Report レースリポート
第1戦 OKAYAMA GT 300km RACE
会場:岡山国際サーキット
日付:2023年4月15日(土)
天候:雨
予選結果:3位
観客動員数 : 7,800人
Modulo Nakajima Racingとして5年目となる節目の年。チームの力を結集して優勝を目指す。
SUPER GTは2023シーズンの開幕戦が岡山国際サーキットで行なわれる。Modulo Nakajima Racingとして5年目となる節目の年、ドライバーはエースの伊沢拓也は継続、GT500ルーキーとなる太田格之進とコンビを組む。その他の体制には大きな変更はなく、昨年果たせなかった優勝を目指して、チームの力を結集して戦っていく。
予選日の朝は前日の雨があがっていたものの公式練習が始まるとまた雨が降り出し、ウエットコンディションの中、各車走行を続けていくがスピンやクラッシュをするマシンが多く、荒れた展開が続く。Modulo NSX-GTは、その中をしっかりと予選に向けた確認を行ない、予選Q1に備える。
雨の影響で大幅に遅れてスタートした公式予選Q1、伊沢がコースインしてタイヤを温めながら周回していく。酷いウエットコンディションが続くなか、マシンを巧みにコントロールし、他車との間合いをはかりながらアタックをして、1分29秒863で3番手タイムを獲得しQ2進出を決めた。
そのQ2でアタックをするのはGT500ルーキーで、これが初予選となった太田。太田はルーキーと思えない冷静な走りを見せながら周回する。他車との間合いを見ながらタイヤをウォームアップさせていき、1分29秒347で3番手。決勝は2列目からのスタートとなった。
総監督 中嶋 悟コメント
「酷い雨のコンディションで難しい予選となりましたが、2人ともよく頑張ってくれました。明日の決勝に関してはドライタイヤで走行していないこともあり、何とも言えない部分が多いですがベストを尽くします。」
伊沢 拓也選手コメント
「セッションの最後に上手くクリアラップを取ることができました。朝のフリープラクティスは最後の専有走行がキャンセルになってしまいましたが、その時点で今回のタイヤに対していいフィーリングを感じていたので、それを結果に表すことができてよかったです。Q2につなぐこともできました。太田選手もGT500で初めての予選は緊張していたと思いますが、落ち着いていいタイムを出してくれました。決勝レースをいい位置からスタートできるので、この流れを維持できるよう明日も頑張ります。」
太田 格之進選手コメント
「アタックの時の状況はあまり覚えていないのですが、それぐらい集中できました。ミシュランタイヤ勢が速くて悔しい気持ちもありますし、自分の中でももうちょっとできたかなっていうところはありますが、それでもそのすぐ次のポジションを得られたのは良かったです。GT500クラスのタイヤは、少しのコンディション変化で勢力図が変わるぐらい、シビアな戦いをしていて、今日はQ1からQ2にかけてコンディションが変わった中、僕たちのタイヤがすごく性能を発揮してくれました。3番グリッドからスタートする明日の決勝は、僕たちに注目してもらえるように頑張ります。」
日付:2023年4月16日(日)
天候:晴/曇/雨
決勝結果:10位
観客動員数:14,500人
目まぐるしく変わる天候で、レースも波乱の展開に。混乱の中も粘り強く走りきりポイント獲得。
青空の下、大賑わいのグリッドウォークを終え、82周の決勝レースはスタートを切る。Modulo Nakajima Racingのスタートドライバーは伊沢。伊沢はタイヤの温まりに時間がかかり、3周を終えるまでに3つポジションを落としたが、徐々に追いついていきペースを上げていく。このポジションを守っていたが、10周を過ぎると10番手に。その頃、暗くなってきた空から雨が落ち出し、それが一気に酷くなり雹まで落ちるコンディションに。
15周目にModulo NSX-GTはピットインし、ウエットタイヤに交換しコースに復帰。翌周にコースアウトした車両があり、フルコースイエローとなり、そのままセーフティーカーランに。波乱が続いて混沌とした状況が続くが、ほとんどのマシンがウエットタイヤを履いた状態でセーフティーカーランが続く。23周目にリスタートし、伊沢は8番手を走行。30周を過ぎる頃には日が差し込むほどに天候は回復、目まぐるしく変わる天候に振り回されながら伊沢は粘り強い走りで前についていく。ポジションを落としながらも懸命に走り41周目にピットインしてドライタイヤに交換し、太田に交代する。
太田は数周すると1つポジションを上げて10番手で走行していたが、雨が落ち出したため50周目にピットインを行ないウエットタイヤに交換しコースに戻る。直後にコースアウト車両があり、2回目のフルコースイエローとなる。この間にさらに別のアクシデントが発生し、セーフティーカーランに。その後、雨が強く降り出し、岡山国際サーキット付近に雷の情報が確認されたことで赤旗が出されレースが中断される。しばらくの中断のあと、セーフティーカー先導でレースが再開。ピットオープンとなるとウエットタイヤに交換するマシンが集団でピットインを行ない、混乱が続く中、太田はコース上でセーフティーカーに先導され周回していく。
61周目にセーフティーカーがピットに戻る予定だったが、トラブル車両があり、セーフティーカーランが継続。そして2回目の赤旗となる。この中断はしばらく続き、最大延長時間の16時半の10分前にやっと再開。この再開の際に順位が整理され、太田は11番手に。セーフティーカー先導の周回が続くが、コンディションがさらに悪化したことで3度目の赤旗でレース終了。なお、レース後にペナルティを受けたマシンがありModulo NSX-GTは10位でポイント獲得となった。
総監督 中嶋 悟コメント
「本当にいろいろなことがあって、こうやって振り返っても頭の中が混乱するほどのレースでした。最後のピットインでウエットタイヤに交換したタイミングは最高のジャッジだったと思っていましたが、直後にセーフティーカーが入ったことでそのアドバンテージが消えてしまったようです。コンディションの悪化で、後半はまともなレースだったとは言えない内容でしたが、なんとかポイント獲得となりました。第2戦は2週間あまりでやって来るので、最善の準備をして、引き続き優勝を目指して戦っていきます。大変なレースでしたが、たくさんのご声援をいただき感謝しております。」
伊沢 拓也選手コメント
「上位グリッドからのスタートで、今日のレースには期待をしていましたから、この結果はとても悔しいです。ですが、週末を通して振り返ると予選ではいいところもありました。シーズン初戦からポジティブに感じられるところも、改善点も、様々なことが分かるレースになりました。得られたものを次戦につないでいきたいと思います。」
太田 格之進選手コメント
「GT500の初レースでしっかりとクルマを完走させることができ、ペースも悪くなかったので、個人的にはいいレースができましたが、結果が出せずに悔しい気持ちの方が大きいです。自分自身のマシンの習熟も進んでいると感じられる部分もあって、そういったところは次戦につなげていけると思います。ペース的に足りていないところが響いたレースになったので、チームと協力して開発も進めながら次戦に挑みたいと思います。」
※次戦は5月3日・4日に富士スピードウェイで行なわれます。