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シリーズ名:2007 オートバックス SUPER GT(S-GT)
大会名:開幕戦・鈴鹿GT300km
距離:5.807km×52周
予選:3月17日 晴れ・観衆:1万6000人(主催者発表)
決勝:3月18日 晴れ・観衆:3万0000人( 同 )
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表彰台ゲットで上々のシーズンスタート
速さを見せた2年目のロイック。新加入のファビオもベストジョブ
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32 EPSON NSX 予選2位 決勝3位 |
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07 Super-GTが鈴鹿で開幕!EPSON NSXは予選2位。フロント・ローからのスタート |
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初戦勝利の勢いで臨んだスタッフ一同 |
初コンビの2人の息はぴったり。3位表彰台のシーズンスタートとなった。 |
国内モータースポーツのトップカテゴリーとしてだけでなく、今や“世界最速のハコ車レース”としても知られるスーパーGTシリーズ(S-GT) 07年シーズンが開幕。
3月17.18日、少し冷え込みがぶり返したものの、快晴に恵まれた鈴鹿サーキットで3万人のファンがスピードバトルを楽しんだ。
このS-GTに、EPSON NAKAJIMA RACINGとして参戦する我がチームは、昨年までと同様、ホンダNSXの最新モデルを投入。開幕前のテストから、精力的にマシンのセットアップを続けてきた。3年前から履くようになったダンロップタイヤとのマッチングも上々で、各サーキットで好タイムを連発するまでになったが、今シーズンはドライバーコンビが変更となっている。
昨年、23歳コンビとしてS-GTデビューを果たした2人の内、ロイック・デュバル選手はそのまま残留し、2シーズン目の活躍が期待されるところとなっているが、もう一方の武藤英紀選手は今シーズン、北米のインディプロシリーズへの参戦が決定。代わってブラジル人ドライバー、ファビオ・カルボーン選手が加入した。
新コンビのデビュー戦となった開幕鈴鹿ラウンドは、3月16日(金曜日)の公式練習からレースウィークに突入した。雲は多かったが雨の心配はなく、コースは完全ドライ。まずまずのコンディションで2回の走行セッションが実施されたが、EPSON NSXはそれぞれ5番手、総合でも6番手につけ、まずまずの滑り出しを見せた。
今回はホンダのホームコースとあってNSX勢が好調。ロイックも「2番手辺りのタイムは見えているんだけどね」と余裕のコメントを残していたが、3月17日(土曜日)の公式予選では、それを実践して見せた。
午前10時10分から行われた1回目のセッションで、これまでのコースレコードを更新する1分51秒台の好タイムをマーク、あっさりと午後のスーパーラップ進出を果たすことになった。そして、そのスーパーラップではさらにタイムを短縮、1分50秒583のベストタイムでフロントロー、予選2番手を奪って見せたのだ。
これがS-GTデビュー戦となるファビオも、午前のセッションで最後の20分間、GT300クラスとの混走時間にコースイン。4周走っただけで予選通過基準タイムを楽々クリアーしていた。
決勝日となった3月18日(日曜日)は快晴で明けた。冷え込みは厳しかったが、まずまずのレース日和だ。午前9時25分からのフリー走行では本番セットを最終確認。いよいよ本番の決勝レースを迎えることになり、予定通り、午後2時にローリングラップがスタート。1周回ってきた2時04分に正式スタートが切られた。
スタートを担当したロイックは、後方集団でアクシデントが発生したのを尻目に着実にポジションキープ。トップを逃げる8号車に食らいつきながらオープニングラップを終えることになった。8号車のペースは速く、ロイックも敢えて深追いはせず、その後はじわじわ引き離されることになるが、後続へのアドバンテージを保ったまま周回を重ねていった。 その状況に変化が訪れたのは10周目。GT300クラスのバックマーカーを巧みに処理しながら先を急いでいたロイックだが、この周のS字コーナーでラインが交錯。より大きなダメージをさせるためにグリーンに足を落としたロイックはスピンしてしまった。それでも、グラベルにストップすることもなく何とかコースに戻ったが3台のマシンにパスされており、5番手でレースに復帰する。
しかし、ここからロイックの速さが光ることになる。5周をかけて1台を抜き返して4位に復帰し、なおも先を急ぐ。そして上位陣のルーティンピットもあり、トップに立った25周目に、ロイック自身もピットインしてきた。
だが、ここでまたもハプニング。ピットインしてきたEPSON NSXをチームスタッフが取り囲み、ジャッキアップした後にタイヤ交換とガソリン補給、そしてドライバー交替となるのだが、エンジン停止とジャッキアップのタイミングが僅かにずれてしまい、その後ドライビングスルーペナルティを科せられることになる。
また、タイヤ交換に少し手間取ったこともあり、ピットワークでは定評のある我がチームには珍しく、ファビオがピットアウトするまでに僅かだが、タイムロスが生じてしまったのだ。
だが、これがS-GTで初レースとなるファビオは慌てることもなく、7番手でレースに復帰すると、着実に、そして速いペースで周回を重ねていく。44周を終えたところでペナルティを消化するためにピットロードを通過していったファビオだが、それを除けば全く安定したペースで周回。上位の脱落もあり3位でチェッカーを受けた。
優勝さえ狙える速さを見せつけていたことを考えれば、惜しい結果でもあったが、新コンビで臨んだ開幕戦で表彰台を奪ったことは、若い2人のドライバーにとって大きな自信になったはず。チームのモチベーションも一層高まっており、次回に期待が高まった。
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●EPSON NAKAJIMA
RACING総監督 中嶋悟のコメント
結果3位で表彰台には登ったものの、複雑な気持ちですね。GT300のマシンを避けるためにスピンしてしまったことや、ピットでもペナルティを科せられてしまったこと。こんなミスがあったにもかかわらず、3位でゴールできたのは“運のある”3位、ということでしょうね。
でも、予選から速さは確認できていたし、上位を奪えるエリアには入れた、ということですね。本当は勝てるレースだっただけに残念な気持ちもあるし、(ハンディ)ウェイトを少しずつ重ねていくのは好きじゃないけど、次回に期待できるレースでしたね。 |
※次戦は、4月7日〜8日、岡山県岡山国際サーキットで開催されます |
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