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シリーズ名:2002年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN) |
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3位入賞のファーマンが念願のチャンピオン獲得
手堅く走った松田も6位でダブル入賞し、シーズンに有終の美 |
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ファーマン選手は3周目にピットインし タイヤ交換 | レースの行方をピットのTVで見守るスタッフ |
11月の声を聞き、紅葉前線もぐんぐんと列島を南下し、朝夕の冷え込みも一段と厳しくなってきた11月2日〜3日、三重県にある鈴鹿サーキットでは2002年全日本選手権フォーミュラ・ニッポンのシリーズ最終戦が開催された。 前回のシリーズ第9戦でチームタイトルを手にした我がPIAA NAKAJIMA RACINGにとっては、もうひとつのタイトル=ドライバーズタイトル獲得に向け、ラルフ・ファーマン選手が王手を掛けていたこともあって、一層モチベーションの高くなるファイナルラウンドとなった。 鈴鹿サーキットは低速コーナーから中速コーナーが連続する区間、そして高速コーナーまでもが組み合わされた、テクニカルでチャレンジングなコースで、世紀の一戦に相応しい舞台設定となった。 ファーマン選手と、若手の松田次生選手がコンビを組むドライバー陣だけでなく、指揮を執る中嶋悟総監督を筆頭に、藤井一三・チームディレクターが率いるチームスタッフが手掛けるレイナードの最新シャシー、尾川自動車にチューニング&メンテナンスを委託した無限エンジン、と、我がチームのパッケージングは昨年と全く同様。 ここまでの9戦ではファーマン選手が4勝を挙げ、更に松田選手も2度の表彰台を含めて数回の入賞を飾るなど活躍して最終戦を残した段階でチームタイトルを決定していたから、今回の最大のテーマはやはり、ランキングトップにつけたファーマン選手がドライバーズタイトルを獲得できるかどうか、となっていた。 ランキング2位につける本山哲選手とのポイント差は8。 もちろん、勝ってタイトルに花を添えることが出来れば最高だが、本山選手が優勝したとしても、ファーマン選手が4位以内に入賞すれば、逃げ切りでファーマン選手のチャンピオンが確定する。 攻める部分と守りの部分が入り混じった複雑な展開となることが予想された。 少し雲間は広がっていたが、完全なドライコンディションで土曜日朝の公式練習が始まった。 最後の戦いに向け、チームはマシンのファインセットを進めていく。このセッションでファーマン選手は5番手、松田選手は4番手。 トップとのタイム差はコンマ5秒からコンマ7秒でマシンのフィーリングもよく、ポジション的にもタイム的にもまずまずの滑り出しとなった。 午後2時前から始まった1回目の公式予選セッションではファーマン選手が3番手で松田選手は5番手。 そして午後4時前から始まった勝負どころとなる2回目のセッションではファーマン選手も松田選手も、ひとつずつポジションを下げてしまい、それぞれ4番手と6番手のグリッドから決勝レースに臨むことになった。 相変わらず、マシンのフィーリングは良いのだが、ファーマン選手のマシンにミスファイアの出るトラブルが垣間見られたのが気になるところ。 松田選手のほうはファインセットを組み立てているうちに時間切れとなった結果で、決勝では猛チャージが期待できそうだった。 決勝当日朝のフリー走行では、松田選手のマシンにエンジントラブルが発生した。 松田選手は3周走ったのみでピットに戻り、スタッフは決勝に向けてエンジン交換を急ぐことになる。 トラブルが出たのは痛いところだが、それでも決勝でなく朝のフリー走行だったのはラッキーだった。 またファーマン選手のマシンも、予選で見られたミスファイアの原因が分かり、決勝までに対策し終えていたから、2台が揃って完璧なコンディションで決勝レースを迎えることになった。 決勝レースは予定通り、午後2時半にスタートが切られた。 トップ4は順当なスタートを切ってグリッドどおりに1コーナーを目指し、ひとつポジションを上げた松田選手がこれに続く。 オープニングラップを終えたトップグループは、脇阪寿一選手を先頭に土屋武士選手、本山選手、ファーマン選手、松田選手が一団となってコントロールラインを通過していく。 2周を終えたところで、まずは本山選手がタイヤを交換する。そして3周目を終えたところでファーマン選手、4周目を終えたところで脇阪選手、5周を終えたところで土屋選手、と次々にタイヤ交換のピットインを行う。 その5周を終えたところでトップに立った松田選手は、少し引っ張って7周を終えたところでタイヤ交換のためにピットインする。 こうしたルーティンのピットインが終わった時点での上位陣のオーダーは、本山選手がトップに立ち、土屋選手をはさんでファーマン選手が3番手。 脇阪選手と服部尚貴選手をはさんで松田選手が6番手につけていた。 トップ4は数秒ずつの間隔が開いていたからファーマン選手は無理なチャージを仕掛けることなくポジションキープの作戦に切り替える。一方の松田選手はベテランの後方から猛プッシュ。 レース中盤には誰よりも速いペースで先を急いだが、ベテランの服部選手は流石にミスを犯すこともなく全く付け入る隙を与えない。 そんな状況でレースは中盤から終盤戦、そしてチェッカー。 3位でゴールしたファーマン選手は4ポイントを加算。追いすがる本山選手を2ポイント差でかわし、念願のドライバーズタイトルをゲット。 我がチームにとっては2000年以来のダブルタイトルが決定した。松田選手も6位でチェッカーを受けダブル入賞でタイトルに花を添えた。 |
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■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント |
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Round9 |