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2009年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
第2戦・鈴鹿サーキット
5.807km×43周
<予選>5月16日 曇りのち雨・観客動員数名8,000人(主催者発表)
<決勝>5月17日 曇りのち雨・観客動員数名12,000(主催者発表)
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31 Loic DUVAL |
予選 3位 決勝1位 |
32 小暮卓史 |
予選5位 決勝リタイア |
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予選・決勝とウエットとなったRd.2鈴鹿。
予選5番手の小暮選手はスタートでエンジンストールしてしまう。
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レース前半は、ブノワ選手とロイック選手の激しいトップ争いが続く。28周目にロイックがトップを奪う。 |
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30周目にピットイン。タイヤ無交換で給油のみ。イン側に入りすぎ、給油担当メカニックを引っ掛けるハプニング。 |
雨中のレース,表彰台はロイック、ブノワ、アンドレの3人。
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開幕戦からおよそ1カ月という長いインターバルを経て、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)の第2戦が開催された。舞台は昨年から大改修の行われた鈴鹿サーキット。今回は予選から激しい雨に降られ、サバイバルレースが予想された。
予選日は朝から雨が降ったりやんだりと天候が不安定だった。予選日午前に行われるフリー走行では、序盤はスリックタイヤでの走行が可能だったが、徐々に雨脚が強くなり、最後は完全なウェットコンディション。このセッションで小暮は2番手タイム、ロイックは9番手タイムをマークした。が、セッションベストはドライコンディションでのタイム。ウェットコンディションではロイックが唯一の1分58秒台をマークし、小暮も上位グループに名を連ねており、雨が予想されている予選に向けて自信の持てる結果となった。
予選は予報通りに開始から雨。開始直後から各車一斉にタイムアタックを開始した。
小暮は計測1周目で暫定トップタイムをマーク。その後1分59秒台までタイムを縮めQ1を4位でクリアした。ロイックはマシンとコースのコンディションを確かめた後でタイヤを交換しアタックを開始。小暮に続く5位でQ1クリアとなった。雨脚が強くなりコンディションの悪化したQ2もNAKAJIMA RACINGの2台は揃ってクリアしQ3に進出。
Q3ではロイックが計測1周目で暫定トップに立つも、すぐに他のマシンにタイムを塗り替えられる。ハードプッシュのため1コーナーでコースアウト、コースバリアにヒットする直前で止まるなど、ヒヤリとさせる場面もあったが、コースに復帰するとベストタイムを連続で更新、ポールには僅かコンマ1秒届かなかったが3番グリッド獲得となった。一方の小暮はセッティング調整がコンディションに完全にマッチせず5番手。決勝での巻き返しを誓った。
日曜日は、午前中のフリー走行は何とか持ちこたえたものの決勝スタート直前に大粒の雨が降り出した。瞬く間にコース上に川ができ、完全なウェットコンディションに。雨のレースでは前方のマシンが上げる水しぶきで視界が非常に悪くなり、序盤でのポジションアップが重要になってくる。
3番グリッドからスタートのロイックは抜群のスタートを決めて2番グリッドのアンドレ・ロッテラー選手をパス、2位にポジションアップして1コーナーを通過した。一方の小暮はなんとエンジンストール。オフィシャルの手助けでなんとかエンジンをかけると、最後尾からの追い上げにかかった。
レインコンディションでのペースは良く、上位集団に匹敵するラップタイムを連発し、3周目には1台をパス。さらに1台も目の前に迫っていた。が、ヘアピンの立ち上がりで小暮のほうが加速が良く、前のマシンに追突してしまう。ノーズを破損し、小暮は緊急ピットイン。タイヤも交換し、再び最後尾からの追い上げを開始した。10周目に1台をパスしポジションアップ、さらに前方のマシンにも迫っていくが、17周目のヘアピンで、再び前のマシンに詰まり接触。挙動を乱した小暮のマシンは滑りながらコースアウトし、グラベルにつかまりストップ。リタイアとなった。
スタートで2番手に上がったロイックは、トップのブノワ・トレルイエ選手と激しいトップ争いを展開して見せた。序盤こそ4秒ほど差を広げられたロイックだったが、「リヤタイヤが厳しくなってきた」と後に記者会見で話すようにブノワ選手が徐々にペースダウン。一方のロイックは、安定した速いタイムで周回を重ねブノワ選手に襲いかかる。23周目にはスプーンコーナーで勝負をかけるが、ここでは前を抑えられた。ロイックは一瞬挙動を乱し2秒の差をつけられるが、すぐにその差も元に戻し再びブノワ選手に勝負を仕掛ける。
28周目、今度はヘアピンコーナーの先で並びかけ、その先のスプーンコーナーまでサイド・バイ・サイドのバトルに。先ほどは前を抑えられたロイックだが、今度はアウト側から追い抜きに成功し、トップへ浮上した。30周を終了したところでピットイン。2周前に、先にピットインを済ませたブノワ選手とは52秒のギャップがあったが、チームはここでタイヤ無交換、燃料補給のみのピット作戦を敢行した。
ピットインの際、停止線を間違えたロイックが燃料補給担当のメカニックを引っかけてしまうハプニングはあったものの、チームは16秒4という早いタイムでロイックをコースへ送り出した。全車がピットインを済ませ、再びロイックはトップに。終盤にファステストラップもマークしたロイックが、最終的に後続に20秒の大差をつけトップでチェッカー。自身5勝目となる今季初優勝を飾った。 |
■ NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
まずは、久しぶりに表彰台に上がれて嬉しいです。おおかた順調にいけたのかなという感じです。
数年前だったらロイック選手も、ブノワ選手の後ろについていたときにもう少し慌ててしまったかなと思うんですが、ずいぶん大人になったかなと感じましたね。ピットストップに関しても、その前にチャンスがあって彼はトップに立ちましたが、もし2〜3秒差だったらピット作業で逆転する自信がありましたね。
小暮選手に関しては、どうしてしまったのかなと。前のマシンとはかなりスピード差があったので、その感覚の見誤りじゃなかなとは思うんですが。ロイックの優勝は嬉しいけど、半分寂しいなという思いです。
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次戦は5月30-31日ツインリンクもてぎで開催されます。 |
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