シリーズ名:2003年全日本GT選手権(JGTC)
大会名:開幕戦・GT CHAMPIONSHIP in TI
距離:3.703km×82周
予選:3月29日 晴れ・観衆:1万9000人(主催者発表)
決勝:3月30日 晴れ・観衆:5万5000人(  同  )

テスト時間が不足気味でハンディを抱えたマシンで
ニューコンビが粘り強いレースを展開し5位入賞と上々の滑り出し
03シーズンは小暮選手(左)と松田選手のコンビ 3月下旬とはいえ、日陰のピット内は寒い
ニューマシンのリヤビュー ニューマシンのコックピット
朝夕の冷え込みは残っていたものの、日中の暖かさが一層増してきて、桜の便りが国内の各地から届けられるようになった3月29日〜30日、岡山県にあるTIサーキット英田では、2003年全日本GT選手権(JGTC)の開幕戦が開催された。
直前の木曜日には合同テスト、金曜日には公開練習が実施されたが、人気のGTマシンやドライバーを一目見ようと、気の早いファンは木曜日からサーキットに陣取るほどで、決勝レースが行われた日曜日には5万5000人もの大観衆がコースサイドを埋め、激しいバトルを心ゆくまで楽しんでいた。
 これまでと同様に、我がMobil1 NAKAJIMA RACINGは今シーズンもNSXで参戦することになった。
もちろんマシンは最新モデルの03年型で、レギュレーション(車両規則)が大幅に変更されたのを受け、中身を一新するほどのフルモデルチェンジされたニューマシンに生まれ変わっている。
これを操るドライバーも新コンビを結成。昨年までラルフ・ファーマンをサポートするナンバー2として頑張ってきた松田次生がエースに昇格し、サポート役にはフォーミュラ・ニッポン(FN)でもエースに抜擢された小暮卓史が、Mobil1 NSXのステアリングを握ることになった。
ただ一つ気がかりなことは、これもレギュレーションの変更によるものだが、NSXには、より大きなウェイトハンディが課せられたこと。そしてテスト時間が足りずに走りこみが不足していることだ。
 今回は、木曜日の合同テストが走り始めとなった。ウェイトと走り込み不足のハンディが厳しいのは、この最初のセッションから明らかで、タイム的には7〜8番手がベストという状況だったから、中嶋悟総監督や藤井一三テクニカルディレクターを初めとするチーム首脳は、そのポジションから決勝で、いかにして一つでも上のポジションをもぎ取るか、という作戦に変更。2日間のセッションで、本番セッティングを一層煮詰めることになる。
土曜日の公式予選では松田がタイムアタッカーを担当、午前中のセッションで1分26秒508をマークして、先ずは8番手につける。フォーミュラ以外は、これが初ドライブとなる小暮もあっさりと1分29秒台のタイムをマークしてクォリファイされた。
午後のセッションでも松田は渾身のアタックを見せたが、路面温度などのコンディションは、朝に較べて悪化していたようで7番手につけたもののタイムは悪化。結局9番手グリッドから決勝レースに臨むことになった。
 日曜日朝のフリー走行は、各チームがそれぞれの作戦に則って走行するために、絶対的なタイムやポジションは、余りアテにならないものだが、2人のドライバーはMobil1 NSXのフィーリングを確認、午後の決勝に向けて手応えを感じていたようだ。
 シーズンオフの間に登場したニューマシンの、公式的な"お披露目"となる開幕戦、しかも観客の動員数が5万5000人とあって、大盛況となったピットウォークを終え、最後のサポートイベントが終了すると、いよいよメインレース、GT開幕戦のスタート進行となる。
そして予定通り、午後2時にはローリングスタートでGTの決勝レースが開始された。
予選2番手のスープラが、ローリング中にマシントラブルで不出走となるハプニングがあったものの、スタートを手堅く行った松田は後方のNSXにパスされ、結局スターティンググリッドと同様の9番手でオープニングラップを終えることになる。
だが、松田はその後完璧な仕事をこなし、27周目の1コーナーでは先行するNSXを抜き返す。そしてピットインのタイミングもあって42周目にトップに立った後、レースも折り返し点を過ぎる44周まで引っ張ってピットに入ってきた。
 ガソリン補給とタイヤ交換、そしてドライバー交代。総ての項目をパーフェクトにこなしてピットのチームスタッフが新コンビを好サポートすれば、松田に代わってピットを後にした小暮も、これがGTデビューとは思えないほど冷静で着実なドライビングを見せる。
7番手でコースインラップを終えた後、一度は1台のGT-Rにパスされたものの、これをしっかり追走。
上位陣がトラブルやアクシデントで後退するハプニングの中、最後まで安定したペースで走りきり、5位でチェッカーを受けた。マシンの状態が完璧でないなら完璧でないなりに、着実に最後まで走りきって一つでも上のポジション=ポイントをゲットする。この作戦が見事に的中した今回得た8ポイントは、シリーズ終盤には、間違いなく重みを持ってくるだろう。

●Mobil 1 NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント
昨年はシリーズ最多の3勝をマークしながらもタイトルを獲り逃してしまいましたが、今回の開幕戦ではマシンにハンディを抱える中、着実に走りきって8ポイントをゲット。しかもハンディウェイトを一切増やすことなく第2戦に臨むことが出来るという、最高のスタートを切ることが出来ました。第2戦以降もチーム一丸となって、マシンのセットアップを進め、今回の強さに、昨年のような速さも取り入れたレースを目指していきます。悲願のタイトル奪取を目指す我がMobil1 NAKAJIMA RACINGに、これまでと変わらぬご声援のほど、よろしくお願いします。
※次戦は、5月2日〜4日、静岡県富士スピードウェイで開催されます
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