シリーズ名:2009 オートバックス SUPER GT(S-GT)
大会名:第2戦・ケーヒン鈴鹿2&4レース オープニングスペシャル
距離:5.807km×52周
予選:4月18日 晴れ・観衆:2万2000人(主催者発表)
決勝:4月19日 晴れ・観衆:3万5000人(  同  )


着実な走りで2戦連続の9位入賞

32 EPSON NSX  予選9位 決勝9位
新生鈴鹿サーキットのこけら落としとなったレース。週末2日間で6万人近いファンが訪れた。
東コースのみ路面改修が行われ、どのチームもベストセットに悩む。
レースは終盤多重アクシデントでSCが入り、そのままチェッカー。 予定より、長いラップを走行した中山選手。30ラップあまりを担当し、良い経験を積んだ。

 歴史的な大改修工事が先日竣工。1週間前にはお披露目イベントが行われた鈴鹿サーキットを舞台に、SUPER GT(S-GT)シリーズの第2 戦が開催された。
新生鈴鹿サーキットのこけら落としともなり、週末2日間では6万人近いファンが新生鈴鹿サーキットに詰めかけ、スーパーGTと2輪のJSBを心行くまで楽しんでいた。
今回の改修工事でグランドスタンドやピットビル&パドックを一新したのに合わせて、東コースのみは路面を全面改修されていた。事前テストもなく、さらに今年からは金曜日の走行もなくなっていたから、土曜日朝のフリー走行を走っただけで、予選と決勝の基本セットを決め、さらに予選を走りながら決勝セット詰めていく必要もあり、各チームは悩み多き週末となった。
走り始めとなる土曜日は好天に恵まれ、まずは午前8時25分から1時間半に渡って練習走行が行われた。このセッションではロイックが走行を重ねて行ったものの、なかなかタイムアップできず11番手に留まってしまう。新しいセットを模索し、お昼に行われた公式予選ではロイックが1.2秒近くもタイムアップしてみせたが、午後のスーパーラップ=上位グリッドを決定するワンカーアタックには僅かに届かず。それでも本番セットはまずまずの状況だったから、日曜日の決勝レースでは、9番手グリッドからの追い上げが期待された。
決勝が行われた日曜日も、土曜日と同様好天で開けた。JSBのウォームアップに続いて午前8時50分から、30分間のフリー走行が行われた。ここでロイックは、NSX勢でトップ、総合でも6番手となる1分56秒398をマーク。

交代した中山も57秒台をコンスタントにマークして、決勝での追い上げに、一層の期待が高まっていった。
朝から日射しがコースを照らしつけており、気温とともに路面温度も上昇。スタート直前に38℃を記録した路面温度は、スタート時点では35℃に落ち着き、以後も緩やかに低下していく傾向を見せたが、レース前半を終えたところでも33℃と思いのほか高いレベルに留まっていたから、ドライバーだけでなくマシンやタイヤには、とてもタフなレースが強いられることになる。
スタートを担当したロイックは、ポジションをキープしたまま西コースに消えていったが、130Rとシケインで、それぞれGT-RとSCの1台に先行を許してしまい、11番手でオープニングラップを終えることになった。
その後ポジションキープはしていたものの、なかなかペースは上がらず、NSXとSCにもパスされてしまい、13番手までポジションダウンしてしまう。予想以上に上昇した路面温度でタイヤを痛めてしまったようで、その後もロイックは奮闘を続けていたものの、コンディションは酷くなる一方となった。結局、予定を大きく前倒しして、21周を終えたところでピットインすることになった。
ピットインが予定より大幅に早まったが、チームスタッフが整然とルーティンワークを消化。ルーキーの中山に交代してEPSON NSXはピットを後にする。
前後のマシンとはタイムギャップも大きく、ピットイン前と同じ13位でレースに復帰した中山は、前回と同様にステディな走りを見せた。だが、次第にマシンのコンディションが悪化していく。それでも中山は、前を行くGT-Rに照準を定め、何とかこれに食らいつこうと頑張っていたが、状況は膠着したままレースは終盤を迎える。
48周目のシケインで2台のマシンがクラッシュする多重アクシデントが発生。さらにS字でも1台のマシンがストップし、セーフティカーが導入されることになった。
トップから全車が一列縦隊でローリングを始めるが、3台のマシンが脱落したことで10番手までポジションアップ、ルーキーの中山は、初の体験となるリスタートに向けて集中力を高めていった。
だが、レースがリスタートされることはなく、セーフティカーに先導されたまま、中山もチェッカーを受けた。さらに1台のマシンにペナルティが科され、EPSON NSXは9位。決して満足できる内容ではなかったが、苦しい時こそ、チーム力が問われる。チーム全員がベストな仕事をした結果として、開幕戦に続いての2戦連続入賞となった。

●EPSON NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント

我々が想像していた以上にコンディションが変わった中、ハードを完全に合わせ込むことができませんでしたが、2人のドライバーは、限られた条件の中で最後まで、粘り強く走って完走してくれました。内容的には、決して満足する訳にはいきませんが、開幕戦に続いて入賞でき、今後に繋がるレースにできました。

※次戦は、5月3日〜4日、静岡県富士スピードウェイで開催されます。