シリーズ名:2006 オートバックス SUPER GT(S-GT)
大会名:第8戦・SUPER GT in 九州 300km RACE
距離:4.674km×65周
予選:10月14日 晴れ・観衆:1万4970人(主催者発表)
決勝:10月15日 晴れ・観衆:3万6230人(  同  )

公式練習では韋駄天ぶりを見せつけるも些細なトラブル発生
予選以降は速さが少し不足する中、精一杯の戦いを展開した
32 EPSON NSX  予選15位 決勝12位

好天に恵まれたオートポリス。10月中旬とは思えぬ暑さで、急遽クールスーツを手配する。

予選でデファレンシャルにトラブル。スーパーラップ進出は出来なかった。
スタートドライバーは今回はロイック選手。

33周を走り2位までポジションアップしてピットイン。

10月も中旬を迎え暦の上では秋真っ盛り。モータースポーツでもメジャーシリーズは、そろそろ終盤を迎えることになった。九州は大分県日田市、熊本との県境近くに位置するオートポリスでは、ここ数年の恒例となったSUPER GT秋の陣、シリーズ第8戦が先週末に開催された。
例年ならば、朝夕の寒さが厳しく、日中でも肌寒い空気が心地よかった九州ラウンドだったが、今年は暑さがぶり返す格好で、週末3日間を通じて真夏日に逆戻り。それでも、好天に恵まれ、土曜日曜の2日間で5万人を超えるファンがサーキットに詰めかけ、シーズン終盤を迎えたSUPER GTのハイスピードバトルを、心行くまで楽しんでいた。
 走り始めとなった金曜日午前の公式練習から、総ての走行セッションがドライコンディションに終始した。その1回目のセッションではロイック・デュバルがあっさりと5番手タイムをマーク。午後の2回目には1分41秒台でやはり5番手につけることになる。
午前午後と、本番セットを詰めることに徹していた武藤英紀も、やはりあっさりと1分44秒台をマーク、上々の滑り出しとなった。
8月末に、ここオートポリスで実施された事前テストではタイム的に厳しい面もあったが、先日の富士事前テストでは圧倒的なトップタイムをマークしており、チームの勢いは一層加速した感があった。
タイヤを供給するダンロップでも、精力的なタイヤ開発が続けられているようで、今回もタイヤのパフォーマンスは充分。ルーキーコンビにとって念願だった表彰台に向け、一層視界が開けたように思われた。
 だが、土曜日にはアンラッキーなハプニングが待ち受けていた。デフにトラブルの兆候が見受けられたのだ。根本的に解決するには時間がなさ過ぎたから、チームでは次善の策として2人のドライバーに、予選で通過基準タイムをクリアーすることだけを要求。
このリクエストに応えて2人のルーキーは、午前中のセッションでは計測ラップ1周のみの走行で、予選通過に充分なタイムをマーク。ルーキーらしからぬ、見事な仕事ぶりだった。
なお、富士のテストを終えてエンジンにトラブルの兆候が現れたこともあって、今回はフレッシュエンジンでレースウィークを迎えることになり、レギュレーションによりエンジン1基で2レースを戦う。(特例として鈴鹿1000kmは1基で1レース。)鈴鹿以降の残り3レースを2基のエンジンでまかない、1レース+2レースとするか2レース+1レースとするかはチーム毎の判断に従って、このエンジンで最終戦の富士ラウンドも戦うことが決定していたから、その意味からも、無用に(エンジンの)マイレージを伸ばすことは避ける必要があった。
 決勝レースが行われた日曜日も好天に恵まれた。高地にあるオートポリスとは言え、日射しは厳しく、日向にいるとじっとしていても汗ばむほど。路面温度も、スタート前には40℃近くまで上昇。
ミディアムを選んだ我がチームにとって、絶好のコンディションとなっていた。
予選終了後にエンジンを載せ替えたマシンがあり、結局14番手グリッドからスタートしていったロイックは、逸る気持ちを抑えながら着実なペースで走行を続けた。
ただし、今回使用するエンジンで最終戦も戦うことから、普段なら見逃してしまいそうな小さなミスも厳禁。しかもデフのトラブルで土曜日のセッションを、目一杯走れなかったハンディは小さくなかったようで、どうしても速さが足りなかったのは仕方ないところ。
それでもロイックは、ダンロップタイヤのロングライフに助けられながらも33周のロングスティントを走り切り、2位までポジションアップして武藤にステアリングを引き継いだ。
チームも、余裕を持ってルーティンワークをこなし、後半のスティントを担当する武藤を送り出す。結局、ロイックと同様14番手で走り始めた武藤も、ロイックと同様に完全なノーミスでのドライブを敢行。
すでに全車がルーティンピットを終えていたために、ロイックほどのポジションアップは適わなかったが、タイムの伸び悩んでいた何台かをパス。12位でチェッカーを受けた。制約が多かった分、2人のルーキーにとっては消化不良のようなレースとなってしまった。
しかし、次回の富士では事前テストでは圧倒的なベストタイムをマーク。幸いなことに、今回、入賞しなかったことでウェイトハンディに悩まされることもなく、2人のルーキーは、完全燃焼の好レースを見せてくれるだろう。

●EPSON NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント
 なかなか上手くいきませんね。今回は、金曜日の走り始めから好調で、ダンロップさんも素晴らしいタイヤを用意してくれたのですが、トラブルで、そんな流れを土曜日以降に繋げることが出来ませんでした。
でも、様々な制約の中、2人の若いドライバーも、チームスタッフも、ノーミスで完璧な仕事をしてくれました。この流れを大事にして最終戦に臨み、今度こそ、初優勝で有終の美、と行きたいですね。
次回も是非、応援してください。

※最終戦は11月3日〜5日静岡県富士スピードウェイで開催されます


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