|
2009年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
開幕戦・富士スピードウェイ
4.563km×55周
<予選>4月4日 晴れ・観客動員数 7,700名(主催者発表)
<決勝>4月5日 曇り・観客動員数 15,500名(主催者発表)
|
ハプニングに負けない走りで、2人そろって貴重なポイントを獲得
|
31 Loic DUVAL |
予選 6位 決勝4位 |
32 小暮卓史 |
予選5位 決勝8位 |
|
|
09シーズンも、デュバル・小暮、両選手で新生FNに挑む。
|
新型のスウィフト製マシン。ヘルメットの頭上にあるのはオーバーテイクランプ。 |
|
|
今シーズンもノックダウン方式で行われる予選。
Q3進出するが、ポールは逃す。5位&6位 |
スタートの1コーナー、行き場がなくなったロイック選手は小暮選手と接触。
小暮選手はコースアウトしたが、レースには復帰。
|
3月に開幕したGTと並び、国内最高峰レースカテゴリーとなる全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)。その2009年シーズン開幕戦が、富士スピードウェイで開催された。
GT同様に2デイ開催となる今シーズンのFNは、スウィフト製新型マシンの登場やオーバーテイクシステム、若手ドライバーの新規参入など、話題が満載。台数は13台と、昨年と比べ減少したものの、中身は例年以上に濃いレースとなった。我らがNAKAJIMA RACINGは、31号車にロイック・デュバル、32号車に小暮卓史とラインナップは変わらず。3年目となるこのコンビで、シリーズチャンピオンの奪回に挑むこととなる。
開幕戦の舞台となった富士では、3月の上旬に公式合同テストが行われている。が、設定された4セッションのうち、なんと3セッションが雪のために走行中止となってしまったため、各チームとも新型マシンでのデータが不足している。金曜日の練習走行が削られているため、土曜日午前中に1時間だけ設けられているフリー走行のみで、予選セッションに向けてのマシンの調整を行うしかない。いつにもまして、チーム力の試される1戦となった。
予選セッションは、昨年同様のノックダウン方式が採用。13台のうち、Q1で2台が脱落、Q2でさらに3台が脱落し、Q3では8台でのポールポジションを争うこことなる。各セッションのインターバルは10分しかない中、コンディションに合わせて微調整を進めたロイックと小暮は無事にQ3まで進出、ポールポジションを獲得するべく、ラストアタックに向かった。
が、予選が進むにつれ日差しが陰り、予想していたよりも気温と路面温度が大きく低下。十分にタイヤを温めることができず、開幕戦のポールポジションは逃す結果に。ロイックは1分25秒359で6番グリッド、小暮は1分25秒187で5番グリッドから、開幕戦をスタートすることとなった。
日曜日は晴れの予報が出ていたものの、決勝レース直前には前日同様に肌寒い曇り空となっていた。小暮とロイックともに好スタートを決めたが、ここでアクシデント。1コーナーのブレーキング勝負で前が詰まってしまったロイックは、前方との接触を避けてコースのアウト側へ。これも好スタートを決めアウト側から前をうかがっていた小暮と接触してしまったのだ。
なんとかコースに踏みとどまったロイックは、レース序盤は3番手で周回を重ねて行った。前を走るのはベテランのブノワ・トレルイエ選手。ペースのいいロイックはじわじわと差を詰めていくが、なかなかパスするまでに至らず、近付いては離れ、離れては近づきの繰り返し。今年から採用されたオーバーテイクシステムを使ってみるが、巧みにラインを閉じられなかなか前が開けない。結局3位のままで23周を終え、既定のピット作業に向かったロイックは、30秒のピットストップでコースに復帰した。これを皮切りに、上位陣は次々とピット作業に入っていった。最後のマシンがピット作業に入ったのは35周目。短めのピットストップを済ませたこのマシンは、ロイックの前でコースに復帰した。アウトラップを走る前方のマシンにどんどんと追いついていくロイックだが、ここでもなかなか抜くまでに至らない。
さらに、レース終盤に入るとロイックのマシンに、2速が入りづらくなるというトラブルが発生。コントロールの難しくなったマシンをどうにか操り、4位でチェッカーを受けた。
一方の小暮は接触によってコースの外へ飛び出し、大きく順位を下げることになった。ここから挽回をはかろうと、小暮は上位グループとそん色のない好ペースで前を追いかけていく。
前方にいた2台のルーキー勢を、FN7年目の技とチャンピオンに向けての気迫であっさりと抜き去り、さらに2台をかわした26周を終了したところでピット作業へ向かった。
が、ここで小暮に第2のハプニング。ピット前に停車しタイヤ交換を済ませ、燃料補給を終えてスタート、のはずが、なかなか燃料が入らない。実は、効率よく燃料を入れるため、ピットストップの停車位置はホースの長さに合わせた場所に決めているのだが、新型マシンに戸惑いがあったか、小暮の停車位置が微妙にずれていたのだ。ホースをピンと伸ばしても、給油口にとどかない。ピットクルーが必死に引っ張り、なんとか給油口に届き燃料補給ができたものの、これが大きなタイムロスとなり、小暮は再び最後尾近くまで後退することとなった。
全車が規定のピットストップを済ませた時点で、小暮は10位。9位のマシンとは大きな差が開いていたが、ここから気迫の走りで一気に差を詰めていく。レースも終盤、46周目にこれをかわして9位浮上、さらに前方でクラッシュのためリタイアするマシンがあり、8位でチェッカーを受けた。
度重なるハプニングにも負けない走りを見せた2人。チャンピオン獲得に向けて貴重なポイントを獲得した。
|
■ NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
今回の結果になった原因の一つは、予選で思っていたようなポジションに行けなかったことですね。
レース中の作戦は悪くはなかったんですが、スタートで2台が接触したことが残念でした。2人ともスタートでポジションアップを狙っていた中での出来事なので仕方なかったかもしれないが、あまり見たくない場面でした。小暮選手にとってはピット作業のトラブルもあって、ダブルパンチだったと思う。
そんな中で、2人がなかなかいいペースでレースできて、2台とも完走したことは救いですね。
|
次戦は5月16−17日鈴鹿サーキットで開催されます。 |
|
|