第6戦 ツインリンクもてぎ

ドライタイヤとウエットタイヤが混在する難しいコンディションのなか、山本が予選2番手を獲得！

残り2戦となった今シーズンのSUPER FORMULA。第5戦からのもてぎ2連戦の2戦目となる。サーキットは同じでも前戦は夏、今大会は秋が深まりつつあり、前回とはまったく違う気候での大会となる。気温20℃とすっかり秋らしい気候となったツインリンクもてぎの予選日は終日曇に覆われた。

まずはAグループ出走の大湯都史樹が2番手でQ1を突破、Bグループの山本尚貴も4番手でQ2に進出する。Q2ではコースインした直後に雨が降り出した影響でウエットタイヤに交換するなどして、ドライタイヤとウエットタイヤが混在する難しいセッションとなったが、大湯はウエットタイヤで2番手を獲得。続いて山本もウエットタイヤでアタックをして3番手で今シーズン初のQ3進出を決める。Q3ではライバルの1台を除いて7台がウエットタイヤを装着してコースインする。雨はあがったが路面は濡れている微妙なコンディションで、最終的にはドライタイヤが優勢となったが、山本はウエットタイヤ勢の中では最前列となる2番手を獲得、大湯はアタック中に他車に引っかかり8番手に留まった。

総監督 中嶋 悟コメント

「難しいコンディションの予選となりましたが、スリックの大津選手を除けば、山本が最前列を獲得することができたので、よしとしたいと思います。レースは明日を入れて残り2戦となるので、2台揃って粘り強くいいレースをしたいと思います。」

#1 山本尚貴選手コメント

「毎戦どのレースも強く走ろうと思って戦っていますが、今年はそれが裏目に出てしまうことが多かったように感じます。チームはいつでも一生懸命やってくれているし、その力があるからこそ、今回2番手という結果を得ることができましたが、僕の判断がたまたまいい方向に転んでくれたかな……という感覚があります。マシンについても大きな収穫があって、最後にポールポジションは獲れませんでしたが、ウエットタイヤを履いたメンバーの中ではトップタイムを記録できたので良かったです。やはり、いい結果を出すことが最も説得力を持つことなので、結果を積み重ねることでみんなに頑張ってもらえるきっかけになると思うと、とても意味のある予選になったと思っています。いい位置からスタートできるので、明日はできれば勝ちたいし、表彰台には上がりたいです。そうすれば、うまく回り始める部分も出てくると思うので、そんなきっかけを与えてくれたチームに感謝しています。明日はこの気持ちを倍にして伝えられるよう、頑張ります。」

#64 大湯都史樹選手コメント

「今回は朝から何となく、なにかがかみ合っていない感覚があったのですが、それが的中したような予選になってしまいました。Q2でのウエットタイヤへの判断は良かったと思いますが、Q3ではタイミング的に違うタイヤを選択したドライバーにウォームアップから引っかかってしまう形になり、結果として自分のウォームアップもうまくいかずレインタイヤ勢のなかでもいいタイムが出せずに終わってしまいました。今振り返ると、コースインするタイミングを変えればよかったのかもしれないとか、いろんなことを考えますが、ただ今回もいい判断ができたおかげでQ2を突破してQ3に進むことができたので、その点は悪くなかったと思います。明日は雨の予報で天候が変われば荒れた展開になる可能性もあります。それを味方にして、逆転したいですね。」

2番手スタートの山本はレース中盤に接触でリタイア。
大湯はベストラップを刻みながら最後まで粘るも、ポイント獲得ならず。

朝から雨で、30分間のフリー走行もウエットコンディションでの走行となった決勝日。降り続いた雨はレース進行がスタートする頃にはすっかりあがり、路面は乾いていく方向の中、35周のレースがスタートを切る。2番手スタートの山本はポジションキープでオープニングラップを終えたが、8番手スタートの大湯は接触がありコースアウトして最後尾まで順位を下げる。大湯は緊急ピットインでタイヤ交換後コースに復帰。トップの車両が10周を終えると、大湯は続いて義務のピットインを行ない、ドライタイヤに交換してコースに戻る。大湯は後方から挽回すべくハイペースで周回を続けていく。2番手を走行していた山本は12周目にセーフティーカーが入ったところで、多くのマシンがピットインを終えていく中、ステイアウトを選択。すぐにレースは再開され、16周の終わりでピットインを行ない、こちらもドライタイヤに交換してコースに戻る。時折り日が差すほどコンディションは回復する中、クラッシュ車両が発生し2度目のセーフティーカーが入る。20周終了時に再びレースがスタート。ここでラップダウンしていた大湯がトップ車両の真後ろを走っていたため、チームの指示でポジションを譲ろうとスローダウンしていたが、このタイミングに影響を受けるかたちで、混乱が起こってしまう。後方でバトルをしていた山本が他車を巻き込むクラッシュをしてしまい、ここでレースを終えてしまう。終盤に入り、大湯はベストラップを刻みながらポジションを少しずつ戻していたが、セーフティーカー中の追い越しやオーバーランによって多くのペナルティを受け、14位でチェッカーとなった。

総監督 中嶋 悟コメント

「山本は昨日までうまく運んでいたことが、結果的にピットインのタイミングをずらしたことで別の方向にいってしまったようです。大湯については、この大会は歯車が噛み合わなかったという印象です。残すは鈴鹿の最終戦のみとなりました。チャンピオンは決まりましたが、自分たちは目標としていることを達成するために精一杯頑張りたいと思います。今大会もたくさんのご声援をいただき、ありがとうございました。」

#1 山本尚貴選手コメント

「平川選手との接触は自分のミスでした。彼のレースを台無しにしてしまい、平川選手とチームインパルの皆さんに申し訳なく思っています。昨日は天候などに恵まれた部分もあり、今日は逆に見放された部分があります。そんな中で、今回の実力がどうだったのか、正確に言えない部分は多いですが、もてぎを速く走るためにはどうしたらいいのかは少しつかめた気がします。ただこれが鈴鹿でも通用するかといえばその保証はないですし、ここから鈴鹿に向けたセットアップをまたエンジニアと一緒に考えて、今シーズン最後のレースで表彰台や優勝に絡める戦いをしたいと思っています。」

#64 大湯都史樹選手コメント

「スタート直後、3ワイドの真ん中に位置していたことで他車と接触してしまい、ホイールにダメージを負って早めにタイヤを換えなければならなくなってしまいました。それで序盤に順位を落とし、そこをきっかけに、良くない流れに入ってしまいました。今週は予選が不完全燃焼で終わり、決勝はすべてが悪い方向に行ってしまいました。鈴鹿は、昨年の2連戦で初優勝ができた場所なので、できればいい流れを作ってそれに乗りたいです。」

※次戦は10月30日・31日に鈴鹿サーキットで行なわれます。