シリーズ名:2006 オートバックス SUPER GT(S-GT)
大会名:開幕戦・鈴鹿GT300km
距離:5.807km×52周
予選:3月18日 晴れのち雨、時々曇り・観衆:1万4000人(主催者発表)
決勝:3月19日 晴れ ・観衆:3万0500人(  同  )

23歳のルーキーコンビがスーパーGTにデビュー
1回ずつのミスもあったが、次回に繋がる内容で、まずは及第点
32 EPSON NSX  予選9位 決勝15位
ルーキー二人のデビュー戦。共に23才のデュバル選手と武藤選手 初めてのスーパーGT予選はウエットコンディションとなるが、見事スーパーラップ進出を果たす。
ハコレース初デビューの二人は、レース中のドライバー交代も初めて。 初戦を終えてまずは及第点、と中嶋総監督。
 スーパーGT06年シーズンの開幕ラウンドは鈴鹿サーキット。夏には伝統のイベント、鈴鹿1000kmが開催されてきたが、今シーズンからは、これもS-GTのシリーズ戦に組み入れられることになり、さらに飛躍が期待されている世界一のハコ車レースだ。
 我がチームは、昨年に引き続いてEPSON NAKAJIMA RACINGとして、このトップシリーズに参戦する。マシンはホンダNSXの最新バージョン、NAにコンバートされたモデル。タイヤも昨年と同様にダンロップDIREZZAを使用するなど、ハードウェアに関してはパッケージングには一切変更がない。
 だが、このマシンを操るドライバーが、今シーズンは一新されている。昨年はユーロF3を戦っていたロイック・デュバル選手と、全日本F3を戦っていた武藤英紀選手。2人の有望なルーキーがEPSON NSXのステアリングを握ることになったのだ。
ちなみに、2人は国内トップフォーミュラのフォーミュラ・ニッポン(FN)でも、我がチームから参戦することが決定している。
ともにレーシングカートでモータースポーツの世界に入り、ミドルフォーミュラでチャンピオンを獲得。大いなる希望とともにステップアップしたF3では、常に速さを見せながらも、2シーズン戦ってチャンピオンには手が届かなかった…。
よく似たキャリアを持つフランスと日本の若者は、ともに23歳。互いに刺激しあいながら、ともに伸びていってくれるよう期待したい。
 そんなルーキーコンビのデビュー戦となった06年シーズン開幕戦は、3月17日の公式練習からスケジュールが始まった。ハーフウェットからドライへと変わっていった午前のセッション、完全ドライに終始した午後のセッション。2人のルーキーは着実にテストメニューを消化し、同時にピットインのシミュレーションからドライバー交替まで、初めて体験することになる課題…ともにハコ車のレースは今回が初めて…も、確実にこなしていた。
土曜日の公式予選も、午前の1回目がドライ、午後の2回目とスーパーラップが完全ウェット、とコンディションが一転。
新人にとっては厄介な状況となったが、2人のルーキーは予想以上、期待通りのパフォーマンスを披露してくれた。
今回、アタックを担当したのはデュバル選手だったが、専有走行時間帯に10周を費やして10番手タイムをマーク、午後に行われるスーパーラップへの出場権を獲得した。
一方の武藤選手も、GT300との混走セッションに僅か6周走っただけで、予選通過基準タイムをあっさりとクリアーしている。
そのスーパーラップは雨の量が刻一刻変わる不安定なコンディションとなったが、デュバル選手はアグレッシブな中にもノーミスのドライビング。
アクシデントの影響でスーパーラップの権利を放棄することになったマシンがあり、結果的にスーパーラップへは9番手通過となっていたが、ポジションを落とすことなく9番グリッドを確保することになった。
 日曜日は再び快晴となる。だが、気温は季節外れに低く、またスタート前には雪が舞う一幕もあったが、決勝レースは最後までドライコンディションで争われた。
スタートを担当したのはデュバル選手。カート以来となるローリングスタートも無難にこなし、ポジションをキープしてオープニングラップを終えることになった。だが、その直後、2周目の1コーナーでオーバーランしてしまう。スタート時の路面温度は16℃と低く、タイヤはまだ充分には温まっていなかったのだろう。
これでGT500クラスの最後尾までポジションダウンしてしまったデュバル選手だが、その後はアグレッシブさと着実さを両立させたドライビングを展開。予定通りレースの半分、26周を走り終えたところでピットインしてきた。
 タイヤ交換とガソリン補給。チームにとっては手慣れたルーティンワークがスムースに行われるのと同時に、両選手にとっては今回が、実戦では初めてとなるドライバー交替も無難に終え、EPSON NSXはピットを後にする。
交替した武藤選手も、デュバル選手と同様、カートも含めてキャリアの総てがフォーミュラだったことから、屋根のあるクルマのレースは今回が初めて。
NSXの車重は1t以上もあって、乗り慣れたフォーミュラの倍以上もあるが、その重いマシンを着実にコントロール、ノーミスのドライビングを続けていった。
だが、最後の最後、残り2周を切った51周目の2コーナーでコースアウトしてしまった。黄旗が提示されていたことで、平常心が乱されたのかもしれないが、あと一歩のところでチェッカーを受けることは適わなかった。
だが2人のドライバーが50周、ほぼ完璧に周回したことで15位完走とされ、ともに先ずは及第点のデビューレースを終えた。
●EPSON NAKAJIMA RACING総監督 中嶋悟のコメント
結果は残念だけど、マシンやドライバーも合わせて、これが我がチームの、今の段階でのポテンシャルだと思います。2人のルーキーは、1回ずつミスもしたけれど、まずは評価できる内容だったと思います。点数で言うなら及第点ですね。
今回は、このポジションが精一杯でしたが、もう少し暖かくなって、マシンやタイヤをコンディションに合わせ込むことができると、さらに上位を狙っていけると思います。
これからも、応援をよろしくお願いします。
※次戦は、4月7日〜9日、岡山県岡山国際サーキットで開催されます


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