シリーズ名:2002年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第1戦・鈴鹿サーキット/UFJカードカップレース

距離:5.821km×35周
予選:3月23日 曇り時々雨 
・観衆:1万6000人(主催者発表)
決勝:3月24日 晴れ 
・観衆:2万4000人(  同  )

ファーマン選手が見事なポール・ツー・ウィン!!
松田選手も3位で表彰台をゲット
 2002年のモータースポーツシーズンが、いよいよ本格的に開幕した。国内トップフォーミュラとして知られる全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)は、昨年に続いて『21世紀 日本一速い男決定戦』がキャッチフレーズだ。
オープニングゲームの舞台は恒例の鈴鹿サーキットだが、このシーズンオフに大幅なコース改修があり、新シーズンの幕開けに相応しいフレッシュなバトルが期待された。
我がPIAA NAKAJIMA RACINGは、このFNにおいて99年、2000年と2年連続でダブルタイトル(=ドライバー&チーム)を獲得しているが、昨年はシーズン序盤にリズムを狂わせてしまい、残念な結果に終わっているだけに、今シーズンに掛ける意気込みは、例年以上のものがあった。
チームのパッケージングは昨年と同様で、ドライバーは実力派のラルフ・ファーマン選手と若手の松田次生選手のコンビ。
マシンはレイナードの最新モデルを投入し、尾川自動車にチューニング&メンテナンスを委託した無限エンジンを搭載。
マシンのメンテナンスは中嶋 悟総監督の指揮の下、藤井一三・チームディレクターが率いるチームスタッフが手掛けることになっている。
早々とニューマシンが到着し、2月末には美祢サーキットでシェイクダウンのプライベートテストを実施できたが、ここで2人のドライバーが好タイムを連発。
また富士と鈴鹿で行われた合同テストでもトップレベルのタイムをあっさりとマークしていたために、開幕を控えて2人のドライバーだけでなくチームスタッフ全員の意気は、一層高まることになっていった。
金曜日にサーキット入りしたスタッフは、土曜朝の公式練習に向けてマシン準備するが、この土曜朝のセッションが事実上のシェイクダウンとなった昨年と違い、マシンが早々に到着し、すでにプライベートテストで好タイムをマークしていた実績があるだけに、スタッフの手つきも軽やかだ。
その公式練習では松田選手が4番手、ファーマン選手が6番手につけた。2人のドライバーはともに、マシンのフィーリングの良さに手応えを感じていた ようで公式予選でのタイムアップが期待された。
公式予選は土曜日の午後。
1回目のセッションが午後2時20分から、2回目のセッションが4時15分から、それぞれ45分間に渡って行われた。前日までの穏やかな、というよりも5月並みの暖かなものから急変し、肌を冷気が刺す花冷え、しかも時折小雨がパラつく不順なものとなり、各チームともにタイムアタックのタイミングを計りかねていた。
だがやはりハイライトは2回目のセッションの終盤。
口火を切ったのは松田選手だった。
1回目のセッションでタイムアタックのタイミングを見誤り6番手に甘んじていた松田選手はラスト10分を切ったところで最後のアタックにピットを後にする。そしてラスト5分となったところで1分43秒132とタイムを縮め、次の周には1分42秒793をマークしてトップに立った。
これを逆転したのがファーマン選手。公式練習、1回目のセッションと尻上がりにセッティングを煮詰めていった彼は、最後の最後で松田選手を上回る1分42秒600をマークして逆転ポールをもぎ取った。脇坂寿一選手もファイナルアタックで42秒台の好タイムをマークしたが、ファーマン選手には届かず2番手。結局PIAA NAKAJIMA RACINGは、ファーマン選手と松田選手が1、3番手からスタートすることになった。
 決勝日も、青空は広がったものの花冷えは相変わらず。しかも時折小雨がパラつくなど、エンジニアを悩ませる天気となった。
ピットウォークに続いて記念式典、そしてインテグラのワンメイクレースとプログラムが進んでいき、いよいよ午後2時に決勝レースのスタート進行が始まった。
心配されたコンディションは晴れ/ドライで、開幕戦に相応しいホットなバトルに期待が高まっていく。
そして午後2時半、予定通り正式スタートが切って落とされた。
好ダッシュを見せたのはポールシッターのファーマン選手。
反対にセカンドポジションの脇坂選手はスタートをミスしてしまい、後続集団に飲み込まれてしまった。
 ファーマン選手の後方から、これも好ダッシュを見せた松田選手は、一車身分イン側にラインをとるが、そこはタイヤカスもあって路面が滑り易く、ホイールスピンをしてダッシュが一瞬鈍ってしまい、後方からアウト側を使って見事な好ダッシュを見せた本山哲選手にかわされ3番手で1コーナーへと飛び込んでいった。
2コーナーを立ち上がった各車はS字、逆バンク、そして新装したダンロップカーブと一列縦隊で抜けていくが、ファーマン選手が早くも頭ひとつリードして西コースへと向かっていった。オープニングラップを終えたところでトップはファーマン選手。
2番手の本山選手に1.6秒の大差をつけ、なおもこれを引き離しに掛かる猛プッシュを続ける。
2周目には2.7秒、3周目には3.7秒と、本山選手との間隔を広げていったファーマン選手は、これ以降は2位との間隔をコントロールしながらの走行が続いた。
13周を終えたところで本山選手が先にピットイン。
ファーマン選手も次の周にはピットインしてタイヤを交換するが、ピットアウトした時点で最大のラ イバルだった本山選手が脱落したため、以後は楽な展開で快走、昨年の第8戦から3戦連続してトップチェッカーを受けることになった。
一方、オープニングラップを3位で終えた松田選手は、2位をいく本山選手にプッシュを掛けながらも、後方から迫る土屋武士選手や、道上龍選手にも気を配らなければならず、ハードな戦いを余儀なくされていた。
7周目には道上選手と脇坂選手が早くもタイヤ交換を行う。
彼らを直接のライバルとしていた松田選手は10周目にタイヤ交換を行うが、後続の土屋選手15周目までタイヤ交換を遅らせる作戦となり、タイヤ交換後のポジションで松田選手は土屋選手の後塵を拝することになってしまった。しかも、後方からは道上選手が執拗にプッシュし続ける。
そんな状況の中、松田選手は最後まで集中力を途絶えさせることなくノーミスで走り、3位でチェッカー。
大きく成長したところを見せた。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「1位と3位のダブル表彰台、と最高のスタートダッシュを切った2002年シーズン。我がPIAA NAKAJIMA RACINGは、ダブルタイトル奪回を目指して頑張っていきます。今シーズンもまた、ご声援をよろしくお願いします。」

※次戦は、4月6日〜7日、静岡県富士スピードウェイで開催されます。
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