りるのだが、こういった雨の状況ではコンディションが目まぐるしく変わっていくから、セッション総てでアタックを続けるのが常套。
そして実際、6周にわたってアタックを続けたロイックは、5周目に1分45秒842のベストタイムをマーク。これは結局、このセッションでのトップタイムとなり、午後3時過ぎから行われるスーパーラップに進出した。藤井一三チームディレクターは、ロイックのテクニックももちろんだが、路面コンディションもダンロップのレインタイヤにベストフィット。あれ以上雨が多くても、反対に少なくても、トップは難しかった、と分析。確かに、同じダンロップタイヤを装着するレクサスが2番手につけていたから、運も味方した、ということになる。
だが、午後3時06分から始まったGT500のスーパーラップでは、ロイックのパフォーマンスがさらに映えることになる。1回目のセッションの8番手から1台ずつシングルアタックを続けていったのが、2名のドライバーがスピンしてノータイムに終わるなど、このスーパーラップもコンディションは酷いものとなった。そんな中、最後のアタッカーとなったロイックは見事にメリハリの利いたドライビングを披露。1周のタイムでは、このセッションのベストとなる1分46秒111をマーク。今季初、そしてチームにとってもロイックにとっても06年11月の富士以来、約3年ぶりのポールポジション奪取となった。
日曜日の決勝レースは予選から一転、秋晴れの空の下でスタートが切られることになった。最初から、逃げるだけ逃げる、とコメントしていたロイックだが、この目論見は、スタート直後に呆気なく外れてしまう。
まずまずのスタートダッシュを見せたものの、後方にいた本山哲選手とアンドレ・ロッテラー選手の方がより加速に伸びがあり、1コーナーでは両者にサンドイッチされる格好となった。行き場を失ったロイックはブレーキングで両者との接触を避けたが、彼の直後にいたビヨン・ビルドハイム選手もブレーキングしてこれに続いたが、一瞬間に合わず、ロイックをプッシュ。これで姿勢を乱したロイックは堪らずスピンし、GT500クラスの全マシンが通過した後、最後尾からレースに復帰することに。
ここからロイックは、懸命のドライビングで追走を開始する。だが、ドライコンディションとなった決勝レースでは、クルマの早さも充分ではなかったようで、なかなか簡単にはポジションアップできない。それでも、粘り強いドライビングを続けたロイックは、7周目にはポイント圏内の9番手まで復帰する。スタート時点で50℃に近かった路面温度は、レース中盤を迎えてもほぼそのままの高温を維持していたから、タイヤに厳しくなったマシンは早めのピットインを行う作戦に切り替えたようだが、タイヤを上手くマネージメントしていたロイックは、当初の予定通り33周を終えたところでルーティンのピットイン。
この時点ではラップチャート上で5位にまで進出していたが、交代した中山がピットアウトして時点ではロイックが走っていたのと同じ9番手につけていた。
中山は、やはりロイックと同様に着実なドライビングを続けることになった。そして1台の上位陣がトラブルで後退したことにより、46周目には8番手にポジションを上げる。しかし、後方からはホンダ陣営のエースの一人、フォーミュラ・ニッポンでは我がチームから参戦している小暮卓史選手の猛チャージを受けることになった。48周目には小暮選手が先行。ロイックから受け取ったマシンを、ポジションキープしたまま9位でチェッカー。3戦ぶりの入賞を果たすことになった。
残る2戦。今回の予選でロイックが見せたパフォーマンスと、中山の更なる成長を武器に、ぜひとも上位入賞を期待したい。 |
●EPSON NAKAJIMA
RACING総監督 中嶋悟のコメント
土曜日が雨となって、いくつか用意してきたテストメニューをこなせなかったこと。そしてスタート直後のスピンが、今日の総てでしたね。それにドライではやはり、少しだけスピードが足りませんでした。
ただ、雨の予選ではロイックが好い走りで久々のポールを獲ってくれ、マシンは着実に進化していると思います。残り2戦、ぜひとも上昇の流れをつかみ、上位を目指したいですね。
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※次戦は、10月17日〜18日、大分県オートポリスで開催されます。 |
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