シリーズ名:2001年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)
大会名:第10戦・鈴鹿サーキット/ミリオンカードカップレース
距離:5.859km×35周
予選:11月17日 晴れ・観衆:1万1000人(主催者発表)
決勝:11月18日 晴れ・観衆:3万2000人(  同  )

4番手グリッドから好ダッシュを見せたファーマンが2連勝で有終の美!!!
ポールスタートの松田はアクシデントの後も粘走、9位完走を果たす。

 木枯らしは一層寒く、そして陽射しが一層柔らかくなり、まさに冬本番が告げられるようになった11月17〜18日、国内モータースポーツのメッカとして知られる鈴鹿サーキットでは、激戦が展開されてきた2001年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(FN)のシリーズ最終戦が開催された。
ここ鈴鹿では7月にシリーズの折り返しとなる第5戦も開催されていたが、この時は東スペシャルコース。今回と同じフルコースで戦われるのは3月の開幕戦以来8ヶ月ぶり。
高速コーナーもあれば、中低速のコーナーが連続するテクニカル・セクションもあるレイアウトは、ドライビングだけでなくマシンのセットアップに関しても、トータル的なポテンシャルが要求されることでは屈指のサーキットだ。
国内トップフォーミュラとして知られるFNだが、昨年、一昨年と2年連続してドライバー&チームのダブルタイトルを獲得してきた我がPIAA NAKAJIMA RACINGは今シーズン、参戦体制を一部リフレッシュ。
エンジンのメンテナンスを尾川自動車に委託、シャシーのメンテナンスは中嶋悟総監督の指揮の下、藤井一三・チームディレクターを中心にチームスタッフが担当することは変わりなかったが、エースには昨年まで我がチームでナンバー2を務めていた松田次生選手を抜擢し、サポート役には昨年までGフォースの実戦&開発ドライバーを担当していた実力派のR.ファーマン選手を起用。
この若いコンビでシリーズを戦ってきた。
シーズン序盤はマシンのセットアップに手を焼き、また不運なトラブルにも足をすくわれるケースも目立ち、なかなか思うような結果を残せないで来たが、シーズン中盤以降は間違いなくトップクラスのパフォーマンスを発揮するようになってきた。
前回、第9戦となったもてぎラウンドではファーマン選手がポールから独走優勝を飾っており、最終戦となる今回こそは、予選・決勝を通じて、しかも2台揃っての上位進出が期待されていた。
 土曜日、日曜日を通じて空は高く晴れ上がり、コースは完全なドライ。
しかも気温が低く絶好のコンディションが続いた。土曜日の午前9時50分から1時間に渡って実施された公式練習では松田選手が2番手、ファーマン選手が3番手と、2台揃って好調な滑り出しを 見せた。
公式予選は午後1時50分からと午後3時25分からの2回で、ともに45分間のセッションが設定されていた。
1回目のセッションでは松田選手があっさりとトップタイムをマークする。
しかも、これまでのコースレコードを更新する1分44秒851の好タイムだ。
アタックラップ中に遅いマシンに引っかかったファーマン選手も45秒042で2番手につけ、勝負所となる2回目のセッションを待つこととなった。
その2回目は、1回目に松田選手がマークした44秒851がターゲットタイムとなる。
ここでも松田選手は好調で、セッション中盤には早々と1分44秒486まで短縮、呆気なくポール争いに勝ち名乗りを挙げることになった。
一方のファーマン選手はまたしても、遅いマシンにつかえてしまう不運に見舞われ、1回目に松田選手が叩き出したタイムは更新したものの、44秒630で4番手に留まってしまう。
しかし、データロガーで確認する限り、ファーマン選手も松田選手にひけを取らない速さが確認されており、決勝への期待は一層高まることになった。
 土曜日と同様、日曜日も空は高く晴れ上がり、絶好のレース日和となった。
朝一番のフリー走行でもマシンには何の異常も感じられず、2人のドライバーは決勝での好成績を革新することになった。
午前中に2つのサポートレース。
大盛況のピットウォークを挟んで2輪レースが行われた後、いよいよメインイベントのFNがスタートとなる。
全日本選手権では、F3も含めてこれが初ポールとなった松田選手だが、それに全く臆することなく着実なスタートダッシュでトップをキープしたまま1コーナーへとアプローチしていった。
一方、4番手スタートとなったファーマン選手は、松田選手以上の好ダッシュを見せ、土屋武士選手をかわして3番手で1コーナーを立ち上がっていく。
そしてトラブルに見舞われたかスピードの乗らない本山哲選手に代わって2番手でオープニングラップを終えることになる。
これで松田選手とファーマン選手による1-2体制が確立。
願ってもない状況で序盤戦は展開していった。1秒余りの間隔を保って周回を重ねていった2台は、12周を終えた時点で先ずはファーマン選手が、そして続く13周を終えた時点ではトップを行く松田選手が、相次いでタイヤ交換のためにピットイン。
ピットスタッフも万全の体制で2台をサポートし、タイムロスをともに最小限に抑えることに成功した。
しかし、インラップで少し遅れを取ったのか、松田選手はファーマン選手の後方でピットアウト、結果的にタイヤ交換の間にトップが後退することになった。さらに松田選手がピットインを終えた次の周に、事実上の3位を走行していた脇阪寿一選手がピットイン。
松田選手の鼻先でピットアウトしたので、これで松田選手は事実上の3番手まで後退してしまう。
脇阪選手のタイヤが温まってしまう前に、何とかこれをパスしようと松田選手は猛チャージ。
1コーナーから2コーナー、S字からダンロップとテール to ノーズ状態で脇阪選手を厳しく追い立てる。
そして次の周のストレートでスリップストリームにつき、1コーナーでアウトからパッシングすることに成功した。
だがその直後に両者は接触し、グラベルまでスピンオフした松田選手は大きくタイムロス。
何とか再スタートは切ることが出来たが、ポジションは14番手まで後退してしまった。
 そんな松田選手のハプニングを尻目に、トップに立ったファーマン選手は快調に周回を重ねていく。
そしてセカンドファステストとなる47秒台後半から48秒台前半でコンスタントに走ったファーマン選手は、前回のもてぎラウンドに続いて2連勝。
序盤は不運に泣くことが多かった2001年シーズンに、有終の美を飾ることになった。一方、スピンオフで14番手まで後退しながらも、その後はアグレッシブな走行を見せた松田選手は次々と前車をパス、見事9番手までポジションを上げてチェッカーを受けた。結果には不満も残るが、その走りの内容では満足できる最終戦となった。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督中嶋悟のコメント
「今回、ファーマン選手が2連勝を飾り、また9位に終わったものの松田選手もポールを奪い、決勝でも力強い走りを見せたことで、不本意だったシーズンに有終の美を飾ることが出来ました。
すでに我がPIAA NAKAJIMA RACINGでは、今シーズンと同じ体制で来シーズンに臨むことが決定しており、2人のドライバーともに、来シーズンに繋がる走りが出来たことに満足しています。
今シーズン我々のレース活動にご支援、ご声援をいただいたPIAA株式会社様をはじめとするスポンサーの皆様に改めて感謝申し上げたいと思います。」

Round9


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